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酔生夢死のラストライブが楽しかった

2023年7月だったかな?
付き合いで行ったIVYという知らないアイドルさんのワンマンライブ。
僕が普段通っているグループと比べると少し規模は小さいが、POPでロックな曲調と、一生懸命、というより必死にフロアを作り上げようとする姿がとても好印象だった。

もう一度ステージを観たいなと思いながらもなかなかタイミングは合わず、次の機会は10月、IVYのちっこい子の生誕祭。
そこで出会ったのが酔生夢死というアイドルグループだった。

男装したカッコイイ女の子と地雷系の子、無表情で伏し目がちなやたらキレイな子と赤髪で愉快な化粧をした子という、やたら目を惹く異色なグループ。
見た目通り?ロック調な曲を披露し、嵐のように去っていった。

ライブ後の特典会、新規チェキ全員無料と聞いて勇ましく物販列に並ぶ同居人の後ろをコソコソと着いて行く僕。
慣れない無銭ガッツキで緊張している中、肩にヒジを載せられたり、ジャケットを剝かれたりと、これまた慣れない接触有りの特典会。楽しい。

セクシーな衣装が印象に残らないほど派手な化粧をした赤い子。
「普段どこのライブに行ってるの?」
「知ってるかな?点染テンセイ少女。っていうところ」
「知ってる!BRAZEのワンマン行ったよ!!なんかわかんないけどめっちゃ泣けた!」
そんなこと言われたら忘れられなくなっちゃうじゃない。

また観たいなと思いながらも、やっぱりタイミングが合わない中、12月24日、急遽渋谷で単独ライブをやるという情報。
ちょうど点染テンセイ少女。を観に渋谷にいたので向かうことに。散々道に迷って開演時間を少し過ぎて会場に到着。
久しぶり酔生夢死はやっぱり曲も歌声も姿もカッコイイ。が、お客さんは僕と同居人の手を合わせればお釣りがくるぐらいの人数。
急遽だからかクリスマスイブだからなのか、パフォーマンスの良さと客の数が合っていない気がする。もったいない。

BRAZEのワンマンが3月にあるということで、同居人がチケットを購入。
僕は仕事の都合が全くわからない時期だったのでスルー。赤い子と一枚だけチェキを撮って、外で同居人が出てくるのを待つ。
チケット購入特典の動画を撮ってもらってホクホク顔の同居人と共に渋谷を去る。

2月、よく行くライブハウスで、点染テンセイ少女。の先輩グループと近い時間に酔生夢死が出演するのを発見し、チケットを取る。
対バンだからか、クリスマスイブよりお客さんは多いが、やっぱりパフォーマンスと客の数が合っていない気がする。
物販に行き、チェキ券と一緒にワンマンのチケットを購入。開始時間には間に合わなさそうだが、途中からなら行けそう。千円でカッコイイ紙チケと動画がついてくるなら、まぁ行けなくてもいいか。ぐらいの気持ちで購入。

このライブのちょっと前、BRAZEのワンマンで解散するという情報が流れてきた。
もったいない!という気持ちと、現状の集客力では致し方ないのかな?という気持ちとがない交ぜになったなんとも言えない微妙な感情。
僕だって数か月に1度、他に理由がなければ足を運ばない。もったいないなんて言える立場じゃない。

1カ月後、ワンマン当日。同居人から遅れること1時間、開演には間に合わないタイミングで、仕事を終わらせ新宿BLAZEへと向かう。
最後のライブでさみしい気持ちと、全然フロアに人がいなかったらどうしようという気持ちと、大きいステージであのパフォーマンスが観れるワクワクとで落ち着かない。一番大きいのは不安感でちょっと足取りは重い。

いつの間にか行き慣れたBRAZEへ到着し、階段を下る。
もう演奏は聴こえている。
チケットをスマホで撮影するというちょっと変わった入場を済ませ、ドリンクを交換し、不安な気持ち満載でホールへの扉を開ける。

通路まで人でみっちり。

慌てふためいて通路の人の切れ間に潜り込む。
ステージを観たいけど、邪魔そうな場所に突っ立っちゃって軽くパニック。
同居人を見つける術もなく、あちこちキョロキョロしながらとりあえず邪魔にならなさそうな場所へ移動。
前の人の背が高くてちょっと見えづらいけど、贅沢言っている場合じゃない。

少し落ち着いてステージを観ると、赤い子、ヒグルマ=ノイちゃんが、見たことのない白い衣装でびっくりするぐらいの笑顔で歌っている。
次々とリフトが上がって、人もペンライトもいっぱいあって、彼女たちのパフォーマンスに相応しい大きな空間。

なんとなく聴いたことのある曲が続き、あっという間に終演し、ほとんど来たことのない僕でも見たことのある女の子のリフトが上がり、ぎこちないけど、魂の叫びみたいなアンコールの声が響く。

最後のアンコール。どんな気持ちなんだろう。

アンコールが始まり、リーダーのMCに驚く。
「僕たちには責任を取ってくれる大人がいなかった」
片方だけの話なので、全てをそのまま受け取れるわけではないけれど、いったいどういう状況なのだろう。

僕の20代を思い起こしてみれば、浪人したあげくに大学へも行かず、専門学校に入ったはいいが通わず、フリーターをしながら手当たり次第に女の子を口説いて、20代後半になってやっとこ定職に潜り込んで…と、無責任極まりない生活をしていた時期だ。今だってそのころよりはちょっとマシなレベルだけれども。

そんな無責任の塊を20代代表にするつもりはないけれど、なんも考えず唯々諾々と暮らしている人が多い中、不安定そうな世界で、責任をもってジャッジしていくのはどれだけしんどいことだろう。
パフォーマンスと客の数が釣り合っていないように感じたのは、その辺りにも原因があるのかな。
もっと、しっかりした大人という存在がいたら違う世界があったのだろうか。

行けば楽しいとわかっているのに、なかなか足を向けない僕のような人もきっと多いと思う。そういった中で人を集めるというのは大変なんだなとしみじみ感じたライブで、あんまり好きな言葉ではないけれど「推しは推せるときに推せ」を体感できるライブだった。
でも終わってみないとわかんないことって多いんだよなぁ。


とにもかくにも、ステージ上もフロアも素晴らしいライブを観ることができてよかったし、次が決まったメンバーもいてよかった。

やっぱり銀テープは浪漫だよねぇ()。


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