黒馬の正体みたり
府中で育った方には馴染みのあるこの一文。
東京競馬場の正門近くにある駐輪場にこんなものがあるのをご存じだろうか。
府中郷土かるたとは、所謂、ローカルないろはかるたというものです。
そのうちの「く」が1933年にこの地にできた東京競馬場に縁あるものとして読まれています。
して、年号が令和に変わり、もう少ししたら子供が郷土かるたを貰う頃になり、改めて生じた疑問があるわけです。
この「黒馬」って誰なんだ??
今まで気にすることもなかったのですが、何度となく競馬場に足を運び、勝馬の血統や育成イベントにちょっとした元ネタがあることなんかを気にするようになるとこれも実は元ネタになった競走馬がいるんじゃないか?と思うようになってしまいました。
武蔵府中郷土かるたの生い立ち
残念ながら、市民から公募した作品なのかはわからないものの、昭和48年(1973年)に制作されたものということなので、それ以前の勝馬である可能性が高いことが紹介文から推測できます。
まつさきどよめく
これはレースの展開によるものと捉えることができますね。
1番人気ではない、あるいは観客の驚くような、記憶に残る展開だったと推測できます。
つまり、制作時期より前で、黒馬(黒鹿毛)が印象的な勝ち方をしたレースが基になっている可能性が高いと考えます。
1973年の東京競馬
制作された昭和48年(1973年)の中央競馬において、制作陣の印象に残りやすい重要競走(八大競走)のうち、東京競馬場開催は以下の3レースが該当します。
東京優駿(東京ダービー)
牝馬優駿(オークス)
天皇賞(秋)
このうち、各レースを制したのは、
ダービー(タケホープ/鹿毛)
オークス(ナスノチグサ/鹿毛)
天皇賞(秋)(タニノチカラ/栗毛)
の3頭となりますが、それぞれ、鹿毛、鹿毛、栗毛となり、どれも黒馬とは言い難い。
展開としてみると、タケホープは彼のハイセイコーを破っての勝利という点は「まつさきどよめく」と言えますが、黒馬に当てはまらないので、残念ながらこの年の出来事ではないと考えた方がよさそうです。
1972年の東京競馬
では、1年遡ってみるとどうなのだろうか?
ダービー(ロングエース/黒鹿毛)
オークス(タケフブキ/鹿毛)
天皇賞(秋)(ヤマニンウエーブ/黒鹿毛)
「黒馬」と呼べる2頭が存在します。
ダービーのロングエース、天皇賞(秋)のヤマニンウエーブです。
ロングエースの制したダービーの展開としては、
では、ヤマニンウエーブが勝った天皇賞(秋)ではどうだったのだろうか。
どちらも記憶に残るレース。どちらも素晴らしい展開。
とはいえ、インパクトとしては後者のヤマニンウエーブのほうが制作時期から近いことや馬券に絡むことなどから総合的にみて当て嵌まるように思える。
こうした考察から、『黒馬まつさきどよめく競馬』とは、1972年の天皇賞(秋)の結果から『ヤマニンウエーブ』である可能性が高いと考えます。
あくまでも状況から推測した範囲でしかないので決して正解ではないかもしれませんが、なんとなく自分の中ではしっくりきました。
もし、正解をご存知の方は教えて頂ければ幸いです。
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