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クラウドファンディングは資金調達ではなく、広報だった。300万円集めた実践ノウハウ

先日目標金額300万円のクラウドファンディングが達成したので、個人的にためた知見をシェアします。

NPOやNGOでファンドレイジングされている方々、参考にしていただければと思います。

(まず、全て個人的見解に過ぎないことをご了承ください。)

はじめに、

クラウドファンディング(以下CF)は資金調達ツールではありますが、広報ツールとして認識して動いた方が頭の整理がつきやすいと思います。

広報イベントとしてCFに挑戦する

想いを届けたいターゲットを決める

それぞれに想いをさすために有効な打ち手を洗い出す

●実際にやって見る

●反応見て仮説立てて違う手を打つ

(●)のところを繰り返す

上記をどれだけできるかにかかっていると思います。これをやっていく過程で想いが届き、共感してくれた人たちが、寄付を下さる。という仕組みです。

そして、もう一つ。

いくらWeb上のページ作成だけに注力しても、お金はそこまで集まらないと思っていただいた方がいいです。(プロダクトをリターンにしているわけではないので。)寄付型なら尚更です。現に、すごく手が込んでいて、イケてるページのプロジェクトが、達成していないこともありますし、あまりページに力を入れていないプロジェクトでも達成しているものもあります。

CF開催中は、どれだけたくさんの角度で、どれだけたくさんの人に思いを届け、共感して応援してもらえるかが重要です。その行動の受け皿として、CFにご支援いただくことができる。というような感じが理想だと思います。

特に自分の場合は寄付型のCFを挑戦したので、リターンに惹かれて支援したくださった人は限りなく少なかったと思います。



ターゲット設定

CFを始める前にターゲットを決めてそこに訴求できるように打ち手を考えて行くわけですが、今回のCFのターゲットは表のオレンジの部分です。

基本的に、今まで団体と濃い繋がりを持ってくださっている人たちにお願いするのではなく、今まで接点が薄いor接点がない人たちに知ってもらって、CFを達成させると言うミッションでした。

なので、具体的に何をしたかというと

・CF挑戦中に拡散力を持たせるために、昨年6月にFacebook,Twitterを始めた。
・栄養業界の会える人たちには全員会う
・講演会を開催しまくる
・昨年9月ごろからジャパンハートカンボジアの活動地にで来てくださった方には
 全員に1時間プレゼンしCF開催した時にシェアしてもらえるように呼びかける

自分が団体に加入し、カンボジアに赴任する前からクラウドファンディングで資金を調達してほしい、と代表から言われていたので、少しずつ準備して行っていました。

タイトル作成

まずはタイトルタイトルのクリック数担保できないと、そもそもアクセスしてくれる母数減っちゃうからタイトルは超重要です。

▶︎タイトルポイント
・ぱっと見で「何をするか?」が伝わる
・具体的な固有名詞を入れる方が想像しやすい
・プロジェクトの説明だけでなく、感情が入ってる方がいい。コンセプトを訴えかける内容
・目標を達成すると、『どんな明るい未来が待っているか』を示すタイトル
(支援者は「夢を叶えてあげよう」とか「面白いものを応援しよう」という気持ちが多い)

タイトルの決め方一例

▶︎タイトルキーワード案
(プロジェクトに関係するキーワードを洗い出して繋げる)

・小児ガン治療
・給食センター
・食で命を救う
・カンボジア
・子ども
・病院給食

タイトルが殺風景にならないように気をつける(例)↓
×ジャパンハート カンボジア こども医療センター病院給食プロジェクト!
○がんと闘う子ども達を”食”で支える。病院給食を提供したい


▶︎タイトルボツ集

小児がんの子どもたちを“食”で救う。病院給食を提供したい!(救うだと一方的)
小児がんの子どもたちのために!命を救う病院給食を提供したい。
(言い回し下手感小児がんの子ども←二重表記)
カンボジアで小児がん治療を始めました。僕は食で命を救います!
(奥行きが少ない)
子どもたちの頑張りを無駄にしたくない。病院給食プロジェクト!
(メッセージ性弱い)
子どもたちの頑張りを不衛生な食事によって阻害したくないんです
(訴えかけすぎてネガティブ要素強い)

掲載文作成

今回の自分のCFの目次に合わせて解説します。

▶︎掲載文ライティング構成(一例)

1,自己紹介と熱量を伝える。
←プロジェクトに心動くよりも人に心動く方が確率高いと思ったので先に入れた。プロジェクト内容でも、実行人の熱量でも人の共感、応援を埋めるように。

2,3.世の中にこういう社会課題があるから、こういうニーズがある
←ここからプロジェクトに関して
びっくりする事実(タイトルとのギャップがあり、読み進める)。カンボジアの栄養不足の実情など、それによって医療を必要とする子どもたちが生まれてしまっていることなど

4,このプロジェクトは、そのニーズにこういう貢献ができる
←課題を知った後に、その課題にどうアプローチするか

5,将来的には、こうしていきたくて、今こういうことをする。
←解決策、今実行していること(苦労話とかあった方が応援したいって思いそう)

6,最高顧問からメッセージをもらい、より公式にする。
←しっかり団体として行なっているCFだということを示すため

7,税制上の優遇措置について、と最後に一言←最後のもう一度想いやビジョンと共に、寄付依頼、そして寄付が無理な方でもシェアがめっちゃ力になるという話を書いてシェア依頼!


▶︎掲載文気にするところ
・「、」で改行するより「。」で改行する
・一文が長くなりすぎるときは、間で切る
・「〜です」「〜です」「〜です」というように、語尾が単調になると文章に稚拙さが出る
・「〜なんですね」「〜ます」「でした」と同じニュアンスでも語尾を変えることは可能なので単調にならないように(音読した時に違和感がなければOK)

これはブロガーのゴーゴーケンゴさんに教えてもらいました。


※掲載文考察

基本的に掲載文の良し悪しでプロジェクトが達成するかどうかが大きく左右するわけではない。だが掲載文で共感してくださって訴求できる層を逃すことさえも勿体無いので力入れる。

正直、小児がん、国際協力、病院給食などのプロジェクト内容だけでは人々の共感は生みにくい。でも、”人のこと”の方が共感を生みやすいので実行人の想い、ストーリーを出したページにして、応援してもらえるようにした。

※目次付けた理由
←最初から全て読んでくれる人はいないという想定で、この掲載文には何が書いてあるかだいたい目次だけ見て理解してもらうため。好きなところにだけ飛んで、そこだけでも読んでもらえるように

↓このツイートのスレッド見るとこれら項目の1週間毎の動向を確認することができます。

・PV数の動向
・支援の動向
・寄付率の動向
・Facebook👍の動向
・達成率の動向


掲載後動き

・初め4日目までに自分が活動する理由を3記事アップ
←実行人の透明度を上げ、プロジェクトよりも人間に寄付してもらえるように。

・応援コメント返信は常に返していたらせかせかしてしまうので、時間を決めて返答(野村の場合出勤直後、昼飯前、終礼後

・新着情報更新は3日に一回
←スプレットシートで記事作成→確認,編集→掲載の管理を複数人で


TweetDeckでエゴサして自分のCFについて記載があるTwitterの投稿の見落としをなくす

・支援者様の属性を分けて、その他の属性へのアプローチをしていく。
←Twitterが多いならFbに力を入れる。SNSが多いならテレビ、新聞、雑誌など

・できるだけ多く人に会い、想いを伝える(講演会など)

リターンについて

今回はリターンで何か物を発送するのはのはやめておきました。

自分がNPOなどのCFで支援して、何かリターンがあっても。リターン目当てよりも、団体や個人を応援したい気持ちが大きくて支援することが多かったからです。

今回のリターンはこちら

◆サンクスメール
◆限定Facebookグループ招待
◆ニュースレターをメールで送付
◆活動報告会ご招待
◆給食センター案内権
◆給食センター竣工式ご招待権

報告・権利(体験) 分けるとこの2つ(というか3っつ)です。

狙いとしては、今回のCFを通して、団体を知ってくださって方をいかに今後につ繋げるか、だと思います。

少しでもいいところを感じてもらって、継続支援に繋げるか、そうでなくてもアンバサダーとして、周りに話してもらえるようになるとすごくいいと思います。

CF開催中、開催後にできそうなイベント一例

具体的にどんなイベントを開催できるか。ざっとあげてみます。


▶︎オフラインイベント
・プロジェクト概要発信イベント(掲載文を厚く熱く語るイベント)
・支援者ミーティング
(支援者が多い時のみだが、支援した気持ちややってほしいことなどを話し合う)
・クラファンミーティング
(クラファンで溜まった知見、を共有し、これからどう盛り上げていくか?を話し合っていく会、そこで出た施策を試す)

▶︎オンラインイベント
・Fbライブにて事業説明と質疑応答
・Zoomにて質疑応答
・SNSでシェア祭り(支援を見越すのではなく、PVアップを狙う)

支援をどれだけ集められるか?を求める続けるのも大切ですが、せっかく自団体のHP以外でプロジェクトを運用(掲載後、動かす)できるので、シンプルに知ってもらうと言う意味でPV上げる施策もあるといいと思います。

PV上げる=支援が入る

では必ずしもないので、分けて考える必要はあります。


▶︎本とか読んでよく言われている事メモ(指標的な)

・5日目までに目標額の20%集めると、達成率90パーセント
・低価格のリターンが大切
・動画作成すると効果大(特に字幕付きのもの)
・達成率60%越えればほぼ成功(らしい)


以上です。

何度も書いていますが、一番大事なことは、

たくさんの人に想いが刺さって行動変容を起こさせることができるように、属性を細分化し、それぞれに打ち手を練って、打ちまくることです。

クラウドファンディングはタフです。だいぶタフです。ですが、使い方によっては、たくさんの人を巻き込んで行くことができるので、有効な手段だと個人的には思います。

このnoteが少しでもクラウドファンディング挑戦を思案している人たちのためになれればと思います。

何かご意見いただけると嬉しいです。良かったらシェアお願いします。

最後まで読んでいただきありがとうございますー!

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#クラウドファンディング #資金調達 #NPO  

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