肝細胞がんに対する重粒子線治療(第1相試験の長期成績)

Hong Z et al. Cancer Sci. 2022. PMID: 36310409


<背景と目的>
・今回の研究では肝細胞がん(HCC, hepatocellular carcinoma)に対する重粒子線/炭素イオン線治療(CIRT, carbon ion radiotherapy)の実行可能性を評価し、線量増加により最大耐用線量(MTD, maximum tolerated dose)を決定すること。


<対象と方法>
・重粒子線治療/炭素イオン線治療は10分割照射で、総線量を50 Gy(RBE)→60 Gy(RBE) → 65 Gy(RBE) → 70 Gy(RBE)と増加させた。


<結果>
・腫瘍サイズの中央値は4.3 cm(1.7-8.5 cm)。
・経過観察期間の中央値は56.1ヶ月(5.7-74.4ヶ月)。
・70 Gy(RBE)まで線量増加を行っても、線量制限毒性(DLT)の発生を認めなかった。
・重粒子線治療後6ヶ月以内に放射線性肝障害(RILD, radiation-induced liver disease)の発生を認めなかった。
・重粒子線治療後の全生存率は、1年 91%、3年 82%、5年 67%。
・局所無増悪生存率は、1年 100%、3年 94%、5年 94%。
・無増悪生存率は、1年 74%、3年 59%、5年 37%。


<結論>
・肝細胞がんに対する治療としてペンシルビームスキャニング法を用いた重粒子線治療を用いることは可能。




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