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【鮮やかな日々#054】受信と発信

建物や人家に設置されているアンテナを見る度に、以前は何の興味もなく、単に景観を損ねる無粋なものだと思っていた。
もちろん、その役割を知った上で、である。

先日、散歩をしていて、目に入ったアンテナを、なぜかつくづくと眺めた。
よく知っている、お馴染みの姿だったはずだが、見れば見るほど、よく分からない不思議なものに思えてきた。

装置や内部の構造や技術そのもののことではなく(これらに完全な知識があるわけではないが)、空中から何某かを捉えて私たちのもとに届ける(或いはこちらから送る)、という機能そのものが、不意に不思議に思った。

もっといえば、「空(クウ)の中に目に見えない何かをやり取りをする」ということを、一体、どうしてヒトは始めたのだろうか。
もちろん、その科学的探究の系譜や沿革や論理や根拠(?)があるのは知っているが、その究極的なところ、最初の地点に強烈な不思議さを想う。

私たち現代人も、この地球に生まれ落ちて以降、生きていくために、全身で何某かを受発信しているはずで、その機能の一部をアンテナに受け渡しているに過ぎない。

アンテナの形状は、私たちに真に必要なものを一生懸命に集めようとしているように見える。
私も真に良いものを受け取り発していこうと思う。

〔今日の生命〕




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