「ユーザーの声」の捉え方|CXO Night #4 参加レポート

こんにちは、tomaです。『見えない魅力の引き出し方 - CXO Night #4』 に参加したのでレポートを書きたいと思います。

コンテンツは以下の通り。それぞれディスカッション形式で行われました。

コスメアプリ 「LIPS」 の誕生からリニューアルまで
松井 友里
|AppBrew 取締役
タカヤ・オオタ|TKY+N LAB & DESIGN 代表
池田 大季|Tondemo Design
モデレート:広野 萌|FOLIO CDO
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見えない魅力の引き出し方
ハヤカワ五味
|ウツワ 代表取締役
龍崎 翔子|L&G GLOBAL BUSINESS, Inc. 代表
モデレート:坪田 朋|Basecamp CEO

それぞれ気になったポイントを中心にまとめさせていただきます。

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前半は松井 友里さんタカヤ・オオタさん池田 大季さんによるパネルディスカッション。モデレータは広野 萌さん。コスメアプリ「LIPS」の立ち上げとリニューアルのことを軸にそれぞれがサービスのために考えていること・実践していることについてのお話でした。

LIPSの立ち上げについて

化粧品口コミサービスと言えば@cosmeという巨人が思い浮かぶわけですが、その中でLIPSを立ち上げた理由として、松井さんは以下のようにお話されていました。

松井さん:
TwitterやInstagramでコスメを探すことが増えてきていた。
一方で、Twitterなどは探す事に長けている訳ではないので、WEARのコスメ版みたいなのがあったら面白いと思った。
@コスメはWebでは圧倒的だったが、アプリはこれから力を入れていくフェーズというところで、その点でコスメ領域でアプリという枠は空いていた
黎明期に有料モニタに使ってもらっていたが、モニタの方々が期間終了後も使い続けてくれていて、その辺りで「ちょっと芽がありそう」と思った。

お話を少し抽象化してみると、自身のインサイトを元に他の領域で流行っているアプリ(WEAR)とのかけ算でサービスまで落とし込んだ点と、(広野さんも仰っていましたが)Webでは流行っている圧倒的プレイヤーがいるがアプリではいない、という領域が見つけられた点辺りがポイントだと思いました。それでも、@コスメがいるところにいくのはすごいと思いますが…

LIPSリニューアルについて

リニューアルの理由としては、ターゲットの拡大が一番の目的だったそうです。

松井さん:
もともと主に10代を中心としたプチプラコスメを使う人たちをターゲットにしていたが、そこから20代のデパートコスメなどを使う層にまで広げたいと考えた。
外部と組んだ理由については、当時の社内のリソースの関係からも、パートナーと組む必要があると思っていた。
人選についてはリニューアルの話が立ち上がった当初からタカヤさんの名前が上がっていて、イベント登壇された際に挨拶ができ、そこからコンタクトをとった。池田さんはタカヤさんから紹介してもらった。

 LIPSのリニューアルについてはこちらの記事でも書かれていますが、タカヤ・オオタさんはリニューアルのタイプに気をつけて取り組んだと仰っていました。

タカヤ・オオタさん:
リニューアルを考えた時に、全く新しくする場合とカイゼンの場合と二つのタイプがある。
LIPSはもともとファンがいて、熱量も高かった。
一般的に、全く新しくするとこれまでのファンは抵抗反応がある。これまでのファンにはもっと好きに、新しいユーザの幅も広げられるようにしたいと考え、その2つをビジュアル的にも達成したいと思った。

サービスのためにやったこと/やっていること

最後に、今回のリニューアルに限らず、登壇者の方々がサービスのためにやったこと/やっていることについてのお話をまとめました。

松井さん:
まず一番気をつけているのはデータを見て改善すること。今の時代どこでもデータを見てるとは思うけれど、再現性を持って開発できているスタートアップはなかなかないのではと思っている。
ペルソナを作るようなプロセスはあまりやっていない。
※ユーザーインタビューは昔やっていたが、今は(以前に比べて)やっていない。インタビューで上がってきた課題が、例えばユーザー全体でいうとどのくらいの話なのか、というあたりの活かし方が難しいと思っている。
・ユーザーインタビューの定性情報をもとに、仮説を立てて改善実装して定量データで結果を見る
・定量データの意味を探る意図でユーザーインタビューを使う
両方やりたいしやるべきだと思っている。スタートアップだとないがしろにされがちだと思っているけど、そこにコストを割いて(定性側に加えて)定量側もきちんと取るようにしている。

9/14 追記
※ 部分についてですが、松井さんから以下のように補足いただきました。最初の公開のタイミングで意図と異なるような表現(ユーザーインタビューしほとんどしない)となっており、ツッコミを頂くことに。申し訳ないです。元文章は誤解を生みかねないので改訂しております(取り消し線使いたい…)。

タカヤ・オオタさん:
今回に限らずリニューアルに関わる時はリサーチはすごく大事にしている。LIPSの場合で言えば、ファッション、コスメ、音楽…今若い人がどういうものに触れているのか?というのはかなり調査をした。LIPSのピンク色についても流行を意識している。
CIは会社やサービスが生きている間はずっと使い続けられるように作るのが基本。今のエッセンスをもたせながら、今後もリファインできるようなケイパビリティはもたせる、みたいなところは考えて行う。
池田さん:
今の外部という関係である以上、今回でいえば自分が今後もずっとLIPSと関わっていくということはまずないと思っていて、自分がいなくなった後に新人だけでも困らないようなパーツの作り込みは意識している。
エンジニアともコンポーネント名を合わせたりして、共通言語でコミュニケーションが取れるようにした。

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後半はハヤカワ五味さん龍崎 翔子さんによるディスカッション。モデレータは坪田 朋さん。主にリサーチからどうやってインサイトを得るか・どう事業に落とし込むかの取り組みについてのお話でした。個人的にポイントだったと思う点をまとめました。

説明しやすさ・伝え方のサポート

龍崎さん:
「お客様が人に言うきっかけ」
を作るようにしている。その時に大切にしていることが「意外性」と「わかりやすさ」。HOTEL SHEにあるレコードのように、直結してなくても説明するときのアテになるようなものがあると広がりやすいと思う。「良いホテルだったよ、レコードプレーヤーとかがあってね」とか。魅力を他の人に説明できるところまで持っていってあげる。
一方で、例えばインスタ映え過ぎるとイタいので、そのバランスは気をつけている。

ハヤカワさん:
ファッションも(龍崎さんが言っていることと)同じ。こう言うところがいいですよ、って言うのを準備するようにしている。SNSでのイメージに手書きコメントなどをつけているのも、パッと魅力がわかるようにするため。
人に説明しやすい=広がりやすい だと思うので。

この点に関してはお二人ともかなり意識的に取り組まれているようで、コナン、ジブリ、君の名は。のように、老若男女に伝わり易く、リテラシーに関わらず誰が見ても面白いような仕掛けも大切、とも仰っていました。

データと声の切り分けをする

ユーザーのインサイトを上手く・適切にビジネスに落とし込むためのポイントや、事例のお話。

坪田さん:
企業って結構調査とかインタビューとかしてるんだけど、定量調査の結果が一番です、っていうものを出すとド滑りしたりする。声に出してる要望と本質的なインサイトにはズレがある。定量調査の結果だけ持ってこられて「これが正義です」って振りかざされると、それは違います、これがインサイトですよ、ってひっくり返すのがすごく難しい。

ハヤカワさん:

アプリのデータに出るのは実際に起こしている行動で、「ユーザーが実際に思っていること」、インタビューでユーザーの声として出るのは「ユーザーが思っていると思うこと」だと思っている。 理由聞いてもユーザは本当のことは言わないので、それよりも実際の行動をベースに話をしていくと良いと思っている。
その人の視点に立って見て、ただそこにある事実じゃなくてその人がどう消化・知覚されるか考える。自分のインサイトでなくても、感情移入するクセはつけている。

龍崎さん:
湯河原のTHE RYOKAN TOKYOはインサイトをビジネスに落とし込めた例だと思っている。
温泉行くことが贅沢になってきていて、何らかの形で当たり前のように温泉に行く世界や価値観を生み出せないかなと考えた。原稿執筆プランは、温泉旅行という消費を勉強・執筆など自身への投資に変えられたと思っている。日本には休みや遊びを言い出しづらい雰囲気や、自分を甘やかしづらいマインドがあったりするが、投資として行くことを提案することで、湯河原に行き易くできた。

リサーチはSNSとリアルで

うまくインサイトを汲むためにお二人が日頃取り組んでいること、意識していることについて。

龍崎さん:
インタビューしているのはリアルだと、その場にいる人たち。例えばホテルなら、その近くで生活している人々。ホテルに行く頻度は京都・大阪は週一、湯河原は月一、北海道は二ヶ月に一回くらい。
WebだとTwitter、Pinterestあたり。Twitterは何かポンと投げるといろんな人のリプライがきて、基本みんなわがままで正直。Pinterestには顧客の理想が流れていると思っていて、そこを参考にすることもある。

ハヤカワさん:
Twitterのフォロワーの質が高いのが誇りで、何か投げるとかなり確度の高い情報が来る。なので、そういう場所で投げてみて反応を見るというのはよくやる。
リアルだと一般的なところに行って声をかけてる。例えば出張行った時に一人でバーとか飲食店とか行って声かけて話してみる。

意思決定と手を動かす部分のバランスについて

デザインで手を動かしてるとマネジメントできないし、マネジメントばかりやってるとスキル落ちるし、というジレンマをどう解決している?という坪田さんの質問についてのお二人の回答。

龍崎さん:
合議制で意思決定しない。マンツーマンでディスカッションして、良いと思ったものを選んで、こんな感じです、と出す。意味づけして伝え易い形にして出すような役割。感覚が合う人を集めているので、細かい調整だけで良い感じのアウトプットが出てくる。

ハヤカワさん:
編集者的なポジションだと思っている。トンマナ合わせたり、一つのブランドとしてのまとめ上げをしていく。デザイン理念は四半期ごとにアップデートしたりして、それを基にデザインしてもらう。判断基準の合わせ方を慎重にしている。

お話の濃さとスピードで会場を圧倒していたお2人と、要所要所で絶妙にモデレートされていた坪田さん、1時間があっという間でした。

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最後までお読みいただきありがとうございました。ぜひ他の方のレポートや、坪田さんの事前まとめなどもご覧になってください。

前回に続き、今回もとても面白く勉強させていただきました。回を重ねるごとに倍率がすごいことになってますが、Twitter実況やnoteに加えて、今回はライブ中継があったりしたので、会場にいる人たち以上の熱量があったな、と思いました。
登壇者のみなさま、坪田さんはじめ、イベントに関わられた皆様、ありがとうございました!


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toma

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