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200%CV増加!Rettyがグロースした3要因を考えてみた

Rettyというグルメサービスを運営している会社で、主にWebサイトのグロースを担当している田中(@tnkdaito)です。

2017年10月ごろから約1年CV改善に注力してきて、この度社内で最も成果をだしたプロジェクトとして表彰いただいきましたので、今回はその知見や学びをnoteにまとめてみようと思います。

そもそもRettyのCVってなに?

グルメサービスである以上「お店を探せる」という体験だけでなく「お店が見つかる」という体験を提供することに価値があると思っているので、Rettyではサイトを通じた予約体験をCVとして捉えて改善をしています。

2017年10月ごろからCV改善に注力しはじめたのですが、色々改善に改善を重ね2018年12月には注力当初と比較して約250%CV数を改善することができました。(少々誇って記載させてもらうと月間4000万人が使うサービスなので元々のCVが低い訳ではない中のこの改善率であることと、月間利用者数増加の中CVRも約230%改善したことはすごいのではと思ったり...笑)

なぜここまで改善できたのか(要因・やったこと)

200%を超える改善ができた背景,ポイントをまとめてみると
 ①PDCAよりOODA
 ②健康診断を侮らない
 ③組織的シナジーの爆発

だったかなと思います。以下で1つづく詳しく記載していきます。

PDCAよりOODA

PDCAはPの計画というところからスタートするのですが、OODAはみる(Observe=情報収集や現状理解する)ことから始まります。

Rettyでは特に現状理解,把握に注力をするために、以下の方法をその時のノウハウやフェーズ次第で比重を変えながら実施しています。
 ・自分自身がサービスのユーザーになること
 ・ユーザーさんに話を聞く,使ってもらうこと
 ・他サービスの改善担当者さんと情報交換すること
 ・自社内にある膨大なデータから様々な観点で分析すること

すごくざっくりですが新しいCV指標やPJの立ち上げの場合ほどナレッジがないことが多いので、上から下へ比重が移行していくような感覚があります。

4つの課題発見手法をうまい比重で活用できているときほど、より現状の理解,課題特定が行え、良い施策効果が得られることが多いです。画像にすると以下のような感じで第一象限から第四象限へ移行するようなイメージです。施策案も移行に伴い大きな施策から細かい施策粒度へ変化していきます。

例えばRettyのCV改善当初の話をすると、お店の方に許可をもらい実際に飲食をしているお客さんにお店探しにおけるプロセスや心情に関してお話を聞かせてもらったり、他サービスのCV改善担当者からどういう施策が効いたのかなどの情報交換の機会を多めにとっていました。そこから「どうやらRettyはそもそも予約ができるサービスというより、まとめサイトである印象の方が強い」という仮説が浮かび上がってきたので「予約ができるサイト」であることを直感的に理解しやすい機能やモジュールを設計し大きくCVが改善されました。

(*ご協力くださったお店の方、ユーザーさん、お忙しい中時間を作って情報交換させてくださった企業の方々には感謝でいっぱいです。僕も恩返しではないですが情報交換してほしいとかあれば時間作るのでよろしければお声がけください)

しかし順番を間違えた事例も1つありまして、一応そちらも共有します。ネット予約のフォームのリニューアルをする際は社内データを中心に現状把握を行ってしまいました。ナレッジがあまりない中だったのですが自身がユーザーとしても明らかなにUIが古く初期行動での離脱が多かったりしたので、まずUIの一新をしました。使い勝手や見やすさは大きく向上したのですが実際の予約完了率でいうとすごく大きな変化というものはなく、想定より小さい効果の改善になってしまいました。このときにもっとユーザーさんの予約行動を横からみることができていれば、自身がユーザーとして使い慣れたUIではなくより課題解決に向いたUIにできたのではないかなと思っています。(予約のフォームは現在も改善中でもっと良いものになると思いますのでぜひ経過を観察いただけますと有り難いです笑)

Rettyではこのように4つの比重を変えてより確度の高い仮説だしを行い、その解決手法(施策)をプランナー/デザイナー/エンジニアと職種関係なく議論して決定しています。そうすることで要件や認識のすり合わせができてスピーディに動けるのはもちろん、シナジーが生まれよりよい手段の実現につながるからです。

ノウハウやフェーズに合わせて課題発見手法を変えること、そして見つけた課題や仮説をスピーディに検証,解決していくことがグロースにおける大事なポイントかなと思います。

②健康診断を侮らない

OODAでのポイントは上記のObserveだけではなく、図解の中にもあるA→Oにかけての「見直す」というものです。RettyのCV改善の背景には「見直す」ための工夫をしっかりとっていたことが大きいかなと思っています。

具体的には健康診断と言われる数値の定点観測を、しっかりユーザーさんの行動フローの観点からファネル別に分けて毎日数値を確認していました。例えば健康診断の1つとして、以下のようにざっくりファネルではあるが現在の全体進捗状況が一目でわかるものをdata studioで作成し、毎日チーム全員でみていました。

加えてより詳細なファネル分析(数値指標が何十以上もある)ではスプレッドシートを用い、分析のチームメンバーやCV改善のPMを中心に確認し、リリースしたものの施策影響の確認はもちろん、どの数値がどんな状態になればサービスとしてユーザーさんにあたえる影響が健全なのかをすぐ理解できるようになりました。

①のPDCAからOODAであげた内容の補足にもなりますが、上記体制はだいぶナレッジが溜まってきた段階でやっと構築されてきました。CV改善のプロジェクトが始まったばかりではここまでしっかりした健康診断体制はなかったのですが、ナレッジや仮説が溜まっていく中で見るべき数値が洗練されていったこと&社内の分析チームがデータ整形やログ基盤の見直しなど注力をしてくれた結果、このような形に辿り着きました。この体制を構築してから、より現状把握からの課題仮説抽出のスピードが速くなりCV改善に大きく寄与しました。(以下の記事ではRettyの分析チームが何をやっているかや、上記で記載した詳細の健康診断体制構築に向けてなにをしたかなど記載がありますのでよろしければどうぞ〜)

サービスの中におけるユーザーさんの状態を誰よりも理解することがグロースにおいて不可欠だったと思います。

組織的シナジーの爆発

CVを増加させるためにRettyで取り組んだことは「予約できるサイトとして直感的に理解できるよう改善すること」→「ユーザーさんの意思決定(=CV)要因を把握しサポートしてあげること」でした。ただそのためにはユーザーさんが意思決定するために必要情報をお店さんに追加,入力してもらうことは避けられませんでした。

少し前提をお話しするとRettyはワンプロダクト(Rettyという組織でRettyだけを運営している)という特徴があり、ビジネスとプロダクトが相互に影響を与える密接した関係にあります。今回の大きなCV改善の背景にはプロダクトだけの改善でなく、お店さんと関わるビジネスサイドによる協力体制がうまく噛み合ったことがあります。

イメージしやすいように言うとチームAの目標達成がチームBの目標達成に貢献し、チームBの目標達成がチームCの目標達成に貢献し、CがAの...というサイクルをつくることが、ここで僕が言いたい組織的シナジーということで、今回はこれが非常に噛み合ったいい目標設計と各チームの頑張りがCV改善の要因となります。僕個人だけでは間違いなく数値改善はできなく、1チームではここまで大きな数値改善にはならず、Rettyという組織全体で取り組んだからこそ、ここまでのCV改善に至ったと認識しています。

最後に

今回はnoteに書くと言うことですごく抽象度をあげた書き方をしてたりします。読みにくくてすみません><それでも具体的な施策例や話を聞きたいという方はぜひ情報交換や一緒にイベントなどできれば嬉しいなと思います!

一応カジュアルに質問したいよ〜という人のために質問箱を用意しました!こちらから質問いただければtwitterにて回答できればと思っています!

加えて上記のようなRettyの進め方に共感や良いなと思ってくださる方がいればぜひ一緒に働きましょう〜!


読んでくださりありがとうございましたっ ご意見ご感想などあればぜひTwitterで教えてください! 頂いたサポートはnote執筆のためのカフェ代に使わせてもらいます!