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[INTERVIEW : 再録]Signs of the Swarm

[Interview/Translation : Marina]
[Answer : Cory(Gt.)]


最新作である2ndアルバムが全世界のデスコアファンの中で話題沸騰中、Vo.CJのダークで特徴のあるヴォーカルがひときわ印象的な
Signs of the Swarm
彼らはアメリカ/ペンシルヴァニア州のピッツバーグで結成された、現在平均年齢23歳というブルータルデスコアバンド。

そのバンドの創成期から今作のリリースに至るまでの話を初期メンバーの1人であるGt.のCoryに聞かせてもらいました。

Signs of the Swarm(2016年12月当時)
Cj McCreery- Vocals
Cory Smarsh - Guitar
Jacob Toy - Guitar
Bobby Crow - Bass
Jimmy Pino - Drums

・はじめまして!今回はこのような機会を設けてくれてありがとうございます。もしかするとこれがSigns of the Swarmの初の日本語でのインタビューになるのでしょうか?それでは、はじめに簡単な自己紹介をお願いしてもいいですか?
ー やぁ!そうなんだ、これが初めての日本語でのインタビューになるよ!俺の名前はCory Smarsh、SOTS(Signs of the Swarmの略称)でギターを弾いているよ。

・Signs of the Swarmはペンシルヴァニアのピッツバーグという所で結成したとお聞きしました。バンドの結成経緯を教えてください。
ーこのバンドは少々前途多難なスタートをしたんだ。元々は俺とVo.のCJがCarnifexやWhitechapelのカヴァーをしていたところにまで遡れるかな。その後、俺達は様々なプロジェクトを始めようと何度か試みたんだけどどうもしっくりくるものには辿り着けなかった。CJは新しいバンドを初めて、でもその後そこにいた2人のギタリストが抜ける事になって、彼は俺にバンドに入るよう頼んだんだ。そこからが始まりだね、今のラインナップに行きつくまでにもほんのちょっとメンバーの出入りが続いたかな。

・ペンシルヴァニアには多くのエクストリームメタルやメタルコア、スクリーモ等のバンドが存在し大きなシーンとなっている印象があります。最近のペンシルヴァニアのシーンで特に流行っていると感じるものはありますか?
ー ピッツバーグのメタルシーンは絶え間なく成長しているね。それから才能のあるミュージシャンが沢山いて、いろんなジャンルのメタルを行き来してバンドを結成したりしているよ。

・Signs of the Swarmというバンド名の由来は何ですか?
ー この"Signs of the Swarm"って名前はね、そんなに深い意味やコンセプトが背景にあるわけでもないんだけど、俺達が考えたその他にもバンド名になる可能性があった長いリストから来てるんだよ。“The Annabelle Seance”から“Swarm the Seance”まで色々な名前があったんだけど、Signs of the Swarmに落ち着いたんだ。俺達は色んなファーストフード店に集まって、何時間も座ってそれはいろんな名前を提案したり投げかけて話し合ってね、最終的にこれにしようと決めたんだ。

・影響を受けた音楽やバンドはいますか?
ー 個人的に影響を受けたものとしていえば、俺はWhitechapelやThy Art Is Murder、Carnifexとかそんなバンドを聴くよ。1人で曲を書こうとトライして腰を下ろす時は、自分自身のオリジナルなスタイルを出せるように努めているんだけど、やっぱりそれらのバンドの影響が明らかにわかるようなリフや曲があるなぁって自分でも思うよ。もう1人のギタリストのJacobも同様にそうだね。彼が制作に関わった曲についての幾つかのコメントで、彼の大好きなバンドの1つであるCattle Decapitationを連想させるようなものを見たよ。

・最新作 "The Disfigurement of Existence" が遂にこの11月3日発売されましたね、おめでとうございます。"The Disfigurement of Existence"というアルバム名はどのようにして決まったのでしょうか?また、この作品を通してのコンセプト等がありましたら教えてください。
ー ありがとう!実はこのアルバムの名前は以前の曲”Disfigured Images”から来たちょっとしたシャレなんだ。それから、音楽的なコンセプトに限って言えば、俺たちはこのアルバムでどこまでいけるのか、全ての面でステップアップをしたかった。リフはより速く、ブレイクダウンはよりヘヴィに。アルバム全体を通してダークで不吉かつ邪悪な雰囲気を持たせるようにしたんだ。

・ここ数年の活動期間の間に様々な変化があったかと思います。前作のリリース後に新しいギタリストとドラマーを迎えたと聞きましたが、それによってバンドの活動を行っていく上で何か大きな変化はありましたか?
ー バンドとして多くの、そして様々な変化にこれまで出逢ってきたし、とりわけ多くのメンバーチェンジがあった。最初のアルバム“senseless order”をレコーディングした時は俺とCJだけしかいなかった。以前のメンバーが書いていた一握りの曲はあったんだけど、レコーディングの過程は全て俺とCJで行ったよ。フルメンバーのバンドになることによって、新しいアルバムを制作している間に色々な物事がうまくいくように変化していった。多様なアイディアをお互いに出し合って話が弾むようになったし、曲の構成を描いている時に大きな落とし穴を感じた時にはお互い助け合う、何か見逃した部分があるんじゃないかと感じた曲も改善できたり全面的にプラスになる事ばかりだったよ。

・今作はプロデューサーとしてSonic Assault StudiosのPhil氏が参加していますが、彼との制作はいかがでしたか?
ー Phil Pluskotaは俺達が頭の中でどのように曲を思い描いたかを正確に表した作品を創り上げる事にとても多くの手助けしてくれたよ。彼はかなり離れたところに住んでいて、俺達が出来る範囲内での予算も決まっていたから数ヶ月をかけて俺の部屋でゆっくりとこのアルバムのレコーディングを進めたんだ。全てが一通り出来上がった後、俺達は個々のトラックをPhilに送って、彼は素晴らしいギターのトーンを調整してくれたり、ヴォーカルやドラム全体的に恐るべきミックスを施してくれた。沢山の訂正も積み重ねたけど、最終的には今の “The Disfigurement of Existence”の形に固まったんだ。

・CJの声はとても特徴的で、数多くのデスコアバンドの中でも一線を画した存在であると感じます。この日本でも彼の声については良く話題に上がっているのを目にしますが、本当に素晴らしいですね。彼はどのようにしてあのスタイルを生みだしたのでしょうか?
ー CJの歌声はここ何年かの間に凄く変化を重ねてきたんだ。でも全体を通していえる事は、彼が自分自身の声を生みだしたのは多くの勤勉的な部分や努力、そして練習を積み重ねてきた結果なんだ。

・そして今作の中でも一番最初に公開された"CESSPOOL OF IGNORANCE "ですが、本当に素晴らしいですね。この一曲でこの作品の完成度が物語られているような素晴らしい内容でした。Signs of the Swarmは全体的なサウンドのインパクトもあり、かつヘヴィなスラムスタイルを取り入れたリフ、所々にメロディアスなギターパートも挟んでいる構成もかなり特徴的ですね。もう1つ、かなりハードな歌詞には正直驚かされました。確かにCarnifexの影響を感じる部分は少しこの曲にも感じ取れるかもしれません。曲作りについてもお聞かせいただけますか?
ー 俺たちの曲作りのプロセスは俺がこれまで話してきたことのあるバンドやその他のバンドに比べると少し変わっているらしい。楽曲のほとんどは俺か、それかJacobやBobbyが作り始めるんだ。俺たちはお互いにちょっと離れた場所に今住んでいて、通常は皆それぞれ曲を丸ごとレイアウトし終えて軽くミックスしたトラックにプログラミングしたドラムを合わせたものを録ってくる。それをバンドの他のメンバーに送って彼らがどう思ったのかを見るんだ。これまでの異なる2つのアルバムを通して、多分俺たちはすごく沢山の曲や様々なリフを書いてきたけど採用されたカットはそのうちの幾つかだけなんだ。いくつかの曲が決まったら、皆でその曲をよりしっかりと作り上げる作業に戻る。どうしたらもっとキャッチーになるだろうか、もっとダイナミックに、とか。そして全体を通してヘヴィで味のある俺たち流の曲になるようにってね。

・今回ゲストとしてInfant AnnihilatorのDickie Allenが参加していますね。 彼が参加することになった経緯を教えてください。
ー このアルバムにはもともと幾つかの異なるゲストが参加する部分があることになっていたんだ。でも俺達はこの曲を通しで聴いてみて、彼にこそこのスポットを唄ってもらうべきなんじゃないかと考えてね、それでDickieと一緒にやることに決めたんだ。俺が覚えてる限りでも、彼とコンタクトを取る為に何人かの人達に繋げてもらって、そうしてやっと彼にこの曲のラフを送るチャンスを得たんだ。実は面白い事に、Dickieがヴォーカルをレコーディングした"Final Phase"の部分は元々のものとは違うんだ。スラムリフの代わりにブレイクダウンを2回プレイすることにして。俺達はより興味深い曲になるようにそこを変更して、彼が既にレコーディングしていたゲストヴォーカルの部分の前後の為に新しく曲を書いているんだ。

・アルバム"The Disfigurement of Existence"で、Unique Leader Recordsと契約しましたね。多くの素晴らしいバンドがこのレーベルよりこれまでも数々のリリースを行なってきていますが、どのようにしてこのレーベルとの契約が決まったのでしょうか?
ー Unique Leaderに加わったことは、俺達のこれまでのキャリアの中でもとても重要な出来事だよ。カナダでのツアー中に友人から、とある人物が俺達の曲に興味があるんだというメッセージをもらってね。そして新しいアルバムのデモを送るように頼まれた。それから数日後に、Unique Leaderからこのバンドに興味がある事と何か手助けをしたいという内容のメールを受け取ったんだ。全ての事において、彼らと仕事をすることができる機会を得たことは本当に素晴らしくて驚くべきものだったよ。俺達が尊敬しているような多くのバンドと同じレーベルになるということは、とても名誉な事だよ。

・11月に参加した “The Super SLAM Bros Tour"はいかがでしたか?
― The Super Slam Bros tourは本当に最高だった!旅をすることができるという事も、ツアーバンドであることの最高な部分の一つだよね。その上、超最高な奴らと一緒に旅をすることが出来れば、それって自分にとってもバンドにとっても更に価値があるように思う。是非ともHive、Falsifier、そしてFace Your Makerをチェックしてみて。 これらのバンドのメンバーは皆、信じられないような素晴らしい音楽を作りプレイしてる。そしてとても謙虚で、親切で、勤勉な奴らなんだ。

・Signs of the Swarmのショーをいつか是非日本でも観たいです。皆、結構日本で話題になってるんですよ。日本についての印象や、日本のミュージックシーンで何か知ってることはありますか?
ー いろんな種類のビデオや動画を見たけど、日本のメタルシーンは凄く激しいみたいだね。いつか日本のどこかでショーをするチャンスが欲しい!
・Jacobはどう?
ー (Jacob/Gt) 正直に言うと、そんなに多くは日本のミュージックシーンについては知らないんだ。でもいつか、願う事ならすぐにでも、日本に行ける機会が来ることを楽しみにしてるよ。俺は寿司や日本のアニメが大好きなんだ。幾つかの日本のバンドは知ってるけど、ホントにブルータルでヤバいよね。Viscera InfestとHOTOKEが好きだな:)

・最新作をリリースし、Signs of the Swarmの活動の幅はこれから更にもっと拡がっていくかと思います。今後の計画や予定についても聞かせてください。
ー この先、このバンドは日々もっともっと大きく成長できると思ってる。詳しい事は言えないけど、既に幾つかの可能性のある2018年のツアーについても話しているし、同じように新しい曲を書き始める計画も考えてるよ。今はちょっとだけ新しい計画を練る事やクリエイティヴな活動からは休息を取っているけど、俺達には次こうしたいなって思いつく限り考えているプランが既にあるんだ。

・ありがとうございました!今後の皆様のご活躍をお祈りしています。そしていつか是非、この日本でもSigns of the Swarmのショーを観る事が出来ますように!
ー 俺達の音楽が国を超えて日本にまで届いたっていう事にとても感謝しているよ!このバンドを始めた時は、いつかツアーに一度でいいから出たいとか、初めてツアーに出た時は本当に興奮していたんだ。だから今でも海を越えてツアーをするなんて自分達にはとても恐れ多い事だって思ってる。こんな機会を作ってくれてありがとう!


この後、バンドはアメリカのシーンでは異例の飛躍ともされる初来日を掴みとります。様々な困難の中、それでもバンドを続けると決心した彼らと日本のファンとの出会いは素晴らしいものでした。
その話はまたいつか。

私、Marinaの今後の取材や活動費、または各バンドのサポート費用に充てさせていただきます。よろしくお願いいたします!