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鍼灸師を目指した理由

 随分昔の話から。

 中学生の頃、いじめられてる辛さを思い切って母と妹のいる時に言ってみたら、衝撃の展開に。

 泣きながらぽつりぽつりと言葉を紡ぐ私に放った彼らの言葉は、意地悪なクラスメイトの言葉以上に鋭く深く私に突き刺さるものでした。

"アンタの何かがイカンのじゃない?例えば給食配膳の時にお皿とか雑に置いたりとかしそうやん。そういうのは嫌な気持ちにさせてるわ。アンタはそういうところあるから。"妹はウンウンと頷き、"他にも…"と二人で私の欠点を並べ立て始めました。

 私は涙がぴたっと止まり、俯いた先の視界の一点を見つめることしか出来なかったのです。
彼らが私にしたかったことは何だっただろうか。私の助けになると思ってアドバイスしてやってるという気持ちだったのだろうか!

 この日以来、元々自分に自信がなかった私は、暗闇でもがくように生きてきたわけです。

 時には人の姿が怖くて道ですれ違う事が恐怖で外出できなくなったり、眠れなくなったり、人の目がナイフみたいに感じていたたまれなくなり、仕事中に号泣して早退したり、人の笑い声が全てわたしを嘲る声に思えてそこから避難しなければいけなかったり。

十年以上経過して、子どもの幼稚園のママ達との交流が必要な時になった時に限界に達し、とうとう心療内科のお世話になることに。
 でも薬だけでは頭がぼんやりするだけで、根本の解決にはならなかったのです。何年経っても薬が増えるばかりでした。でも、その時は薬がなければ、外を歩く事も眠る事もままならなかったので、薬のおかげで生きてました。

 ここまでは過去の話。今は、鍼治療の先生に体を調整してもらって結果、心まで楽になり、薬はもう何も必要無くなりました。三年以上服薬してません。

 心の絶望的な叫びはおさまりました。そりゃあ日々の子育てとか色々悩みはありますけどね。

 鍼の先生と東洋医学、そこに導いてくれた全ての存在に心から感謝しています。(それがきっかけで、今は鍼灸マッサージ師になるべく学生してます)


 振り返り思うこと。

 自分のちっぽけでなけなしの自尊心を家族から根こそぎ抜き取られた経験から、自己肯定感や自尊心が生きていくのにどれだけ大切かを身をもって知りました。そして、年月だけでは助けにならないと思い知りました。

 まだ苦しんでた頃のある時、その過去に苦しみ続けてる旨を母親に訴えたところ、彼女はこう言いました。
"そんなこと私言ったかね?そんな事あったかね?"

本当に忘れてたならば、それはそれで私という子が母親にとってその程度の存在ということになりますし、誤魔化しているとすれば、私と誠実に向き合う気などないよ、というメッセージしかないので、どちらにしても救いはなかったわけです。


 私の夢がしっかりと根付いて、熱い気持ちで将来に向かって今進めていけるのはある種、彼らのお陰です。
 いじめをした人や私の家族がそんなだったからこそ、辛くて苦しい人の助けや支え(というとおこがましいですが)、少しでもヒントやわずかばかりでも光になれたらと願ってやみません。

私は、体も心も大事にする鍼灸師になります!

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