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【2018年9月】台湾(高雄/台北)のキャッシュレス決済事情

※この記事は2018年9月15日〜17日に台湾(高雄/台北)を訪れた際にまとめたものです。

3連休を2週間後に控えた9月上旬、LCCのチケットセールに思い立地、3連休を使って急遽、台湾へ現地のキャッシュレス決済事情を体感しに行ってきました。台湾へは3年ぶり、台湾南部は初めての旅となりました。

丁度出発日に台風が台湾南部を通過… 「本当に着くのかな〜?」とヒヤヒヤしましたが、無事に着いて安心しました。

高雄空港に到着し、台湾のSIMカードと悠遊卡(EasyCard)をGet!! 通常、高雄では一卡通(iPASS)が使われていますが、日本のSuicaとICOCAの様に相互利用しています。なので高雄空港でも悠遊卡を販売しています。販売場所がちょっと分かりにくかったのですが、到着ロビーに悠遊カードが購入出来るカウンターがちゃんとありました。

悠遊卡(EasyCard)とは?
台湾全土で使える非接触ICカード(電子マネー)。台北や高雄の地下鉄(MRT)や各地の公共バスの乗車や、コンビニや百貨店、飲食店等のチェーン店は勿論、駐車場やシェアサイクルの支払いにも使える。日本でいうところのSuica。
悠遊カード(Wikipedia)

チャージ額は自由に設定出来るようで、カード代100NT$と合わせて今回はチャージ500NT$を支払いました。(ただし、この支払いはクレジットカード不可で台湾ドルが必要です。)

早速MRTに行って改札を通過。日本のSuicaと変わりませんが、悠遊卡はFeliCaではないので、Suicaと比べて少し反応が遅い印象はありました。

時間は現地時間で15時をまわっており、ランチを食べていなかったので、何はともあれまずは腹ごしらえをしたいと思い、高雄の中でも特に美味しいという人気の牛肉麺店へ直行。

一応、途中道の店々の店頭に貼られたアクセプタンスマークをチェックしましたが、目当ての牛肉麺店は勿論、途中の店々でもスマホ決済に対応している店はありません。台湾では2017年に政府主導で進めたモバイル決済サービス「台湾Pay」が始まっていると聞いていましたが、使えるお店を見かける事はほとんどありませんでした。中国決済のAlipayが使えるお店は一部ありますが、台湾Payはおろか、悠遊卡や一卡通等の電子マネーに対応しているお店すらほとんどなく、高雄市内の飲食店の多くは現金か一部店舗でクレジットカードに対応しているのが実情のようです。昼食後、もう少し歩き回ってようやく、一部のチェーン店で台湾PayやLINE Pay(ただし台湾版のみ)が使えるお店を見つける事が出来ました。

また、台湾では中国本土の様にシェアサイクルのサービスが広がってきており。台北では「YouBike」というサービスが普及しています。これは日本のシェアサイクルの様にバイクステーションが街中にあってそこに返す形となっています。一方、高雄で広まっている「oBike」は、中国本土のMobikeやofoの様に乗り捨てがOKとなっています。今回は台風で雨の為乗らなかったですが、天気が良ければこれで高雄市内を観光するのも良いかと思います。

高雄の港にある旧倉庫街を再開発した駁二芸術特区を訪れました。旧倉庫の壁面ペイントや様々なオブジェ、おしゃれなリノベーションショップが並ぶ一大観光地ですが、やはり雨の為お客さんは少なかったので、ある意味ラッキー。観光地という事で、ここでは流石にクレジットカードは使えるお店が多かったですが、台湾Payが使えるお店はほとんど見つけられず、悠遊卡やLINE PayはたまにPOPを見掛ける事が出来る程度でした。

駁二芸術特区から中心部にはLRTで移動します。LRTは今後市内を回る環状線になるらしいですが、現在はまだその一部のみの開通となっています。このLRTの乗車にも、悠遊卡や一卡通を使って乗車出来ます。

中心街に行くと、街頭に電動バイクの電池ステーションを見つける事が出来ます。更に、電動バイクで以前話題になっていたgogoroのショップもあります。中には結構お客さんがいたので、利用者も多くなってきているんだなと実感しました。おしゃれなショップで、Teslaのバイク版みたいな印象でした。

また、中心街の街頭広告にはOPPOや小米といった中国本土メーカーの広告が目立ちました。台北では中国本土のメーカーの他に、現地メーカーのHTC等の広告も見掛けましたが、やはり中国本土メーカーの勢いを、他国旅行時と同じように台湾でも痛感させられます。3年前にはほとんど見掛けた事はなかった印象だったので、時間の経過と世界の勢力変化を実感されられました。

更に、中華圏で話題の一人カラオケBOXは高雄でも街中あちこちにあります。試してみようかとも思いましたが、そもそも私はあまりカラオケが好きではないのでスルー。。。

ホテルにチェックインした後は、高雄観光定番の六合夜市へ向かいます。ここでは大人気のパパイヤミルクを頂きました。甘すぎず、男性でも美味しく飲めると思うのでオススメです。

しかし、屋台を歩いていると一部の店舗がAlipayに対応している程度。WeChat Payは対応していませんし、悠遊卡やLINE Payは皆無。現金が行き交う感じは、まだまだキャッシュレスには程遠い状況でした。中国人インバウンド対策としてのAlipay・WeChat Payの導入は、日本の方が地方も含めて進んで来ているのかなとも思えました。

2日目は高雄市内でウィンドウショッピング。フリーマーケットに行くと、結構LINE Payを見掛ける機会が多くなります。高雄大遠百(百貨店)の中にあるマーケットでは、Apple PayやGoogle Pay、Samsung PayといったNFC決済にもいろいろ対応しています。複数の決済サービスの中で、各店舗で使える決済サービスをそれぞれシールでわかる様に掲示もしていました。やはりスマホ決済はフリーマーケットのような個人のショップにとっては非常に便利なようですね。FacebookやLINEを使った情報発信と合わせて、積極的に活用しているというクリエイターさんが多くショップを出店されていました。

高雄市内もある程度堪能した後、台灣高鐵に乗って台北へ移動しました。

台灣高鐵切符のお得な購入方法
台灣高鐵の切符は、KKdayというサイトだと外国人限定のお得なチケット購入が可能なのでお得です。事前ネット決済で、バウチャーを持参して駅のカウンターで切符と交換してもらえます。

翌朝は桃園空港から早朝の飛行機に乗る為、この晩は桃園空港近くのホテルへ宿泊する必要があり、台北での滞在は夕方に着いてから約4時間のみ。急ぎ用件だけ済ませます。

まずは台湾の秋葉原、電気街の八徳路電気街・光華商場・三創生活園区でガジェットを物色しました。今回は探し物のうち、充電ケーブル2種類だけ購入しました。3in1の充電ケーブルは複数台のスマホを持つユーザーには非常に便利なのでいくつあってもいい代物だと思います。日本よりも安く買えたので良かったですが、電気街では基本的に現金取引でした…

その後、今回の台北での重要ミッションの一つ、台湾産の日本酒と日本式焼酎を購入しに新光三越へ!百貨店では勿論クレカも使えますが、悠遊卡もリーダーがあって使えるようになっていました。

Made in 台湾の日本酒の日本式焼酎
台中にある「霧峰農會酒莊」は、清酒の醸造に適していない台湾の気候で日本酒を作る為、スタッフを日本に派遣して清酒醸造技術を学ばせて、醸造環境を一から作り上げたという台湾唯一の酒蔵。日本酒好きとしては台湾に行くからには何とか手に入れたいと思っていたので、本当に嬉しかったです。帰国後、美味しく頂きました。
また、台湾で日本式の焼酎を作っている会社が9社あるらしく、その9社で組織された「台灣燒酒協會」というのがあるそうです。そのうちの2社の焼酎も合わせて購入。
台湾に住んでいる人にとっては、日本式の日本酒や焼酎を日本からの輸入品よりも安く楽しめるので良いと思います。

最後に、高雄や台北市街の自販機は現金オンリーの物が多かったですが、桃園空港の自販機は悠遊卡やLINE Payが使えました。試しに日本のLINE Payを読み込ませてみたが、やはり台湾のLINE Payじゃないと駄目でした… 残念。

悠遊卡は、スマホアプリ(easy wallet)で残高と利用履歴の確認が出来るので、現地滞在中は重宝します。ただ、翌日にならないと情報が更新されず、リアルタイム更新でないのが非常に残念です。

【総括】
台湾のキャッシュレス事情は日本の状況に類似している印象です。主要なチェーン店においては悠遊卡で事足りるので、店を選べばキャッシュレス生活は可能です。ただし、悠遊卡へのチャージは駅の機械又はコンビニで出来ますが、いずれも現金でチャージしなければならず、銀行からキャッシュを引き出す必要はありそうです。観光客は台湾ドルへの両替が必要です。
スマホ決済ではLINE Payがおしゃれな個店を中心に少しずつ広がっているかなという印象ではありますが、まだまだ一般に使われているとは言えない印象です。日本よりも一足先に、政府主導のキャッシュレス推進に動いた台湾ですが、政府の店舗に対する様々なサポートの割に現時点ではまだまだ普及し出している印象は感じられず、今後普及が進むのか定期的に訪問してチェックしたいところです。

ところで、コンビニの会計で並んでいる時、日本にいる時と同じ様に目の前で小銭をジャラジャラ出して現金支払いしている人に出くわして、ちょっとイライラしてしまいました... そこも日本と状況はあまり変わらないという事なのかもしれません(笑)

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