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【DAY.55】新潟発着!2ヶ月で、公務員がバイクで全国周る旅日記

この記事、連載は...
民間から中途で新潟県庁に入った公務員が、4年で退職するその前に、有休消化で全国をバイクで回る、という、ノープランな企画です。予約なし、フィーリングファースト。

7:30、秋田県 秋田市の快活CLUBにて起床。

快活CLUBには無料モーニングというのがあって、朝の時間はトーストとフライドポテトが食べ放題になる。

まあ、トーストはともかく、朝からフライドポテトをガッツリ食うのもちょっとあれだが...。

というわけで、まずは秋田県庁へ。

実は、秋田県庁の食堂は8:00オープン、朝食セットというのを提供しており、役所メシ企画の一環で、早速頼んでみた。

値段は550円で、ハムエッグと小鉢、漬物、焼きのり、ご飯、みそ汁、フルーツのセット。

まあ、味は普通。
コメはなんとなく美味いような気も。

吉野家の同程度のセットが490円、ちょっと割高感あるかも。
玉子が比内地鶏とかコメがあきたこまちとか、そういうことなら適切な気もする。

ちなみに、すぐ隣の秋田市役所の食堂も覗いてみた。

秋田市役所の方が新しく、食堂にはオープンテラスが併設されており、外で食べたら気持ち良さそうな感じだった。

腹も満たされたところで、出発。
あては全くないが、なんとなく内陸方面に向かって走る。

途中、道の駅で、秋田名物ババヘラアイスを買ってみた。

ババというには少しお若いかな?
味は、なんてことのないゆるめのシャーベットだが、"ババ"とのコミュニケーションが重要だな。

そして、11:30、なぜか岩手県に再入国。

走っている中で色々考えたのだが、

・秋田県内で役所メシが食えそうなところがないこと
・行きではスルーした盛岡まで割と近いこと
・その近くの紫波町に、知人のポストにしばしば上がる、「オガール」なる公共施設があること

などの理由から、岩手入りを決めた。
相変わらず行き当たりバッタリ。

まずは、岩手県庁へ。

メニューの選択肢はあまりなく、少しでもご当地感のあるものということで、南部産の小麦粉を使ったラーメンをチョイス。
400円は安い。

プリプリとした歯ごたえと、あっさりスープは悪くなかった。

で、そこから南下し、紫波町へ。

オガールは、モダンなモールのような雰囲気。

中には多様なテナントが入っているようだ。

飲食店やヘアサロン、ベーカリーなどのテナントに加え、図書館や保育施設、クリニック、体育館、ホテルも併設されており、まさに公民連携の複合施設の一つの完成形と言えるのかもしれない。

もちろん、紫波町の役場もその複合施設の中に統一されたデザインで建てられている。

急な訪問にも関わらず、知人がつないでくれたおかげで、紫波町の役場の方に少しだけお話を伺うことができた。

このプロジェクト、まだPFI(Private Finance Initiative)、つまり、公共施設等の設計、建設、維持管理、運営などに民間のノウハウを入れよう、という考えが出てきたばかりの2007年、オガールプロジェクトは、それよりも一歩進んだ公民連携、PPP(Public Private Pertnership)の超先駆けとして、水面下で始動し始めたそうだ。

バブル期に、町が駅前の土地約10haを買い上げたものの、バブルがはじけてその活用に困っていたという事情もあったようで、これほどの大規模なプロジェクトになったようだ。

補助金を一切使わず、最初に入るテナントを固め、収支計画を練り上げてから資金調達に入った。
活用の見込みや収支計画も、怪しげな行政ペーパーを作るだけで、ほとんどまともな試算をしない普通の役所のハコモノとは成り立ちから一線を画している。

公民連携、PPPの先進的な事例として全国から多くの自治体、民間も視察に来ているようだが、ちょっと思ったことを。

まず、このオガールプロジェクトは、前述のとおり駅前に広大な町有地があった、という固有の事情が先にあった。

また、紫波町が大都市盛岡からほど近く、ベッドタウンとしての機能を持っていたというのも特徴の一つ。

だからこそ、オガールの中心には図書館があり、保育施設や小児科クリニックもある。

トータルのデザインも、若い子育て世代を意識して統一されているように感じた。

つまり、これは紫波町の特性を十分に踏まえて作られたカスタムのプロジェクトで、これをそっくりそのまま真似するのはナンセンスということだ。

過去に視察に訪れた行政職員のレポートなどがあったらぜひ読んでみたいのだが、役所は、仕掛けの部分に着目するよりも、この施設自体をそのまま真似しようとする傾向があるように思う。

"仕掛け"の部分を、上司に説明するのは難しいケースが多いし、議会で説明するのはもっと難しいだろう。
だから、こういうものがあった、うちの街にも作ろう、となってしまいがちだ。

そういう文脈でこの施設を捉えると、単にちゃんとデザインされたモダンなハコモノを作ろう、みたいな安易な真似をしてしまうことにならないか、ちょっと気になってしまったが、これは余計なお世話というものだろうか。

さて、短いオガール体験を終え、近くの日詰商店街へ。
私の好きな、どローカルな商店街っぽい。

片側交通ではないのが不思議なくらい狭い道。
ところどころにすれ違いポイントがある。

中心部にある街の駅、イラストが可愛い。

これも私好みの古着屋。

私の好みだけを言えば、モダンなオガールよりも、こういう"人の匂い"があって、それぞれの人の小さな工夫が見える場所の方が断然いい。

どっちがいい悪いではなく、若い子育て世代が住む、ということを考えれば、オガールのような場所が必要だろうし、私のような旅人が歩いて楽しいのはこういう場所、というだけのことだが。

で、知人におすすめされていたリノベーション物件、はちすずめへ。

ここは元々は美容室だったようで、その名残が残っていた。

こうやって、元の店のDNAが残っているのはすごくいいと思う。

今はお菓子屋さん。
ヴィーガン対応のお菓子もあるそうだ。

こちらは作業場。

中には、ぜひ撮影するようにと言われた社訓が飾ってあった。

シンプルだが、どれも重要。
クレドはシンプルな方が断然良い。

というわけで、時間は15:00、今日の目的地は横手市に決めた。
正直、焼きそばのイメージしかなかったが、ゲストハウスがあるようだ。

昨日の反省を踏まえ、直前ではあるが、一応Booking.comから予約。

途中、湖に木が沈んでいたが、これはダムの水量の調節加減によるものだろうか?

16:45、秋田県再入国。

改めて、本州の都道府県のサイズと、北海道のサイズのスケールの違いを感じた。

そこから30分ほどで、横手市の十文字という地域に到着。

泊まるのは、"発酵"をテーマにした珍しいゲストハウス、「Hostel&Bar CAMOSIBA」さんだ。

元は仕立て屋さんだった物件をリノベーションした宿らしい。

歴史を感じさせる佇まい。

びっくりしたのが、冷蔵庫に「FREE MISO」なるものが。

これは初めて聞いたが、可能性しか感じない。

外をぶらぶらしていると、なんだかすごく幻想的な写真が撮れた。

日が沈んでいき、ああ、旅ももうすぐ終わりなのか、と改めて感じ、寂しくなったが、終わりがあるからこその旅でもある。

で、宿のオーナーさんにおすすめされたマタギ料理の店へ。

おしゃべり好きなお母さんが出迎えてくれた。

話していると、なんと大間崎で偶然会った日本一周ライダーもここを訪れていたそうで、Facebookを通じて反応があった。

食べるのは、もちろんクマ肉だ。

人生初のクマ肉、思ったよりはクセがなくて美味い。
下処理でだいぶ変わるようだが、ここはお父さんがマタギらしく、上手に処理をしているのだろう。

で、横手名物、横手焼きそばも頼んでみた。

半熟の目玉焼きが乗っていて、ちょっと甘めの味付けなのが特徴のようで、この辺では十文字焼きそばと呼ぶそうだ。

料理を堪能し、宿に戻ってバーで一杯。

つまみはスモークチーズといぶりがっこ。

ここで、宿のオーナーさんが、秋田県庁の若手職員を呼んでくれた。

横手市には平鹿地域振興局という出先機関があり、そこに勤務しているそうだ。

まだ地域でしか働いた経験がないそうで、本庁だと色々めんどくさいことが多いよ、と言っておいた。

まあ、仕事の話というよりは、これからの社会において公務員はどういう役割を果たしていくべきか、みたいな割とガチな話をしたと思う。

そう言えば、弘前市の人とお話している中でおもしろかったキーワード、物事を動かすのは、"ヒゲ"の公務員だ、ということ。

明確にヒゲを生やしてはならないとは服務規程のどこにも書いていないけれど、なんとなくの同調圧力で、普通の公務員はヒゲは生やさない。

しかし、それを全く気にせずヒゲを生やしている方が青森県庁にもいて、その方が新しいことをゴリゴリ進めまくっているそうだ。

まあ、私もヒゲを生やしてはいるが、そんなことを意識したことはなくて、ボウズにはヒゲだろう、というくらいなんだけれども。

ヒゲの公務員、全国に増えていったら日本もだいぶおもしろくなりそうだし、そういう公務員が集まる会をやりたいくらいだ。

そういえば、ヒゲだと女性は対象外になってしまうのだが、活躍してる女性職員にも共通点があったらおもしろいなとも思う。

この日はあまり深酒するつもりはなかったが、ついつい話が盛り上がり、2杯ほど余計に飲んでしまった気もする...。

#今日の走行距離 118km
#総走行距離 9,995km

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