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2024ベルリン観劇記録(10) Mein Herz dein Bunker – 290 BPM

2月18日ベルリン10本目。
ドイツ座の中劇場Kammerにて、若者に演劇の場を開放するための活動DT Jung* の上演。10代の若者が中心で、Sascha Waltz & Guests の若手、青少年によるサーカス団体 CABUWAZI、クロイツベルク地区の課外教育団体 Street UniverCity Berlin 、Live DJのPaula Schopf (Chica Paula)も出演協力している。


演出 Paula Thielecke
上演台本 Paula Thielecke
舞台美術 Demian Wohler
衣装 Slavna Martinovic
振付 Wibke Storkan
DJ MIXと音響設計 Paula Schopf (Chica Paula)
アートワークと映像 Maša Stanić
サブメンター Kimmy Bährens
TRAINING ARTISTIC Tadios Cherenet
ドラマトゥルギー Jasmin Maghames , Maura Meyer
出演 Isaak Antwi, Giulia Bauer, Moritz Busch, Piere Maliek Buz, Theresa Kaplick, Tommy Lehmpuhi, Louis Eberhardt Nguelemo, Linka Richter, Ayleen Tunçer, Lotta von Polheim, Anais Sakka camelin, Frida Gabriel, Hannah Pirot, Jasper Frank, Lou Cyaia, Mira Antonina Campo Jastrzebski, Nika Brovot, Noomi Amelie Aldinger, Rosa Vasila, Noemie Staab, Ophelia Maria Onyeukwu, Toni Ben Yaron Lehnert, Jonathan Walker, Tim Luther, Frida Jähring, Franz Jähring, Myasar Kheder Kasem, Yamin Al Salami, Vivienne Bauer, Lina Jahn

 1993年、ベルリン-フリートリヒスハイン。10人の仲良しグループが旧東ドイツの中央食肉解体工場跡に自分たちのクラブを設立することを決める。何万頭もの牛、豚、羊、家畜たちが屠殺され前の最後の瞬間を過ごした部屋なら、自分たちの強い思いを追求できる場所、つまり愛すること、生きること、エクスタシーに熱中できる場所を作れるはずだ。こうして空き工場は彼らに占拠され、Wursthof の設立が宣言された!(…)
 この物語は、壁崩壊後まもない90年代ベルリンの空きビル、新しいことが始まる雰囲気、さまざまなトレンドのテクノサウンドと、今日まで続く伝説的なベルリンのクラブカルチャーの基礎となった時代の、典型的な姿を描いている。

https://www.deutschestheater.de/programm/produktionen/mein-herz-dein-bunker-290-bpm


 総勢30名ほどの若者が中心となったパフォーマンス。Sascha Waltz & Guests のダンサーの中に目を引く者が数名いた。Wibke Storkanの振付も好みだった。Paula SchopfによるDJプレイが爆音で響き続け、足の裏や背中、腹がドコドコビリビリするものの、耳は全く痛くならない。音響設計が素晴らしい。久しぶりにベルリンのクラブを感じ、音の体験は楽しかった。(わたしがベルリンでクラブに行っていたのは2011-15年の滞在時なので、最近の傾向はわからない)。
 上演として面白いかというと、勢いだけの部分も多く退屈した、というのが正直な感想だ。10人全員を立てるためにセリフが必要以上に増やされているような。振り付けはバランスが良かった。シルクなどのサーカス技術は、作品として見ると蛇足だ。しかし、あらゆる子どもたちに機会が開かれているのは良いことだし、客席は親子や若者同士が多く見受けられた。意義のある企画である。

ドイツで観られるお芝居の本数が増えたり、資料を購入し易くなったり、作業をしに行くカフェでコーヒーをお代わりできたりします!