嬉しさと悲しさのある別れに向かって歩む人生。
新しい店舗への異動が決まり、今のお店で働くのもあっという間に残り8日。
ご指名を頂いているお客様に店舗を異動することをお伝えしているなかで、昨日こんなことがありました。
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「今までお世話になりました。ありがとうございました。」
施術後にこう言ってくださったのは、1年前から担当していたお客様。
次のお客様をお待たせしていたので、お会計を別のスタッフに変わってもらい部屋で施術をしていたら、さらにこんな言葉が聞こえてきました。
「いつもていねいにして下さったので、今こんな物しか持っていないんですけど渡してください。『頑張ってください』とお伝えください」と。
すっごく嬉しかったです。
言葉にするのがもったいないくらいの生きる喜びを、私は感じました。
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お客様は「頑張ってください」という言葉とともに、キャンディーを下さいました。
客観的な事実はそれだけなのですが、私とお客様にとってそれは意味のあることだったんです。
「その意味は?」
実はいま、思い出して涙ぐんでます。
このお客様とは1年前に出会ってから2週間にいちど60分の時間のなかで色々なことを話してきました。
仕事のこと、音楽のこと、ニュースで見たこと、好きな食べ物のこと。
話していたのは他愛もないことなのだけれど、このお客様とお話しする時間が私は大好きでした。
仕事としてしっかり施術するのはもちろんとして、素直に楽しかったんです。
そしてそれは、きっと、私だけではなかったのだと思います。
そんな想いが形になったのがあのキャンディーなのです。
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生きていると嬉しい出会いがあれば悲しい別れもあります。
昨日の出来事は悲しい別れのひとつだったのですが、こんな風な別れを迎えるために人生を歩んでいるのかもしれないと思いました。
遅かれ早かれ、どんな人とも必ず別れは訪れます。
大切なのはどんな別れを迎えるか、ということ。
昨日のように「頑張ってください」と最後に声をかけてもらえるような、悲しさだけじゃなくて嬉しさもある別れ。
そんなHappy Sadな別れを迎えられることは、とても幸せなことだと思います。
だって、それは全然当たり前のことではないのだから。
私はお客様のことを尊敬していて、お客様は私のことを信頼してくださっていて、お互いに遠慮することなく思っていることをたくさん話してきました。
尊敬と信頼をベースに、遠慮せず話すことと聞くことを積み重ねること。
それがあっての昨日の出来事だったのではないか、と、振り返ってみて思います。
さらっと書きましたが、これは私にとって当たり前のことではありません。
どう思われるかを気にして思ったことを言わないことはたくさんあるし、話しを聞いている途中で自分の話しを始めてしまうこともあるし、聞かれるまで自分のことを話さないこともよくある。
つまり私はまだまだ未熟なんです。
だけど、いま決めました。
どんな風に生きたいかはまだわからないけれど、今まで出会ってきた人と、今お世話になってる人、仲良くしてる人たちと、昨日みたいに笑顔で相手の幸せを願えるような形で別れを迎えられるようにしよう、と。
そんな別れを迎えるために、1日1日を大切に生きていきたいと思います。
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さて、Happy Sadと言えばこちら。
街を歩きながら口ずさみたい歌をお楽しみください。
----- Pizzicato Five 「Happy Sad」 -----
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