阪神芝1600mは最初のコーナーまでの距離が長く、各馬が希望のポジションを取りやすいため枠順の有利、不利は少ない舞台です。

しかし、京都競馬場改修工事以降の阪神芝1600mはとにかく内枠有利の傾向が目立っていました。

これはあくまでも推測ですが、ロング開催を余儀なくされた阪神芝コースは例年以上にシャタリングやエアレーションといった馬場を柔らかくする作業を行わず、長く良い状態を保つために意図的に馬場をキレイにしていたのではないかと考えられます。

実際に阪神競馬場がロング開催となった2022年は１～２枠の成績が急上昇し、複勝率は47%、複勝回収率も96%と高水準でした。（単40倍以下）

この傾向は昨年4月より京都競馬場が使われるようになってからも続いており、とにかく阪神芝1600mは内枠を買っておけばいいコースとなっています。

しかし、2024年は阪神競馬場の改修工事が決定し、4月2週目を最後にしばらく使われなくなります。

そのためロング開催時のように長くキレイに保つ必要もなく、結果今年の阪神は例年以上に時計のかかる馬場での開催となっています。

時計がかかる馬場ということは、コーナーで外を回す馬の不利が少ないということ。実際に今年の阪神芝1600mは内枠有利どころか、むしろスムーズに競馬ができる外枠のほうが優秀な成績となっています。

年度別に並べてみるとその傾向は顕著であり、明らかに今年だけ内枠不利の成績になっていることがわかります。

こと桜花賞においても、以前は内枠からロスなく運んだナムラクレアやウォーターナビレラ。前でロスない競馬をしたコナコースト、ペリファーニアが人気以上に好走する傾向にありました。

しかし、今年の桜花賞は例年以上に時計がかかっていることからも枠やポジションによる紛れが少なく、能力通りの決着になるのではないかと考えています。

中でも間隔をしっかりとあけて調整できる阪神JF組のアスコリピチェーノ、ステレンボッシュは桜花賞でも有力とみています。

【各馬解説】

●クイーンズウォーク
前走のクイーンカップは後方から差して好走と能力通りの勝利。
２走前は出負け気味のレースも、先行集団から競馬をし突き抜けて完勝。中間で大きく緩んだとはいえ最後に坂がある阪神でラスト11.2秒は優秀だし、そもそも見せムチしかしていないので余力は非常に大きかった。
レースぶりからは中距離馬に見えるのでマイルだとスピード負けする印象があり、実際に前走のクイーンＣは勝ったとはいえ追走力の面で課題は残した。レース後に川田騎手も「今回は１６００メートルを走らせたかったわけではなく、ここがいいのかなという思いでこの番組を選択し、先につながる競馬をしました。」と言っており、おそらくベストは中距離だろう。
今の馬場であれば対応できるとは思うが、上位も強いだけに差し遅れする未来はある。

●アスコリピチェーノ
前走の阪神JFは中団からスムーズに差して勝利。３着馬以下は比較的離したし、ラストまで末脚もしっかりしていたことから能力を証明する走りだった。
美浦の馬だが、今回も栗東で調整しているので輸送の心配はない。他馬比較ではレース間隔をあけている分で成長も見込めるし、ここも人気なりに好走率は高そう。

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