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【回顧】桜花賞

2024年4月7日(日) 阪神11R 桜花賞
レースラップ
:12.5 - 10.8 - 11.2 - 11.8 - 11.8 - 11.4 - 11.2 - 11.5
ペース:ミドルペース(46.3秒 - 45.9秒)
風向き:スタンドから向こう正面への微風(影響なし)
脚質:有利不利なし
馬場:フラット~直線やや外有利


【レースポイント】

近年では珍しく直線はやや外有利で各馬の能力が問われた
3コーナーから4コーナーで1ハロン11.8秒ならやや外負荷あり
直線スムーズでない加速は結果に影響あり
今年は桜花賞≠オークスとは言い切れない


【レース概要】

ペースは前後半フラットで馬群は団子状態。4年ぶりにBコース2週目での開催、さらに来週でしばらく開催休止となる阪神競馬場らしく直線はやや外有利の馬場状態だった。これは今年の阪神芝1600mが外枠有利になっていたことからもリーズナブルな推察といえる(※)。

よって近年見られたような「1400m質」なスピードは求められにくく、純粋なトップスピードが求められるレース。結果的には昨年の阪神JFと近い競馬になっており(2023年:阪神JF 46.4 - 46.2)、桜花賞もそのままワンツー決着となった。他の人気馬についてはレース前から課題であったレース前半~中盤での追走面で脚がそがれた形になった。

(※)2024年 阪神芝1600m 単40倍以下
枠  複勝率 複勝回収率
1~2枠 22%  82%
3~6枠 33%  88%
7~8枠 48% 117%


【各馬解説】

1着:ステレンボッシュ(モレイラ)
2着:アスコリピチェーノ(北村宏司)

結果的に3コーナーからの位置取りと、4コーナーでアスコリピチェーノが接触して外に膨れた分の差で能力的に大差はない。前述の通り阪神JFと似たレース質になったことがプラス要因で、両者とも折り合い面に不安がなく安定して能力を発揮できた。
例年、桜花賞好走組はオークスで軽視される傾向にあるが、それは近年の阪神芝コースが内有利の超高速馬場で、1400mでも通用するようなスピードを活かして好走してきたため(ex. コナコースト、ペリファーニア、ウォーターナビレラ、ナムラクレア、ソダシ etc)。
ただし今年の桜花賞はしっかりと中間緩んでからのトップスピード戦で、近年とは異なるレース質。つまり今年は桜花賞≠オークスとはならないと考えられる。
(ただしアスコリピチェーノはNHKマイルC出走予定)

3着:ライトバック(坂井瑠星)

最後方付近でスムーズに外に出して3着好走。気性的に危ういので揉まれず競馬できたことが良かったし、距離ロスなくスムーズに外に出せたことが好走要因だった。
以前から折り合いを欠くのはもちろん、パドックでホライゾンネットをつけたりクロス鼻革を使用したりといかにも気性的に危うい面を見せていた馬。ゆえに桜花賞は「これしかない」といった騎乗で、いろいろとかみ合った面が大きかった。
もちろん折り合い面は以前より進展が見られたので馬自身の成長もあるが、ここからオークスとなると課題が露呈しそう。ポテンシャルは間違いないが、オークスではオッズとリスクとをしっかり天秤にかけたい。

4着:スウィープフィート(武豊)

最後方からの競馬。直線は馬群の中を突く競馬で、進路確保に時間がかかるロスあり。ゴール前の脚は一番良く、上積みのある4着好走だった。
今回もやや折り合いを欠くような仕草はあったが、レースを経験するごとに成長を感じる内容で今回も許容範囲。結果的に直線馬群内をついたことで追い出し遅れになってしまったが、ラストの脚色も良く着順以上に評価できる内容だった。
オークスで距離延長となると前述の通り折り合い面での不安は残るが、引き続き武豊騎手が乗るのであればあまり心配はない。ライトバック同様に器用さを感じないので多頭数だと展開待ちにはなるが、ポテンシャルは上位2頭にヒケを取らないはず。

8着:クイーンズウォーク(川田将雅)

中団の馬群内。折り合いスムーズで直線は内を突くと、そこからあまり伸びずに8着敗戦。馬場的に外が良いので内を突いた分のロスはあるが、それでもエトヴプレを交わせない内容は物足りなかった。
これまで経験したレースの前半800mは
新馬戦:50.2秒
未勝利:47.8秒(逃げ馬と離れた中団)
クイーンC:47.1秒(ほぼ最後方)

となっており、レース前半で無理をしていない。
それが桜花賞では前半800mが46.3秒で中団追走なら、今まで以上にレース前半で脚を使った内容。陣営の言う通り、もっと距離があったほうが良いタイプになる。
もちろんオークスでは巻き返しに期待できるが、桜花賞で伸びない内をついたこと、そして何より陣営がオークス向きと公言していることで過剰に人気しそう。
2022年日本ダービーで皐月賞敗戦したダノンベルーガが1番人気になった事例を忘れてはいけない。

13着 チェルヴィニア(ムルザバエフ)

中団前の外目を追走。3、4コーナーは内から4頭分外を回しておりややロスあり。直線は伸びることなく、さらにラスト200mで挟まれてブレーキを踏む不利もあり13着大敗。ただし着差ほど悲観する内容ではなく、数字以上に評価できる内容だった。
クイーンズウォークと同様、過去のレースはすべてスローペースからの瞬発力戦のみで、桜花賞ではレース前半から追走に脚を使い良さが活きなかった。折り合い面の不安はないので、距離を伸ばしたほうが良いタイプになる。
兄のノッキングポイントは父がモーリスに変わったことで気性面に難があるが、そもそも母チェッキーノも牝馬ながら距離を伸ばしてOKのタイプであり、オークスでも2着に好走経験がある。
本馬も13着とはいえ不利がなければここまで負けていないし、オークスで巻き返しが期待できるタイプ。巷では「スローペース専用」と言われて人気が落ちそうだが、いくらスロ専でもポテンシャルがなければアルテミスSの内容では走れていないはず。人気急落なら次走こそ買い。

以下、その他の馬の短評

5着 エトヴプレ

番手からの競馬。前に壁をつくらずとも、折り合いは許容範囲。スピードを活かす競馬に徹したほうがいいので1600m以下がベター。

6着 ワイドラトゥール

後方インから、直線は馬場のいい外。ラストの脚は他馬比較で物足りない分、比較的能力は出し切った。追走で脚を使わない形がいい。

7着 セキトバイースト

外3先行。やや折り合い欠くも許容。直線は伸びる外にもちだし、流れ込む形で7着と能力通り。

9着 テウメッサ

後方で勝ち馬の後ろ。スムーズに外だすも伸び負け。しっかりとピッチも上がっていたので能力は発揮できた。上級条件だとトップスピードで劣るので上がりがかかる競馬のほうが良さそう。

10着 ハワイアンティアレ

スタートでやや挟まれて後方。直線馬群内から差して10着。どうしてもテンのスピードで置かれてしまうし、外回りの直線が長いコースだとトップスピードの持続力で負けてしまう。

11着 イフェイオン

中団の馬群内で強烈に折り合いを欠くロス。3コーナーで躓く不利あり。それでも直線は反応しており能力高く次走注目。

12着 シカゴスティング

番手後ろ。やや折り合いかく。直線で他馬によられてバランスを崩すロスあり(軽微)。流れ込むだけの競馬で、現状は力負け

14着 マスクオールウィン

後方。直線はスムーズに外に出すもノビズ。能力負けの形だし、直線は短いコースのほうが良さそう。

15着 セシリエプラージュ

3、4コーナーで内から4頭分外を回すロス。直線が短いコースや上がりがかかる競馬がベター。

16着 コラソンビート

番手後ろで強烈に折り合い欠く。距離延長ローテや連戦が響いたし、1400m以下がベター。

17着 ショウナンマヌエラ

スムーズに逃げ。能力負け。

18着 キャットファイト

番手インでやや折り合い欠く。体重も減っていたし、気性的に連戦が響いた。


【不利印該当馬】

●外
アスコリピチェーノ
セシリエプラージュ

●詰
スウィープフィート
チェルヴィニア

●カカ
イフェイオン
コラソンビート

(参考:不利印とは)


【次走以降の注目馬】

☆チェルヴィニア

→オークスで人気急落なら

☆イフェイオン

→1400~1600m

☆セシリエプラージュ

→直線短いコースもしくは上がりかかる競馬



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