いわゆる「仮定法」を考える(その1)

いわゆる「仮定法」と題して公開していた記事の2022年7月改訂版です。

英語では、文法上の条件設定のしくみを総称して「条件文 (= conditionals)」と呼ぶことが多い印象ですが、それにも更なる下位分類があったりします。日本の教材の多くは、「直説法」と「仮定法」という枠組みで扱うことが多いようです。また、従来より、一部の研究者、指導者は「仮定法」ではなく、「叙想法」という呼称がより適していると主張したりしています。(安藤貞雄 『現代英文法講義』 開拓社、「第19章 叙想法」、pp.363-381 などを参照)

個々の実例を取り上げて考える際に、共通理解を得るためには呼称は大事なのですが、この講義では、条件文・仮定文を大きく3つのタイプに分けて、それぞれ見て行くことにします。その際の名称は、仮定法でも叙想法でもなく、タイプI, タイプII、 タイプIIIというものです。
この後の解説では、便宜上、時折、巷の英語教材や学参で用いられる「仮定法」関連の述語も参照します。

この「その1」で扱うのは、
巷の教材でいわゆる「仮定法過去」「仮定法過去完了」と呼ばれるものの「実例」を解説します。その過程で、「直説法」と呼ばれる条件文についても実例を挙げ、簡単に触れています。
タイプ I からタイプ III までの「時の流れ」と「動詞・助動詞の形合わせ」の「模式図/ダイアグラム」を示して便法としています。
「仮定法未来」という呼称をなぜ使わないか、を説明(弁明?)しています。
「倒置によるif節の省略」などと説明されることの多い「実例」にも、より適切な解説を施しています。

その他の「慣用表現」などは、「その2」で扱っています。

では、以下、pdfファイル。今回の改訂でA4で13頁。例文は40を超えました。旧版の完成度が高かったので、例文の多くは一緒ですが、新たに加えたもの、より丁寧な解説を加えた箇所がありますので、この機会に是非。

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