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ラジオドラマ脚本 023

タイトル
「思いつきがこそ一番だよ」

彼女 ショウコ 28歳
彼氏 イサム 35歳

(SE)すごい大雨の音

ショウコ「明日の式、無理かしら?」

(SE)ラジオから、明日の天気予報が流れる。

イサム「何言ってんだよ。明日は、何があっても、どぴーカンに決まってるだろう!」
ショウコ「でた、あんたのその根拠のない発言!ほんと、バカじゃないの?今、ラジオ聴いてたでしょ!」
イサム「その自信家のところに惚れたんだろう?」
ショウコ「あんた、本当にバカ丸出し!」
イサム「バカですよ!あぁー、バカですみません。」
ショウコ「こんなバカな人と、明日、式を挙げると思うと。気が滅入るわ。ほんとに。」
イサム「じゃあ、やめるか? 明日の式!」
ショウコ「ほんとうに言ってるの?足らない脳みそが、言ってるわけちゃんと、考えて言ってるの?大丈夫?」

ショウコ(M)この人の頭の中を覗いてみたいと思う事が、いままでも何度も有ったけど、その時は、すごく思うのだけど、不思議と、すぐに忘れてしまう。不思議な人だよな。

イサム「えー、明日は、雨天決行。今、私が決めました。よろしいかなショウコくん。返事は。」
ショウコ「はい、はい、はい」
イサム「はいは、一回だけにして下さい」

ショウコ(M)この人といると、ふと、大事な何かを思い出させてくれる気がする。明日の事は、もう、しょうがない、この人に任せよう。

(SE)すごい大雨の音

ショウコ「なんか、もう、化粧が納得出来ない。イサム、今日の式は、やめよう!」
イサム「えー、昨晩の事をちゃんと、思い出して下さい。雨天決行と言っていたと思います。そうですよね。」
ショウコ「でもね、人生の一大事な時に、化粧のノリが悪いんだよ。あんたの可愛いショウコちゃんが、可愛い化粧が出来ないんだよ。気持ちがめげるでしょ。」
イサム「俺はね、化粧してない時のショウコが、一番スキ!」
ショウコ「頭、どこかで、打ってきた?大丈夫?病院に行こうか?」


ショウコ(M) ほんとうに、この人の発言には、悪気という物が存在しない。そして、いつの間に、丸め込まれてしまう。でも、嫌な気はしない。

イサム「観覧車って、どちら回りだと思う?」
ショウコ「なに?なに?言ってんの?そんなの決まってるでしょ。時計回りに。もう!」
イサム「ぶっ!ぶっーーぶっ! はずれ!それも、大はずれ!」
ショウコ「反時計回りなんて、みた事ない。」
イサム「式の後に、すぐ。新婚旅行に行こう!」
ショウコ「悪いけど、あんたの口車にはのらないの!式にも行かない」
イサム「後悔するよ」
ショウコ「化粧がだめだから!わかった?」

ショウコ(M)この人は、本当に、私のためならなんでもする人だろう。今にも、手が届きそうな幸せを私のために必死に取りに行こうとしてる。それに答えようとしない、へそ曲がりな私。

イサム「化粧なんてこの先の人生、二人で汗をかきながら進むんだぞ。化粧なんて落ちるだけ」
ショウコ「それは、日常の話。今日は、非日常の女の子が主役の日だよ。で、化粧がのらないんだよ?」
イサム「ハレだけど、お前といれば」
ショウコ「まだ、指輪ももらってないよ。手が届きそうな金額だったはずだけど?」

(N)あれ?青空が見えて来ました。イサムさん、どうしますか?

                                                                  【完了】

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