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納豆&味噌汁最強仮説 なぜ日本人は無事なのか?

ナイアシンの発見

栄養学の歴史は、特定の栄養素の欠乏を原因とする病気の研究と共に発展してきました。

最も有名な例では、新鮮な野菜を食べられない船乗り達を苦しめてきた「壊血病」の研究から『ビタミンC』の発見。

「陸軍に入れば三食白米が食える」を勧誘文句としてきた日本陸軍で「脚気」が大流行した事から「ビタミンB1」が発見されています。
(それまでの日本人は玄米からビタミンB1を摂取しており、海軍は英海軍に倣ってライ麦パンを主食としていた。)

20世紀初頭まで年間数万人もの命を奪ってきた恐ろしい皮膚病「ペラグラ」も、ビタミンB群の一種である『ナイアシン』の欠乏が原因です。

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当時ペラグラは細菌による感染症だと思われていましたが、ペラグラ研究に人生を捧げたジョセフ・ゴールドバーガー医師は、身体を張った凄まじい「人体実験」によって、ペラグラが感染症で無いことを証明しました。

・ペラグラ患者の血液を自分の血管に注射する
・ペラグラ患者の鼻水を自分の鼻に塗る
・ペラグラ患者の糞便を自分の食事に混ぜて食べる

この人体実験にはゴールドバーガー医師の妻と16人の勇気あるボランティアも参加し、誰一人ペラグラを発症しませんでした。

ペラグラが何らかの栄養の欠乏症であると訴え続けたゴールドバーガーの死から8年後の1937年、その遺志を継いだコンラッド・エルヴェージェムによって、ペラグラは『ナイアシン』の欠乏症であると明らかにされたのです。

コロナウイルスとナイアシンの関係

さて、現在猛威を奮っている新型コロナウイルスは、生体の細胞内に侵入することで悪さをします。
コロナウイルスは細胞の表面にある「ACE2(アンジオテンシン変換酵素2)」という酵素と結合することで、細胞内に侵入することがわかりました。
https://www.ims.u-tokyo.ac.jp/imsut/jp/about/press/page_00060.html

ACE2は、本来ナイアシンやアミノ酸の『トリプトファン』と結合することで抗菌ペプチドを産生する役目を持っています。

よってナイアシンやトリプトファンが体内に満たされていれば、各細胞のACE2にナイアシンがびっしり結合し、コロナウイルスが入ってくる「空き」が無いために、ウイルスの侵入を競合阻害出来ると思われます。

ナイアシンを身体に満たすには?

ナイアシンは豚レバーやイカ、カツオなどに含まれている他、トリプトファンを材料として腸内細菌によって合成されます。
つまりトリプトファンを沢山取って、そこからナイアシンを合成する腸内細菌が沢山いれば、ナイアシンが欠乏することはまずありません。

しかしカナダ人のエイブラム・ホッファー医師が「我々はビタミンCを合成する能力を失ったように、ナイアシンを合成する能力も失いつつある」と警告したように、現代人の腸からナイアシンを作ってくれる菌はどんどん減っているようです。
(理由は不明ですが、おそらく食生活が原因でしょう)
https://www.muto-seikotsuin.jp/2020/02/15/579/

数百年前の人間は、腸内にビタミンCを合成する細菌を飼っていた事がわかっています。生活の変化で、我々の腸内環境も変化しているのですね。

大豆発酵食品の力

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ところで、ナイアシンの材料となるトリプトファンを多く含む食材といえば「大豆」です。
その大豆は、発酵させることで栄養素がさらにパワーアップし、トリプトファンと善玉菌の塊のようなスーパー栄養食にランクアップします。

我が日本には、素晴らしい大豆発酵食品の文化がありますね。
・納豆
・味噌
・豆腐
・醤油

大豆発酵食品からトリプトファンと善玉菌を大量に摂取しつづけている日本人は、欧米人に比べてもナイアシンの体内生成量が多いのではないか?これが日本人がCOVID-19に強い理由ではないか?
というのが、今回の仮説です。

大豆といえば「イソフラボン」も有名ですが、「更年期の女性がイソフラボンを摂りすぎると乳がんのリスクが上がる」などの危険性を訴える情報もあります。

厚生労働省でも、閉経前女性の1日の大豆イソフラボン摂取量は「75mg」を上限としていますが、実はこの基準はイタリアで行われた研究を根拠としており、批判も少なくありません。
https://www.fujicco.co.jp/know_enjoy/health/isoflavone/topics/10.html#topic-b

大豆を食べる文化の無いイタリア人女性に、5年間に渡ってイソフラボン錠剤を摂取させることで副作用が起きた論文のみを根拠としており、「上限量が厳しすぎる」と言われているのです。
そもそも何故わざわざイタリアの研究を引っ張ってきたかと言うと、日本人の大豆過剰摂取による健康被害の情報があまりに少ないからです。

この時点で、日本人とイタリア人には「大豆に対する耐性」に大きな違いがあることが読み取れます。
こう考えていくと、「大豆食文化の長い日本人は、大豆を有効活用する腸内環境が育っている」と考えるのも、無理なこじつけとは言えないでしょう。

とりあえず納豆と味噌汁は美味しいから食べる

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今回の記事は、私の全くの推論です。
おそらく日本人にCOVID-19の犠牲者が少ない理由は1つではなく、様々な要因が絡み合ってのことだと思います。

その要因の1つに、大豆発酵食品の文化が少しくらい絡んでいるのではないか?
その程度の認識です。

とりあえず納豆と味噌汁は、毎日食べることにしています。単純に美味しから(^o^)

まあ食べておいて損することはないでしょう。
納豆にはキムチも入れると美味しいです。発酵食品のWパンチ!

結局は、日々の食生活が物を言います。

私の筋トレや栄養など健康情報は、ブログで日々更新しています。
https://diet-safari.jp/

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