見出し画像

パズルのピース〜不倫の理由〜

職場の、わりと大きな仕事を終えた夜、親愛なる先生(ここでの呼び名。職場の上司、博識、研究肌。既婚、子どもなし)と会った。

職場のみんなは打ち上げに行き、私は子どもを迎えに実家へ向かう。そこから長男と習い事に行き、帰宅して、入浴を終えたくらいでLINEが入った。

会えそうですか?
〇〇さん(職場の一番上の人)を送り届けてからになるので、深夜を過ぎてしまうと思うのですが。

その方がありがたいです。今はまだ長男が起きてるので、さすがに外出しにくいです、
と、返信した。

それから約2時間後、午前1時ごろに
まだ起きてますか?会えますか?
と、先生からの連絡。

さすがに私もうたた寝をしていて、返事ができたのが1時半、
△△さん(先生のこと)さえ良ければ。でもお疲れじゃないんですか??寒さにさえ勝てれば、出られます!

ということで、ようやく会えたのは午前2時前。2人の家の間くらいにある場所に、お互い車で向かって、先生が私の車に乗り込んできた。

事に及んだのは、初めてだ。
これまでずっと、職場に2人で残業していた時に、その場でできること、人の気配を感じたら、10秒程度で元に戻れるくらいのことしか、していなかった。もちろん職場であることや、お互い既婚者なので、不適切な行為ではあるのだが、そこまでお互いに責任は問われない範囲内での行動で終えていた。

どこか遠いところで、宿泊しなくてもいい宿泊施設にいつか行けるといいですね、なんてことは話したことはあったが、まさかこんなタイミングで、とは思わなかった。
いや、この日、仕事がひと段落したら、会いたいですね、とめずらしく、随分前からはっきりした日を指定されていたので、予感はしていた(その日なら、私の体調も大丈夫です、と冗談まじりに伝えていた)。しかし、先生から直前になって約束をキャンセルされること(LIVEとか、残業とか)がよくあったので、期待はしていなかった。

さて、ここnoteで、年末年始、書く気がなくなっていた間、いろいろとオススメです!と提案される記事を読んでいた。私の書いている内容が内容なので、提案される記事も、やはり男女関係、とりわけ不倫、婚外恋愛の内容が多い。
目を見張るような展開にいいな〜、スゴイな〜、と思っていた。

いよいよ私もその仲間入りか、と思っていた、
のだが、素直にここで書けない事実が判明したのだ。

入れたのに、出なかった。
午前3時前に帰宅して、茫然とした。

1時間近く車内にいて、それなりのことが始まったにも関わらず、先生からの
今日はこれくらいにしておきましょう、
の一言で終わった。
さすがに緊張とはずかしさもあり、状況を正確に把握できていないのかもしれないが、私の感覚は間違っていないはずだ。
私の性に対する経験値や認識が、世間一般と比較してどの程度のものなのか、定かではないが、
挿れてもらったら、出してもらう、ことがこの行為における私なりの義務感というか、そういうものだと思っていた。
それなのに、出さずに終わられてしまうのは初めての経験だった。

私の身体の問題なのか、車の中だから汚してはいけないと遠慮されたのか、それとも……
と、翌日からそのことで頭の中がいっぱいだった。
(ちなみに先生は、午前3時に帰宅したのに、午前9時からの一日研修会に参加していた、とあとから仲良くしている同僚から聞いた)

ここから様々なワードで検索し、思考する日々が始まった。
そして、私なりに出した仮説が以下の通りだ。

先生と妻は、私と同じ職種であり、おそらくどちらの収入もそれなりにある(わざわざ地域の縛りが厳しい場所に、今も戸建てで住んでいるのは、妻の実家が近くにあるからだろう)。
先生が子育てをしたい、と考えていて、経済的にも適した環境があるのに、結局その夢が叶わなかったのは、おそらく先生の身体的理由からであろうと推測できる(一概に車内での出来事だけで判断しているわけではない。これまでの職場での行動や身体的特徴が、かなり符合するのだ。ここに妻の側の身体的、心理的理由がつけ加わるかは、定かではない)。
物理的に子どもができない、となった時に、今の世の中であればもう少し方策もあったと思うのだが、私より歳上の先生が結婚した頃には、そこまでではなかったのだろう。
そうなったときに、お互いが愛情を維持していくのは至難の業である(あくまでも推測。私があっさり子どもができたので、わからない。しかし、妻……奥様のお気持ちを考えると、やりきれないのが本音である)。
ましてや仕事においても、先生は一度アカデミックな場にいたのだが、そこを不本意ながら異動することになり、妻の待つ地元に戻ってきた。しかし、そこでは自分の経験を発揮することができないばかりか、昇進の道も閉ざされていた。

だから、私の住む町にやってきたのである。
ここでは、先生の得意分野が活かされ、なんのしがらみもなく、重宝される。そして異動してきてからというもの、毎年、役職が上がっている。
私は先生の得意分野やフットワークに助けられ、先生は私の職場や地域でのつながりや情報を頼りにしてきた。

たった1時間程度の出来事で、目の前に起こっていることがはっきりとわかったような気がする。
表題にあるような、パズルがはまっていくようだ。

おそらく、あの夜を経て、次にどう進みたいのか、あるいは、進んでいけるのか、先生なりに葛藤していると思う。
私もまた模索する日々である。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?