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《日記》有楽町は旅の途中

※fugさん 画像お借りします!!

少し早めに仕事を切り上げた金曜日。
支度をしてそそくさと向かったのが
夜の有楽町。

高校時代の部活。
英語でミュージカルを年1回の学園祭で上映する部活。
そこで後輩だった女の子が
今、舞台俳優として活躍している。
有名な宝塚のOGが出ているようなショーにも出演してしているほどの活躍ぶりで
ひっそりと推している。
今日の目的は、彼女の初のソロコンサート。
行くかどうかギリギリまで悩んだあと、
行かずにいると後悔しそうだったので、チケットを購入した。

キャパ500席ほどの大きめの劇場。
ここが今日の彼女の舞台。

高校生のその当時から
日本人離れした歌唱力には度肝を抜かれていたのだけど
その時は自分が気持ちよく歌っていることが先行しているような印象を受けていた。

10年弱たった今、彼女の声はどうなったのだろう。
一度彼女がプリンシパルで出演していた舞台は観に行ったのだけど
その時は譜面と演出に忠実な表現だったので、
彼女らしさはあまり見えていなかった。

久しぶりに聴く彼女の声は、
私の心にスコーンと届いた。
人に届けるための声になっていた。

ジャンルは幅広くジャズからポップスまで
持ち前のハスキーボイスを生かしてクール歌い上げる場面もあれば
可愛くキュートに、アイドルのようなパフォーマンスもあったり
七変化であっという間の時間だった。

彼女の表現力も凄まじいもので
元々ソウル系が得意な太くて迫力のある声なのだけど
歌手へのリスペクトを忘れず、
オリジナルの表現を忠実に再現できる感覚の良さと技量を持っていた。
特に驚いたのが「わが麗しき恋物語」という曲があって(リンク🔗つけたよ)
彼女のカバーが初見だったので
音が外れているのか合っているのかわからないような感じで
それでも彼女は堂々と歌うので、きっとこれが正しいのだろうと思っていた。
家に帰って、気になったのでオリジナルを聴いてみると
彼女が歌っていた通りの歌い方で、画面の中の歌手も歌っていた。
いや、彼女が歌手の、あのなんとも言えない独特な音程をそっくりそのままコピーしていた。
これには度肝を抜かれた。

眩しかった。

きっと私には想像もできないくらいの
沢山の試練を乗り越えたんだろうな。

人と違う道を歩むことは、怖い。
人は、数歩先の未来が見えないような未来に進もうとする時
きっと初めは、それを否定する理由を探して
その理由に甘んじて
安心な道を選んで歩くものだ、大抵は。
それでも意を決して前に進んだ人が、他とは違う世界を見ることができると

そう思うのだけど、
彼女はそれとはまた違った感じで
自分の好きなものを追求することに夢中になっていたら
いつの間にか人とは違う自分自身になっていたし
いつの間にかこの場所にいたような
そんな印象を受けた。

未来は見えなくても
揺るぎない自分という存在に対する自信
心のうちはそうでないとしても
見る人にそう思わせることができるくらいの努力量
そういうの、アニメやドラマの中の主人公だけがやることだって
勝手に自分の生活から遠ざけようとしていたけど
この現実の世界で、自分の知っている人が
それを体現していることに感銘を受けた。

人知れずに悔しい思いをした時もきっとあったのだろうけど
今、私はここにいますと
胸をはってパフォーマンスをする彼女が本当に素敵だった。

そんな印象を受けながら
彼女がカバーする藤井風の「旅路」が心に沁みた。

変わりゆく人生という旅の中で
出会いもあれば別れもあって
それ以外の色々があって
それが、その時は辛いことでも
きっと愛せる日々に変わるのだ。
そう信じて、前に進むしかないね。

私も人生を目一杯楽しんで、努力しよう。
そう思わせてくれた、そんなコンサートだった。

最近は、些細なことからも刺激を感じられて
自分の人生の糧にできるようになったことが
人間としての成長を感じる。
その分眠くなるのが早いし涙もろくもなったけど。笑

彼女のように目には見えないけれど、
私もきっと成長している。
みんな頑張って生きている。

生きて行こうね。