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積み上げたものとは。

クラブ史上初のJ3降格。3シーズン連続での残留争い、もっと前から言えばJ2に降格してから6年。成績は悪化していく一方だった。浮き彫りになる経営陣の酷さ、乖離していく理想と現実。ライバルクラブや同シーズンに降格してきたチームの躍進をみてほんとに辛すぎるシーズンだった。いまの正直な気持ちを書いてみようと思う。

コロナ前自分が一番大好きだったチャント。「積み上げたものを信じろ」
果たしてこれをまた歌える日が来るのだろうか?いまのチームには積み上げものがまるでないように感じられる。正直来年落ちて一年で上がれるか?と聞かれてもちろん!とは言えない。むしろこのまま変われずズルズル落ちていって中位くらいで終わってしまうんじゃないか。そう言うイメージしか想像できない。

今シーズン、開幕前から不安点はあった。具体的な目標がないフロント、そしてまるで整備されてないスカッド。ボランチとFWの枚数は多いのにサイド(特にサイドバック)は不安が残るスカッドだった。選手には申し訳ないが選手の質も正直かなり下がっていたし、昇格を目指しているチーム作りとは程遠いものだった。実際、夏にサイドバックの補強を2期連続でしているのが全てではないだろうか。これが社長の言うコストカットの代償なのか。コロナなどもあり経営状態がしんどいのはわかるがそれにしても謎が多すぎる編成だった。

個人的に降格を覚悟したのは5月27日の甲府戦。5-1という屈辱的な展開で負けた後のバス囲みでの社長と強化部長と原さんとの対談。ここでサポーターとフロントとの距離感の違い、社会人としてのあり得ない対応に「これは今年はマジでやばい」と感じたシーンだった。バス囲みの途中、怒り、悔しさ、虚しさ、全てが混ざって顔を上げることができなかった。

その不安が的中するかのように全く勝てないシーズン、特にアウェーでは7月30日まで未勝利。ホームゲームでもいわきに1ー5、長崎に0-4など複数失点でボロ負けする試合が続いてほんとにこのクラブはどうなってしまうのか、という不安しかなかった。このクラブを応援してきてかれこれ11年。初めて大宮から離れようと思ってしまった。大好きなクラブが目の前でぶち壊れされていく過程を見るのが本当にしんどかったし辛かった。

今シーズン当初からイギリスに留学に行くことが決まっていたので9月3日の山形戦を最後に現地には行くことができず、大宮の試合結果はテキスト速報でイギリスから追うこととなった。現地で応援できないのが嫌だなという気持ちが90%を締めていたがこの現状で正直現地に行けなくて良かったと思ってしまった自分がどこかにいた。9月3日時点で大宮はダントツの最下位。その後の展開によっては10月の初めにも降格が決まっていた可能性があった。そんなJ2史にも残りそうな最低なシーズンを目の前で見なくて済む。降格を目の前で見なくて済む。そんな考えに陥ってしまっていた。

そんな思いでイギリスに来て現在約2ヶ月。率直に思うことは「このクラブのゴール裏って最高だな」と。このチームが弱くなって唯一良かったことかもしれない。どんな時でもサポートし続けるオレンジャー 。そこに反応して跳ね続ける仲間。なかには高校生や自分と同じ大学生もいる。どんなに遠方でも、日程がきつくても、大宮のために駆けつけ、飛び続けるあなたに本当に感動した。オレンジに染められたアウェー藤枝のスタンド。降格決まりかけてる甲府戦で1万人を超える観客。そしてチケット完売のアウェー清水。Twitterでしか見れないし何もサポートできない自分が悔しいと感じた。なにを考えてたんだろうなって馬鹿馬鹿しくなった。本当にこのクラブの最後の希望はフロントでもなく選手でもなく、オレンジャー そしてこのゴール裏だと思う。

この写真には震えるものがあった。

フロントやもっと言うと親会社にはもう言いたいことだらけすぎる。勝つ気がない運営はもうごりごり。そんな奴らに大宮をぶっ壊す権利はないし、やる気がないならとっとと辞めてくれ。いままで潤沢な資金に甘えて適当な運営をしてきたツケがここで回ってきてるとしか思えない。この数シーズンはあらゆる面でそれが露骨に出ている気がする。育成型クラブとか言って高校生をチームのDFリーダーにするクラブなんて歴代のJリーグチームで初じゃないか?アカデミー卒の選手でj1で戦える選手がいま何人いる?

J1から降格してからずっと俺たち大宮サポーターがどれだけ他サポやファンでもないやつに馬鹿にされてきたことか。まだそんなチーム応援してるの?って。こっちは言われて悔しいんだよ。選手、フロントはこのサポの気持ちを受け止めて100%の力を出し切ってるか?はっきりいってサポーターを馬鹿にしているとしか受け取れない今のこのチームには怒りしかない。


来年正直かなり厳しい戦いになるだろう。もしかしたらJFLに降格するかもしれない。また死ぬほど連敗しまくるかもしれない。この暗黒期はまだ始まったばかりかもしれない。でもこのゴール裏がある限り、大宮を愛する仲間がいる限り、「どんな時もここに集い、大宮への愛を歌おうじゃないか」

奇しくも大宮の21位が決まった11月4日。アビスパ福岡が初のタイトルを掴み取った。少し前まではJ1に上がってもすぐ1年で落ちてしまう。というジンクスがあり、なかなかJ1に定着することすらできなかったチーム。2012年に関してはj2で18位である。それでもサポーターは諦めなかった。そして今日タイトルを掴み取った。

大宮もタイトルを取るまでに5年、10年、いや20年かかるかもしれない。でもいつかその日が来ると信じて頑張ろう。このゴール裏があり続ける限り、まだ俺たちには可能性は残っている。

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