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ラジオドラマ脚本 021

タイトル【長いお別れ】

あらすじ
鉄の中華鍋と別れを告げた翌日、調理場に現れたテフロン中華鍋鉄製玉杓子との熱いマウントの取り合い。どちらが、主導権を握るのか。カンカンカンという鍋と杓子の激しいバトル。テフロンのタフさに参った杓子。テフロンじゃなければ生きていけない。

登場人物
鍋中華雄(なべなかはなお)20歳
 テフロン中華鍋
玉杓子(たまじゃくし)43歳
 お玉杓子


杓子「相棒とも、長いお別れかあ」
華雄「おはようございます。お世話になる華雄です。出身は中国です」
杓子「新入り?ここ厳しいよ」
華雄「フッ素、テフロン、プラチナ加工。強度も今までの3倍です」
杓子「御託並べられても」
華雄「令和ですよ。テフロンじゃなくては生き残れない」
杓子「ランチ前に物は試し」
華雄「高温の油で、豚肉を素揚げしましょうか?」
杓子「なに?その上から目線!」

SE:高温で豚肉をあげる音。

華雄「どうですか?この熱伝導のよさ、認めざるを…」
杓子「ふん!これはどう!」

N:野菜を鍋に投入

華雄「ほら、そんなに油を入れないで下さい。昔ですよ!それは」
杓子「馬鹿もやすみやすみいって」
華雄「もう、昔の人は、これだから、困るんだよ」
杓子「それ!それ!」
華雄「意地になって煽らなくてもいいの、おばあちゃん!」
杓子「おばあちゃんじゃない!」
華雄「鍋肌に、調味料を掛け回すのゆっくりで大丈だよ!」
杓子「信じるもんか?」
華雄「ヘルシーじゃないと、生きていく資格がない」
杓子「うるさいわよ!」

SE:鉄鍋を煽る音、カンカンカンカン!甲高く素早く!

【完了】

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