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ラオス暴走日記2010 Vol.6 〜バイク事故で九死に一生事件〜

※過去日記の転載です

2018年9月27日

2泊しかしていないが、根が生えてしまいそうなほどにチルアウトな雰囲気を満喫できたここドンデット、このままだと腐ってしまいそうなので、ない後ろ髪を引かれる思いで、次の目的地に向けて出発することに。

朝飯はフーばっか食ってたので、バゲットサンドを食すことに。

ま、想像通りの味。

昨日の日本人2人と、他の旅行者と一緒に船に乗り込み、対岸の街Nakasongへ。
そして、2人はカンボジアのStung Trengに抜けるとのことで、ここでお別れ。

21歳の彼には、世界一周ぜひ頑張ってほしいっす。
ラオスでは初のバイタクでハートサイクンへ。
このおっさん、なかなか陽気なやつで、いろいろラオス語を教わる。

置いていったバイクとの再会を果たすために、Khong島へ。

おばちゃんがちゃんとバイクを預かってくれていた。
当然ながら管理費的なものを支払おうと思い、
いくら?と聞くと、金はいいよ、と言ってくれた。

うーん、なんか申し訳ないが、朝飯は食っちゃったので、水を2本購入してみる。

こういう人の良さに触れると、また来たいと思うけど、もう来ることはおそらくないだろうから、記念に写真を一枚。

再び対岸に戻り、走り慣れた国道13号線を南へ。

当初の予定では、このまま北上し、VientianeからVang Vieng、そして古都Luang Phabangでゴール、と思っていた。

しかし、実際は一日400km走るというのはなかなかキツイということが分かった。

Vientianeまで約800km、2日かけて戻り、さらに北上し、その後Luang Phabangまで片道420kmを走って次の日戻る、というのはかなり無理があると思われる。

また、Luang Phabangは町自体が世界遺産となっている珍しい町だが、ラオス南部の発展ぶりから想像するに、Luang Phabangもアンコールワットのように観光地化されてしまっているのでは、という危惧もあった。

そこで、計画を変更し、南部のAttapeu、セーコーン、サーラワンと周り、ジャングルや滝、国立公園トレッキング的なことに挑戦しようと思い立つ。

ここからは舗装路ではなくダートロードを走ることになるので、まずはガス補給。

さらに、昨日発見したチェーン下のスライダーゴムの切れを簡易的に修理してもらう。

これで準備はOKっつーことで、Attapeuに向かって未舗装路を進む。

最初は動画を撮ったりする余裕もあったのだが、途中からどんどん道が悪くなってきたので、まじめに運転する。

ただ、Attapeuまではおよそ150km、舗装路なら2時間半くらいで余裕だが、こんな道路状況なので明るいうちに着けるかちょっと不安があった。

また、カンボジアでも未舗装路を走ったが、その際にオフ車の走破性に非常に驚いたこともあり、XRへの過信もあったと思われる。

そして、スピードを出していたのがあだとなり、途中、登り坂で大きく縦に割れた裂け目にハマった。

バイクに乗っている人は分かるかもしれないが、バイクで事故る時ってのは、意外に周りの状況が冷静に見えるのだ。

これはやばいと思った時には既に遅し、ハンドルを取られ、なんとか立て直そうと思うも、最後はつんのめるような形で、ずさーっと滑りながら左に横転。

いてぇとかそういうんじゃなくて、ああ、やっちまった、ととりあえず思った。

そして、ちょうど裂け目のところに単車がハマってしまい、シュラウド(ラジエーター横のカウルみたいなやつ)が左太ももに刺さるような形になった。

抜けない。いてぇ。
左足が挟まれている状態からバイクを起こそうっつーのが無理な話である。

手で土を掘り、どうにか隙間を作り左足を引き抜く。
今考えると、この10秒くらいの時間が左足に深刻なダメージを与えたようだ。

この辺で、レンタル屋にいくら払うんだろう、なんつー考えも一瞬頭をよぎる。

とりあえずバイクはそのままにし、道の端っこに座り込む。
汗が噴き出て止まらないし、吐き気がする。

最悪だ。
たぶん折れたりはしていないだろう、と感じたが、とりあえず呼吸を整える。

通りかかった二人組の高校生らしき若者がバイクを起こしてくれた。
苦笑しながら礼を言おうとするが、顔が引きつる。

ある程度落ち着いたところでバイクに近寄りダメージをチェック。
足とシュラウドがクッションになったおかげで、タンクなどは無事だった。

気合いでバイクを起こし、エンジンをかけてみると、こちらも問題なし。

バイクが無事ならとりあえず旅は続けられる、ということで一安心。
一瞬、このままAttapeuまで向かおうかとも思ったが、さすがにこの道をこのハンデのまま運転するのはきつい。

それと、擦り傷もあり、破傷風などの危険性も考えるとさすがにリスキーだろうと冷静に判断し、国立公園の管理事務所的なところに一時避難することに。

とりあえず傷を消毒してもらったので破傷風は大丈夫そうだ。
しばらく休ませてくれ、と頼むと、そこで寝てていいぜ、と快くOKしてもらう。

しばらく寝ながら、今後のことをいろいろ考えていると、昼飯の用意が着々と進んでいる。

ランチの時間だ、おまえも食え、とありがたいお誘いが。

カエルのミンチを炒めたものと激烈にスパイシーな野菜、あとはもち米カオ・ニャオ。
もちろん現地のしきたり通り、手でつかんで食べる。

ま、正直、私をしてもあまりに現地の味つけ過ぎたのと、ダメージのせいであまり食えなかったが、お代はいらないぜ、Special for you!
と言ってくれた、国立公園のレンジャーたち、ありがとう!
いつか、何かで恩返ししなきゃな。

で、小一時間くらい休んだところで、ただの打撲ならある程度おさまってくると思ったが、あまり状況は変わらないので、とりあえず今日は一日休むことにしようと決断。
Pakseに戻る。

Pakseは南部では一番大きな町で、インターナショナルクリニックもあったので、とりあえず行ってみる。

私以外に患者はおらず、6人くらいの仰々しいお出迎えを受ける。なんかVIP気分。
写真だって撮っちゃうぜ。

とかのん気にやってたら、
真ん中の、いかにも医者って感じの雰囲気の女医さんが、注射を打つからズボンを下ろせ、などと言う。

どんなプレイだ、と思いつつ、ケツにでかい筋肉注射と思しき注射を打たれる。
笑えないくらいいてぇ...。

これは事故直後の私の足。

見た目はそんなにダメージがあるようには見えないが、左足の膝が破れてしまっている。

傷口の応急処置をしてもらい、なんと車椅子に乗せられレントゲン室へ。
バイクタクシーとかトゥクトゥクじゃなくて、まさかラオスで車椅子に乗るとは思わなかった。

謎のラオス語の薬をもらい、1,000円くらいを払い、治療終了。
みんなに見送られ、バイクにまたがって宿を探す。

今日はさすがにダメージもあるし、動けないと暇だから、Wi-FiでiPhoneを使えるような、ちょっといいホテルに泊まろうと思い、パークセーホテルというホテルにチェックイン。

宿泊代はなんと$18。
今までの私の一人旅の中で、1、2を争う高値である。

しかし、部屋の設備は充実しており、Wi-Fiも快適、衛星放送もきれいに映る。

シャワーを浴び、ベッドに横たわると、自分のアホさ加減にため息しか出ない。
とりあえずひと眠り。

メシでも食って元気出そうと思うが、足を引きずっているので遠くには行けず、目の前のレストランでラープを食べる。

これがクソまずかった。
カンボジア、ラオス通じて最強かもしれん。
ますますテンションが下がり、うなだれつつ足をひきずりつつホテルへ。

冷蔵庫のコーラとビールで足を冷やしつつ、iPhoneで2ちゃんまとめサイトなどを見てみる。
くだらないネタに大笑いしている自分がちょっと悲しくなってしまったが、ま、笑えるだけまだマシか。

ちょっと元気が出たので、先ほどのリベンジを果たすべく、メシを食べに再度外出。

足は相変わらず痛い。

極真空手で、渾身のローが膝でブロックされて悶絶した時よりも痛いかもしれん。
それを考えると、ただの打撲じゃないかも、と今さらながらに心配になってきた。

白人ばかりのおしゃれなバーカウンターがある店に行き、パッタイを食べることに。

店員が、飲み物は?と聞いてくるが、さすがにアルコールは自重しようと思い、いらん、と答えると、食べ物だけでいいの?みたいなことを不思議そうな顔で言いやがる。

周りを見渡すと、フランス人と思しき白人旅行者ばかり。
生ビールが店の売りのようで、カップルやら老夫婦やら、みんな楽しそうにビールを飲んでいる。

クソったれ、これ以上孤独感をあおるんじゃねーぜ。
こちとら負傷中だっつーの、黙って言われたもん持ってきやがれってんだ。

パッタイはうまかった。しかし、これ以上ないほどにみじめな気分にうちひしがれ、足を引きずりホテルに戻る。

明日の予定は起きたら考えよう。
ベッドに入りながらサッカーを見ていたら、いつの間にか寝ていた。

To be continued...

#旅日記 #ラオス #海外旅行 #海外バイク旅 #三線旅 #XR250 #旅とわたし


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