7/14 バーでウイスキーをたしなむ

(タイトル、『たしなむ』って言いたいだけのやつ)(大人ぶりたい)

 風邪は、もうあとときどきのずるずる鼻水だけなので、終わったことにする。終息宣言。ゆっくり休んでも治るまで1週間はかかるってところかしら。

 昨日は、あのあと髪の毛を切りに行った。ヘアスタイル、いつもとはちょっと違う形に仕上げてもらった。ショートカットなのにいつもより長い間切りに行かなかったので、伸びていた部分を活かして、少しボブっぽくなった。普段とは違う丸いシルエットが新鮮。

 髪の毛を切ったあと、サロンの最寄り駅まで迎えにきてくれていた旦那さんと合流して、しばらく街をふらふらお散歩して、夕飯を食べながら「3連休、何して過ごす?」みたいな話をして。映画『ダイナー』と『トイ・ストーリー4』が気になっているんだよ、とか、中目黒のスターバックス ロースタリーはそろそろ空いてきたかなぁ、とか。このお店のオニオンフライはガリガリ系だねぇ、とか。そんな他愛もない話をしていたら。旦那さんが突然「思い出した! ここの近くに、行ってみたいお店がある!」と言い出した。

 そんなわけで、『ニッカ ブレンダーズ・バー』に行ってきた。

 お酒に弱いアラフォー夫婦。バーでの振る舞い方のイロハを知らないので、緊張しつつ、行ってきた。このお店は、バーによくある重厚なドアがなくて、するっと入れた。照明を絞った店内には、先に楽しんでいるお客さんが2組いらっしゃった。バーテンダーさん(マスター? バーの知識がない……)が、カウンターの中ほどの席に案内してくださった。

 オーダーは、旦那さんが事前に調べて気になっているという『テイスティングセット』。6種類のウイスキーを飲み比べられるセットだ。早速運ばれてきて、説明を聞く。テイスティンググラスに移すのや、加水とやら、ウイスキーの作法は、全部旦那さんにおまかせだ。

 テイスティンググラスに移されたストレートのウイスキーを、味見だけと思って口元に持っていく。と、まず、アルコール分が目にきた。そしてアルコールの香りがきて、舐めるくらいのほんの少しだけ口に含むと、口に入った瞬間から熱くなる。6種類、それぞれ違うのはわかるけれど、どう違うのか説明できるところまでは辿りつかない。まだ、全然味わいを楽しむところまでいけない。ウイスキー、手ごわい。

 旦那さんが加水するといって少しずつ水を加えたのを、また端から試していく。ストレートよりはやさしくなっている。さっきので学んだので、グラスを口元に持っていくときには目をつぶることにした。目をつぶった分、嗅覚が敏感になったのか、加水することで香りがわかりやすくなるのか、ストレートよりは香りの個性がわかるようになった。メープルっぽい、カラメルっぽい、チョコレートっぽい、煙い……。飲むと、アルコールがきて、一瞬香りを感じて、またアルコールに戻って、口の中が熱い! 味はまだよくわからない。

 時間の経過か、加水の効果か、舌が慣れてきたのか、どの効果なのかはわからないのだけれど、加水して2周目には全部、大分まろやかになって飲みやすく、味もわかるようになった気がした。6種類の個性の違いもわかってきた。

 試した6種類の中では、『キーモルト宮城峡 "Molty & Soft"』が一番好みだった。甘軽。旦那さんのお気に入りは『キーモルト余市 "Woody & Vanillic"』だったらしい。ちなみに、『キーモルト余市 "Peaty & Salty"』はいぶりがっこの香り、とのこと。旦那さんメモ。

 アルコールに弱いわたしたちは、ウイスキーをひとなめしては水をひとくちふたくち飲みしていた。バーテンダーさんが、コップに水が半分くらいになると、何度でもグラスに水と氷を注ぎ直して結露をきれいに拭いて出し直してくださった。『さすがバー! これがバー! 大人の場所!』と思った。

 お酒、弱いのだけれど、ひと月に1回、1時間くらい、あんな雰囲気の空間で、甘くてアルコールのうすーいお酒をつくってもらって飲みながらひたすらぼーっとしたりひとりで考え事に浸ったりすると、いい時間が過ごせそうだな、と思った。Bar入門したい。バーでの振る舞い方を知りたいぞ。年長者に教えを乞うか。まずは本でも探してみようか。

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