会える

ドアを開けて風が砂を巻き上げるなか
すすむすすむ
カタカタ転がっていく靴がある
頬をかすめるガラスがある
絵の具も乾ききらない筆がとぶ
書きかけの便箋がバラバラ舞った
行く先は決まってる
待っている人がいる
捲き上る地面は木を星を砕いていく
学校に飾られた賞状も
家に持ち帰った金メダルも
ガラガラ一緒に砕かれる
それでも足はすすむすすむ
戻ってしまう恐怖がある
悔み、泣くのは生きているからだ
悔み、泣くのは死ねないのだ
待っているだ
行くのみだ

#詩 #会える

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