6/28 あてずっぽうゲーム

 昔から、どうにも目がいろいろと弱く、眼科にはお世話になりっぱなしである。今も数か月に一度の定期検診は欠かせない。最近だと、つい先週お世話になってきた。

 視力検査。黒い輪っかの切れている方向を言う定番のタイプのやつ。むかーしむかし、あの表の下から数行までは裸眼で見えていた時代があるなんて、もう信じられない。今のわたしは、視力の左右差が激しくて、悪い方はレンズなしでは上から数行しか見えない。良い方だって看護師さんがいろいろレンズ入れて試してくれて1.0がやっと見えるくらいだ。

 あのレンズ、1枚入れ替えるだけで見える世界が変わるからおもしろい。あのレンズがずらーっと並んだケースも圧巻だ。いつか機会があれば、あのレンズケースの中のレンズを、「うぉーっ! このレンズとこのレンズの組み合わせ、すごい遠くまでよく見えるー!」とかなんとか言いながら満足するまで存分に遊び倒してみたい。

 あと、レンズの角度を左右に少しずらしたら見え方が変わるけれど、あれは何が変わっているんだろう。角度で見え方変わるって、遮光レンズか何か? ずっと疑問に思っているのだけれど、そんなのを看護師さんに聞いて仕事の邪魔をするのは悪い気がして、10年以上疑問のままにしてある。

 いざ検査。自信を持って開いている方向を言えるのは最初の数段で、すぐに単なる黒いぼやぼやに見えてくる。上と右とか下と左とか、隣接する2方向が開いているように見えてくるのだ。そういうときどうするか。

1.見えているくらいの体で「上」なんて普通に答える。
2.「左、かなぁ」なんて少し見えづらくなっていることを伝えつつ答える。
3.あきらめて「わかりません」と言う。

 今回は3.にした。何度か「わかりません」「わかりません」「んー……わかりません」と繰り返していると、看護師さんに「なんとなくでも大丈夫ですよ」と言われた。でも、もうどっちが開いてるもなんとなくもないくらい見えない。むしろ開いてなくない? 黒いもやもやした点しか見えない。もはやあてずっぽうゲームの様相。いや、真剣に答えているけれども。

 わたしも頑張ったし、看護師さんも根気強くつきあってくださったけれど、結果として今回は視力がいつもより悪かった。たまたまなのか、本当に下がっちゃったのか、次回要確認。だし、何がまずいって、近々運転免許の更新が控えている。視力検査、通らなかったらどうしよう。要眼鏡と言われても、視力調整用の眼鏡は持ってないぞ。

 あの視力検査表、小学生のときは、自分より前の順番の友達が答えているのを一生懸命暗記して、自分の番のときは見えてなくても答えてたな。努力の方向。検査の意味。あの頃の自分に軽くチョップしたい。

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