【回顧】プロキオンS

日曜 中京11R

ダート1400m

勝ちタイム:1.21.2

ラップ:12.3 - 10.5 - 10.5 - 11.0 - 11.7 - 12.2 - 13.0


超超超ドHペースとなった今年のプロキオンS。稍重で時計が出やすい馬場とはいえ去年ほど高速馬場ではなかった。そんな中、1000m通過タイム56.0秒、1200m通過タイム1分08.2秒は現在の日本レコードより早い。さすがにラスト3Fは13.0秒とかかっており自力勝負となった。求められた素質は以下である。

①Hペースについていける基礎スピード

②ロスのない立ち回り

③バテないスタミナ


1着 アルクトス

田辺騎手 「隣の馬がゲートで突進したにもかかわらず、そのあとでも冷静にいてくれたあたりは成長を感じましたね。レースでも決して追走は楽ではなかったんですが、メンバーも揃っていたなかで、しっかりとタメて運べていたのは良かったと思います。」

好スタートで外4追走かと思いきや、内がきれいに空きラチ沿いに収納。そのまま直線にむくと前があいてからは鋭く伸び、最後はミッキーワイルドの追撃も抑え切って見事重賞制覇となった。

ミッキーワイルドほどではないにせよ、マテラスカイが刻むラップについてこれると思えなかった。父アドマイヤオーラ産は好調期はとめられないね。

まず好走の要因としてラチ沿いをとれたことが非常にでかい。高速馬場の中京ダートはイン前が非常に有利であり、後述のミッキーワイルドもきれいにラチ沿いに収納してきた。枠の並びからおそらく外をまわすことになると思っていたので△までとしたが、マテラスカイ、サクセスエナジー、ヴァンジェンスが競りあったおかげできれいにその後ろにスペースができた。前走で砂を被る経験がありしっかりと対応できていたので、騎乗の田辺も迷うことなくインに誘導していた。この判断は継続騎乗のたわものだし素直に褒めるべきだと思う。

展開や騎乗の好判断があったにせよ、今の中京1400ダートのスピード決着に対応できたのは強みである。スタートもうまいので今後も安定した走りをみせるんじゃないかな。総合力がよい馬の印象を受けた。


2着 ミッキーワイルド

北村友騎手 「うまく立ち回れたし、終いの反応も良かったですが、勝ち馬に更に上手に乗られました。でもしっかり走ってくれたし、力をつけていますね。」

好スタートからテンの速さで少しポジションを下げアルクトスの後ろの7番手あたりを追走。外目を追走しているも内にいたアディラートとワンダーサジェスが下がっていきそのままラチ沿いを確保。直線むくと騎乗の合図にこたえ伸び続けるもアルクトスをぎりぎりかわせず2着となった。

この馬も戦前はアルクトスに近い評価をしており、来るなら一緒にくるだろうと思っていた。

アルクトス同様、道中でラチ沿いをとれたことが非常によかった。また、この馬場の中でもしっかりと加速し伸びてこられたのは非常に好感である。過去のレースをみても能力的にはアルクトスよりは一枚上。来年のフェブラリーSは期待したい。


3着 ヴェンジェンス

幸騎手 「思ったより前で運べました。以前ほどではないにしろ、左回りだとスタートしてから外にモタれたりする面がありました。でもそれは左回りが駄目なのではなく、経験の分だと思います。前に行った組のなかではよく頑張っていますからね。」

スタート後すぐ出ムチを2発。外3を追走しそのまま直線。最後までじりじりばてず先行勢では再先着となる3着を確保した。

ものすごく強い。今の中京ダートでこのドHペース外3追走は不利すぎる展開で、そんな中さいごまでしぶとく伸びているのは非常に強い内容。ここ2戦含め明らかに馬が変わった。砂をかぶると反応が鈍ったりと少し難しい馬であるため、4番枠にはいった時点ですこし厳しいと思っていた。しかし幸騎手ももちろんわかっているようでスタート後、出ムチうって思いっきり番手主張。結果的に超Hペースを生み出すきっかけになったわけだが、過去のレースからもHペース適正はあるのでこの馬にとっては好条件だった。

ベストな騎乗だったと思う。内にいれて砂を被るとどうしようもなかったし、内からサクセスエナジーも思いっきり番手を主張してきたので外3追走は仕方ない。こうなると今日の中京の馬場ではどうしても不利になりがちなんだけどね。なので個人的に本命にはできないと思ったしこの辺はよかった。ただ、認識よりも明らかに馬が成長していると思うし、能力的には現時点でこのメンバー中、最強クラスである。


以下は気になった馬のみ

サンライズノヴァ→いつも通り後方から。今の馬場では絶望的も、上がりはぶっちぎりの最速で4着。どう考えても強いんだけどこうゆう馬だからね。それでも能力だけで圏内あるかとおもったけど、ここまで高速馬場では仕方ない。噛み合えばG1でもまだまだやれる。

マテラスカイ→テン早くいつも通り逃げ。しかし道中おもいっきり絡まれ、この馬もかかってしまった。結果的に超Hペースになってしまい脱落し5着。まぁ人気馬の宿命で仕方ない。馬場も去年ほどではないにせよ向いていたし、もう一度予想しても本命にしたかな。ただ、枠の並びを見た時点で「先行したいサクセスエナジーが1番枠」「砂をかぶらないで前目にいたいヴェンジェンスが4番枠」の時点で、ある程度前を主張してくる展開は予想できたはず。ウインムートも近走はおもいっきり前を主張するしね。このへんの展開読みができた人は当てられたのかなと。

アディラート→基礎スピート足りずズルズルさがるも最後までしぶとく粘る。まぁこの馬は能力はあるんだけど難しいからね。ただ道中はインベタではないなか、さいごも思ったよりバテていないしかみあえば重賞も勝てると思う。今日の内容だと1600ダートでもやれそうだけどね。緩急のない1400がベストかなと思うのでやはり京都ダートが無難。

キングズガード→きついよね。近走は明らかに展開むいてるし個人的には落ち目だと思ってる。あとせめて右回りで。

ウインムート→枠順が響いてしまったね。あのままついてけば外4になるしどうやってもこの馬のペースでは走れなかった。落ち目ではないと思うしまだまだやれる。

サクセスエナジー→枠もそうだがスタートが少しね。本質的に高速馬場では基礎スピードが足りないので無理なペースだったことは間違いない。良馬場で。



いつもご覧いただきありがとうございます。皆様からのサポートのお陰でモチベーションを保てています。これからも優良な情報を提供できるようより一層努力しますので、応援のほど宜しくお願いいたします。