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2019ベルリン観劇記録(3)『Das Spiel ist aus』

10月4日

Das Spiel ist aus 

劇場 Deutsches Theater ドイツ座

作 Jean-Paul Sartre

演出 Jette Steckel

舞台美術 Florian Lösche

衣装 Pauline Hüners

音楽 The Notwist

映像 Alexander Bunge

ドラマトゥルギー Anika Steinhoff


ジャン=ポール・サルトルが映画のために書いた脚本 Les jeux sont faits(邦題:賭はなされた)の舞台化。知人からの評価が非常に高い演出なので、観られて良かった。運命の相手と出会わないまま生きてきた男女が同時刻に殺され、死者の国の入り口でとうとう巡りあう。24時間だけ現世に戻り、その間に結ばれれば本来の寿命を全うできると言われるのだが――と、ファンタジー色が強い。(私は、萩尾望都が漫画に描きそうなテーマだなと思った)

客席が舞台上に組まれ、盆で360度回る。アクティングエリアは3階席まである客席の1-2階、盆周りの舞台面前方および奥の壁付近で、壁自体は中盤まで黒幕で隠されている。友人曰く「エレクトロニカにトラップのビートを乗せたような」今っぽい音楽。客席に降る薄いビニール袋を千切った雪。作品紹介ページにも写真が掲載されているが、二人が見つめ合うシーンの照明は今までに観たことのないもので素晴らしく美しかった。写真の何倍も。

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テーマがテーマとは言え、終始ロマンティックに従った作品をベルリンで観ることになるとは思わなかった。ひょっとして、これがドイツのネクストジェネレーションなのだろうか?月末には同じ演出家の別の作品を観る予定がある。楽しみだ。


ドイツで観られるお芝居の本数が増えたり、資料を購入し易くなったり、作業をしに行くカフェでコーヒーをお代わりできたりします!