ざくろちゃん、はじめまして『君はざくろの種』の感想


ここで目撃しましたなど、書かれてしまう恐れもあり、様々な可能性を考慮した上での冷静な判断なのだとわたしには思えたので、無理に隠す必要はないとしても、守られた環境で堂々とトップシークレット扱いしてください!!と心の中で声を大にして言った。
後悔と、言いづらさを抱えながらも、この先生になら...と、勇気を出して告白したさおりさんに、必要以上に深刻になることもなく、心配しないでいいのよと、真っ先に、笑い飛ばしてくれた先生。そして、続くフォローの言葉に、さおりさんは、どれだけほっとしたことだろうと、想像した。

タイトルが発表されたとき、種類が豊富な果物のなかで、どうして『ざくろ』を選んだのだろうと気になって調べたことを思い出した。由来を知り、心がじんわりと温かくなった。「やっぱり妊娠している」実感が薄いながらも、「はじめまして」と心の中で呟くさおりさんは、じーんとする嬉しさも同時に噛み締めているようでした。
未開拓の道を歩きながらも、変わらず生活は続いていく。真っ先に、仕事を心配してしまうのは、ごく自然な心の揺れなのではないかと、ここまでのさおりさんの心情を読みながら想像した。
妊娠の事実を受け止めながらも、あまりにも想像が追いつかないと、周囲の人たちも混乱し戸惑ってしまう。そういえば、なんの前触れもなく突然幸運が訪れると、不安になったり、恐怖でいっぱいになったり、気持ちを整理するのがなかなか難しくて戸惑ってしまうことを、『宝くじの一等が当たったひとみたい」の言葉から思い出した。

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