J2第8節 ~アビスパ福岡vs横浜FC~ マッチレビュー【連勝はならずも内容はまずまず、初の関東アウェイ勝ち点1】

1.挨拶

どうもハラショーです。
前節の栃木戦は非常によかった試合でした。
千葉戦の敗戦以降選手達に火がついてますね。

今節は残念ながら引き分けに終わりましたが悲観する必要はあまりないと思います。あえて言うなら石津が足を痛めたのでそこの状態が気になるとこではありますが…

それでは横浜FC戦を見ていきましょう。

2.初めに

前回の分析同様5レーンをちょっと用いてフォーメーションを見ていきます。分からない用語があればなるべく答えるつもりですが調べてもらった方がいい回答を見れると思います。

3.スタメン

前節スタメンだった石津がベンチに、ベンチにいた前川がスタメンに名を連ね4141ではなく4231でのスタートに。

対する横浜FCは前節のスタメンの伊野波、松浦がベンチ外。藤井、瀬沼がベンチに。ベンチ入りしていた安永、レアンドロドミンゲス(今後はレドミと読む)、斉藤がスタメン。ベンチ外のキングカズこと三浦知良がスタメン入り。システムは3421でスタート。

4.アビスパ福岡と横浜FCの狙い

アビスパ福岡

ボール保持時
・SBを高い位置に保って相手を押し込む。
・左サイドは輪湖、田邉、前川らのコンビネーションで攻略、右サイドはシンプルにロングボールorワンツーで攻める。

ボール非保持時
・高い位置から圧力をかけることが基本
→実際は圧力をかけられず、城後がアタッキングサードに侵入する直前で未然に防ぐシーンが多い。

横浜FC

ボール保持時
・前半は1トップ2シャドーを中心にカウンターを仕掛けていく。後半はイバ、戸島らを投入して、ロングボールを放り込むorサイドからクロスを送りこみ空中戦を仕掛ける。

ボール非保持時
・523ブロックを敷き、中央へのパスコースを限定する。アタッキングサードに侵入する直前で個々が選手らに対応する人海戦術。

5.前半の展開(アビスパの攻撃)

アビスパはダブルボランチの惇と城後が後方に下がってくる。または横浜FCの1トップ2シャドーの間に前川が入る形で中盤までボールを持ち込みサイドに展開、左サイドは輪湖、田邉、前川のコンビネーション(たまにヤンドンヒョンも絡む)、右サイドはシンプルに松田、實藤への裏のパス、またはワンツーを狙う形で崩しにかかります。

まずはビルドアップの図式からいくつか形はありますが、前半だけでもこれだけ確認は出来ました。

①惇が中央に下がり三國、篠原が外に広がる。
②城後が中央に下がり三國、篠原が外に広がる。
③惇が左CBの位置に入り、三國が中央、篠原が右に入る。
④惇と城後が両方下がり、前川がボランチに入る415システム

といったいくつものパターンを用意してきました。これらをざっとまとめると以下の画像になります。

ビルドアップのパターンを複数用意した理由は

①1トップ2シャドー(レドミ、カズ、斉藤)のプレスを躊躇わせる。圧力を弱める。
→ミドルサード(中盤のエリア)への侵入率のUP。

②的になりやすい惇を中央だけでなく別ポジションに移動させるオプションも用意することでプレスの的になりづらくする。

この2つが理由と思われます。

ビルドアップの出口をサイドバックに設定し、横浜FCの3枚に対しCB、ボランチ、前川と協力して的を絞らせないビルドアップを行うことでサイドバックにへの供給回数を増やすことに。三國が判断に迷うことが多く高い位置でカットされるシーンが度々ありましたが彼から鋭いパスが出た時には高確率でチャンスを作ることが出来ていました。なんで今回迷ったプレーをしてたんだろう…

その結果アビスパの左サイドから背後を突き度々チャンスを演出できていました。その例を2つ(例1,例2)紹介させていただきます。

例1.前半8分

輪湖→ヤンドンヒョンと繋ぎ右CBの乾を引き付けて田邉へパスし走り込んだ輪湖へとパスしようとする場面。ここは田代が察知してスペースを埋めたこと。北爪が縦のコースを切っていたためパスを出せなかったが乾の背後を狙っていたことが分かります。

例2.前半12分

三國→田邉→鈴木惇→前川へとダイレクトで繋いで輪湖→赤枠に走ってきた田邉に送って赤のスペースを攻略する形。前川が乾を食いつかせながらドリブルし、輪湖に渡して開けたスペースを狙う形。

ここは北爪が察知し中に絞ったためうまくいかなかったが乾の開けたスペースを攻略しようという狙いのプレーをしていたことがわかります。

このように何度か左サイドからコンビネーションでスペースを作り出し狙うシーンが見られました。

チャンスは演出できていたがその色をより濃くするため(守備面での理由もあるが後述)に前半30分あたりから城後をアンカーにした4141へと変更。中盤での攻守のタスクをハッキリさせると共に攻撃時に前線とインサイドハーフの枚数を調整し横浜FCの5-2のブロックに対し数的同数になるように配置。乾しか食いつかずに裏をカバーされてしまう現象をなくすために北爪も食いつかせて更に裏を取りやすいように攻めていきます。その例が前後半1回ずつ(例3,例4)ありましたのでそちらも紹介させていただきます。

例3.前半35分

輪湖→前川→田邉と繋いでボールを前川が拾ってかっさらう形。この時輪湖が乾の開けたハーフスペースにランを仕掛けています。前川が大外にボールを持っていったためハーフスペースに人がおらずそこに走り込んでいるところを見ると、レーンを活用した攻撃ができていると言えますね。北爪も食いついてきたため背後スペースに侵入出来ました。横浜FCの選手らの守備対応が人海戦術なのもあって人への食い付きが強くよく背後にスペースを作ってくれますね。

もう1つの例は後半のアビスパの攻撃項目をどうぞ。

6.前半の展開(アビスパの守備)

アビスパは中央では城後が門番の如く君臨し攻撃を許さなかったのですがサイドの裏のスペースを活用されることが多かったりしました。どうしてもサイドバックを保ちたいのがアビスパの生命線と言ってもいいくらいなのでそれのデメリットの部分でもあります。

だいたい裏に走っていたのは斉藤でした。そこに右は北爪、左に袴田が絡む形。カズとレドミの年齢とプレースタイルを考えると彼を走らすしかないのが理由ではありますがアビスパに脅威を与える存在だったと思います。

カズとレドミは動かない分ラストパス又はフィニッシュの局面には必ず顔を出させるというのが横浜FC。前半はあまり保持する機会はなかったがアビスパのCB2枚と横浜FCの1トップ2シャドーの3枚で数的優位が作れているのでフリーの選手が生まれやすくアビスパがポジション修正を行うまではアタッキングサードに侵入する回数は多かったように見えます。

アビスパのポジション修正の詳細は先述の城後アンカーでして、守備タスクの整理を行うことによって彼が躊躇うことなくプレスをかける環境になったことは大きなプラスになりました。かける対象はレドミまたは斉藤で、彼らがボールを保持すると体格差を生かして圧力をかけて奪う。その奪い方は威圧感すら感じる出来だったように見えます。

7.後半の展開(アビスパの攻撃)

後半に入り三國→石原とメンバーが変わったもののシステム変更でアタッキングサードまで侵入できていたので攻め方は変えずに継続路線で対応。これによりPK獲得のきっかけとなる左サイドからの崩し(例4)が生まれます。

例4.後半10分

輪湖→前川→輪湖と繋いで北爪を引きつけ、田邉が貰いに来ることで乾を引き付けて背後に広大なスペースを作り出し、田邉に渡して前川がかっさらう形で例3と同じパターンでチャンスを作り出してPKのきっかけのプレーに繋がる形になりました。

途中から横浜FCのシステム変更により守備に追われるシーンが多くなりますがここでアビスパも黙ってるわけにはいかず、ドゥジェを投入し541で耐えつつ一瞬のスキを突いて少ないチャンスにかける方向に舵を切ります。

ただ石津が怪我で動けなくなってしまったのが誤算で時折SBの石原、輪湖が攻めあがるもゴールを割るには至りませんでした。

8.後半の展開(アビスパの守備)

後半から横浜FCは勝負に出てカズに変えてイバ、北爪、安永に変えて佐藤、戸島を投入し、アビスパが4バックの形になっている所に目をつけ、確実に1対1の状況で対応できるように4222のシステムに変更し、空中戦を中心に攻めてチャンスを演出する方向に舵を切りました。

これに対しアビスパは三國が精彩を欠いたことによる選手交代で高さを失い、終始空中戦勝負を迫られ主導権を奪われてしまいます。

具体的にどういうことをしてどのような効果が横浜FCにあったのかと言うと

①2トップ化することで實藤と篠原をマンツーマンにつかせる形にして前に出れなくする。
②城後の両脇に選手を配置して城後の対応を遅らせる且つ多忙化させる。
③レドミと斉藤に誰がつくのかを迷わせる且つ相手を引き付けて上がってきたサイドバックを活かす。
④サイドにボールが渡った時にアビスパの選手はスライドして対応するので空中戦に難のある輪湖、石原に対してイバor戸島の高さがぶつけられる。

これらの効果が横浜FC側にありました。

特に厄介だったのが斉藤とイバ。斉藤は4222に変更したため。前半獅子奮迅に走り回り門番として君臨していた城後が彼+イバの空中戦勝負のサポートと対応に追われて体力を消耗するハメに。イバは高さだけでなくドリブルスキルも高い能力を持ち、真ん中に構えるだけでなくサイドに流れてドリブルしたり、ポストプレイをこなしたりともはやチートクラスのプレイをバンバン繰り出しアビスパのDF陣をサンドバック状態へと追いやりました。結果アビスパは耐えきれずクリアミスもあってかPKを献上してしまい失点。footballlabさんの去年のイバのデータを見ても鬼畜ぶりが伺えますね。J1にステップアップしてくれと対戦する度に思います(笑)

DF陣の中でも輪湖は新潟のvs矢野、千葉戦のvsゲリアと空中戦でここ数試合苦しめられてきて、持ち前の攻撃力を奪われる傾向がありました。今回は戸島とイバに…

ただファビオも黙っているわけではなくある手を打ちます。

終盤にドゥジェを投入し541を形成し、空中戦を耐えつつボールを拾えたらすぐカウンターを狙っていくという、前半のパスを繋いで相手をずらしていき、相手の裏を取るカラーとは別の角度で対応。

こうすることで

1.ボランチが誰にマークに着くのかがハッキリするうえWB化した輪湖、石原で挟み込みも狙える。横浜FCのサイドバックがオーバーラップしてもマークができる。
2.空中戦でやられる可能性を下げる。
3.サイドにボールが渡っても石原、輪湖が空中戦勝負を仕掛けられる回数が減少する。

これらの効果が得られました。

普段はおそらくやっていなかった形のためドゥジェが最初ボランチに入ってしまいチームが混乱してしまいましたが、チーム全体に意図が伝わるとアビスパの選手達はなんとか対応し、終盤耐えに耐え切って勝ち点1を獲得出来ました。

9.両監督の交代の意図

アビスパ福岡 ファビオ・ペッキア監督

46分 三國→石原
前半精彩欠いていた三國を下げて右サイドバックに投入するため。これにより、實藤篠原がポジションをスライドする。

70分 田邉→石津
個で打開できる石津を投入して変化をつける。ただ石津が怪我で動けなくなってしまい、打開する手段が減ってしまった。

74分 前川→ドゥジェ
イバ、戸島と立て続けに高さのあるカードを投入した横浜FCへの対策。最初ボランチに入ったが指示直後CBでプレー。

横浜FC タヴァレス監督

52分 三浦→イバ
疲れている三浦に変えて高さという武器をアビスパのDF陣にぶつけるため。この采配自体はカズの運動量から考えても試合前から決めてあったと思われる。

61分 北爪→戸島、安永→佐藤
戸島の高さをイバに続いてぶつける且つシステム変更を図るため。三國が外れてしまい、ドゥジェが入るまではずっとイバと戸島の高さに苦しめられてきました。

10.ポジ要素と課題

ポジ要素

1.左サイドはコンビネーションで流動的に崩せるようになってきた。人海戦術を採用するチームにはより効果を発揮する。

2.今回はドタバタしてしまったが5バックというオプションが試せた。今後も増えてきそう。

課題

1.城後の代えが良くも悪くもききにくくなっている。なんだかんだで33歳になるので無理はさせられない。消耗しやすい夏場にどうなるか。補強はありそう。

2.DF陣が空中戦に不安を残す。特に輪湖の所は攻撃の開始地点にもなるのでそこに守備タスクを押し付けられると攻守において停滞しやすくなる。

11.最後に

ここ数試合見てると上背のある選手が出てくると手こずってますね。今回は最後にドゥジェを投入したことでなんとか…

ただ三國がピリッとせず前半で下げざるを得なかったことと、石津が交代枠で入って足を痛めてしまったという誤算が生じる中で、アウェイで勝ち点1を持ち帰れたことは悪くないと思います。

言うなら前半押している段階で点を取れていたらというところですかね。前節も押しに押していた前半は0点でした。

チームが今年のノルマをJ1昇格にしているかどうかは不透明ですが仮にそう設定しているのであれば優勢な時に確実に点を取る力は必要になってくると思います。

徐々にチームの形が出来つつあるのでそうなるのは時間との勝負なのかもしれませんね。

次節は町田戦、昨年一昨年とホームで苦しめられてきた相手でアビサポのトラウマの中島もいるという怖い相手。勝利にためにはサポーターの声援が絶対必要だと思います。関東のアビサポに負けない、いや、それ以上の声援を選手に送って勝利の喜びを分かち合いましょう!

以上

( ー̀εー́ )ブッブーデスワ!!
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ハラショー

アビスパ福岡 マッチレビュー 2019シーズン

2019シーズンのアビスパレビュー
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