J2第6節 ~アビスパ福岡vsジェフ千葉~ マッチレビュー【ホーム3試合勝ちなし!無得点!光明はファビオの引き出しの多さのみ…?】


1.挨拶

どうもハラショーです。
新元号が発表されて様々な意見が飛び交うSNS。
どんな意見があるにせよ面白いなあと思って眺めております。

一方でアビスパはホームで勝利を掴みたかったですが勝てず…勝てなかったことも問題なのですがシュート2本(DAZNは5本)という悲惨さもあってかサポーターもブーイングの嵐…仕方ないね。前半悪くなかっただけに…勿体ないなと。

令和から本気だすのかな?

というわけでジェフ戦見ていきます。

2.初めに

前回の分析同様5レーンをちょっと用いてフォーメーションを見ていきます。分からない用語があればなるべく答えるつもりですが調べてもらった方がいい回答を見れると思います。

3.スタメン

アビスパは433で前節勝利を掴んだスタメンと変更はなし。課題こそあれど初勝利で自信を掴んだであろうメンバーを起用してきましたね。

ジェフ千葉は前節同様3421を採用。
前節負傷したアビスパキラー船山と小島がベンチ外でその穴に矢田と工藤、試合直前に佐藤勇人が負傷した影響で田坂が入っています。
前節スタメンだった為田はベンチ入りしてスタメンに堀米を起用。
怪我人の多さや監督交代などドタバタしてますがなんやかんやで選手層はある感じがします。

4.アビスパ福岡とジェフ千葉の狙い

アビスパ福岡
攻撃時

・ポゼッション時には415を形成し、ジェフの5バックを前の5人のコンビネーションで崩していく。

・カウンター時には鈴木惇から一気に縦パスを裏に送り、スピード勝負に持ち込む。

守備時

・奪われたらディレイをかけて前線の選手の戻りを待ち。戻り切ったら451ブロックを形成して守る。


ジェフ千葉

攻撃時
・ポゼッション時は325を形成し、アビスパのDF4枚と前線5枚でミスマッチを作る。
→前線の数的優位をいかしてマークを迷わせる。
・カウンター時はアンカー脇のスペースにいるシャドーにボールを渡し一気に前進する。
→アンカーシステムの泣き所を突く。

守備時
・541ブロックを作りドン引きするのではなくやや高い位置で守る。
→WBをアタッキングサードまで上げて速くミスマッチの状態を作りたいため、低い位置で守らせないようにする。


5.前半の展開(アビスパの攻撃)

アビスパは守備時に541or523を形成しかつやや高いジェフのラインを崩すために、相手守備の裏とスペース作りにねらっていきます。

そのために攻撃時に5トップに近い形を作り、コンビネーションで崩す作戦に、石津、松田、前川、田邉が流動的に動いて5バックにスペースを作ろうとしてました。

GK-CB-惇で菱形を形成し、ボランチが食いついてきたところをサイドバック、センターバックに展開し(主に輪湖)、インサイドハーフの田邉、前川に縦パスを預けて展開していくが、輪湖と篠原は鋭いパスをいくつか供給できていたと思います。そこからコンビネーションで崩すシーンも多くその例を3つ挙げてみます。

例1.前半2分頃、輪湖が前川に縦パス、前川が新井とゲリアを引き付け石津に落としてそこからチャンスを作りかける。今回は石津がヤンドンヒョンの足元を狙ってしまったためチャンスにはならなかったが裏のスペースを作る動きを前川がしてくれました。

例2.前半10分頃、ビルドアップでセランテスから田邉にボールが渡る。田邉からヤンドンヒョンがボールを受け取りキープし田邉が大外のレーンに走り込む。この時外にいた石津が中にランする動きを見せて、一瞬相手を食いつかせることが出来たためサイドにスペースが空いた。下平はサイドに戻るも田邉は前を向いてプレーできているためパスコースを探せている。ただ中にパスを送り石津に渡るも防がれる。

例3.前半11分頃。篠原から惇→實藤と展開し前川にパス。前を向いてCBを引き付けて裏にパス。下平がカット狙うも取れず。ただ田邉も間に合わずボールがラインを超えてしまったがこれも狙っていた形と思われる。

6.前半の展開(アビスパの守備)

ジェフのビルドアップ時は325を形成し、福岡のDF4枚に対し数的優位を確保すると共にミスマッチを起こしてマークを混乱させようという狙いだった。アビスパも中盤に5枚を並べて、パスを入れさせないよう対抗する。

上の図がジェフの想像している守備のミスマッチで下の図がアビスパ側が狙う中盤でのパスカット。ただ中盤の選手らはパスコースを切るようにプレスをかけきれずに通される場面があったように見える。

そしてジェフは左サイド・中盤でボールを持ちながら石津・輪湖のサイドにボールを放り込みゲリアという高さ(184cm)で優位を持つ選手を使って制空権を得たり(新潟戦で矢野が投入されたのと同じパターン)、人数のミスマッチをいかして三國・輪湖の間のスペースに堀米を走らせたりしてきました。


カウンター時にはアンカー枠に配置したシャドーの選手にすぐ配給し、一気にドリブルを仕掛けて攻め込んできたりと2シャドーの堀米、工藤は驚異であり続けていました。アビスパの選手らは終始シャドーの選手を誰がケアするのかがはっきりしておらず、結果、惇の負担が増大してしまっていたように見えます。

7.後半の展開(アビスパの攻撃)

後半になってからはボール保持率が逆転しボールを持たれる展開に。

ファビオはハーフタイムに指示した裏を狙うため、石津に代えてミコルタを投入するも、ミコルタが意図を理解していなかったのか足元で貰おうとする場面か多かったように見えます。輪湖、三國、鈴木惇らが左サイドの裏にボールを出すもミコルタとの意思疎通が全くできておらず、前半にあったコンビネーションで崩すシーンは鳴りを潜めてしまった。

立て続けに裏抜け要因の石原、前からプレッシングをかける城後を投入するもチャンスを作るには至らず敗北してしまいました。

試合後のコメント(J公式の選手レポ)でも
石原「背後の意識を持っていたがチームとしてまとまりが足りない」
という言葉の通りチームの狙いが後半は共有できていなかったかと。

8.後半の展開(アビスパの守備)

後半の途中からジェフは茶島と佐藤寿人を投入し3412or3142を使い分けてアビスパの守備を後手に回らせる作戦に。これによりアビスパのインサイドハーフが守備に追われる展開が多くなりファールが増えてしまった原因にもなった。
ロングボールも精度を欠いて攻撃へと切り替えようにも切り替わらない状態になりサンドバッグになってしまった。ヤンドンヒョンもウェリントンのように強引に納めるタイプではないので競り合いでもあまり勝負できなかった。

特に茶島のドリブルには手を焼いて、守備力に欠けるアビスパの中盤では奪えずアタッキングサードまで運ばれてしまった。

失点の場面

失点シーンに関してはセランテスが左利きの矢田が蹴るというイメージを70分のFKで植え付けられてしまったため、右から巻いてくるキックが来るという予測はできていなかったように見える。ファーも狙われる可能性があると思ったのかちょっと右寄りに立ってしまったが茶島を褒めるしかないのかなと思います。

失点のきっかけのファールを犯した輪湖ですが、ラフなプレーがちょっと多かったのは反省かなと…前半43分頃にセルフジャッジをしてしまったり、後半途中にアランに過剰なチャージをかけたりとイライラするシーンがありました。

10.両監督の交代の意図

福岡 ファビオペッキア監督

61 石津→ミコルタ
スピードのあるミコルタを投入しシンプルに裏を狙うため。ただ本人がわかっていなかったのか連携不足を露呈。足元で貰うシーンが多く、後半のブレーキの一因になってしまった。

71 前川→石原
ミコルタ同様裏を狙うため。何本かパスが渡りかけるも脅威にはならなかった。この時松田がインサイドハーフに入る。

80 田邉→城後
前からプレッシングをかけて高い位置でボールを奪うため。

千葉 江尻監督

64 工藤→茶島
思えばこの交代がアビスパにとっては脅威でした。中盤でボールを持つと一気にアタッキングサードまでボールを運ばれてしまう。FKまでも決められ完全にやられたと思う。

69 堀米→佐藤寿人
3142、3412へシステム変更するため。CBからのパスを封じ込めて高い位置でハメていく。

90 矢田→鳥海
DFを増やして逃げ切りを図るため。

11.アビスパ福岡のポジ要素と課題

ポジ要素

1.6試合終わったが、その中でビルドアップのパターンが複数用意されていた。3313,415etc…

課題

1.選手との疎通が上手くいかず、後半の交代が意図こそあれど結果的に悪手になってしまった。
2.輪湖、石津の裏を新潟戦同様狙われだしている。高さもここにぶつけられてしまうため。守備に追われるシーンも多々。
3.中盤、前線で上手くプレッシングをかけれる選手や奪える選手が不在。
→アタッキングサードまで簡単にボールを運ばれる原因になっている。J公式の選手レポートでも三國が奪われてからカウンターの形を何回か作られたことを指摘。
4.この記事では触れていないがアンカーの惇のポジショニングが…縦は動かなくていいので横の意識を。

12.最後に

いかがでしたか?

チームの不振の影響がそのままサポーターにも影響してきてますね。まだ始まったばかりとはいえこのままだとズルズル行く可能性は高いかなと思ってます。

ただこんな苦境はアビスパは何度も味わって来ました。次は今回のジェフの選手以上に執念を見せて欲しいと思います。中3日で栃木と戦うことになりますが頑張って…まだまだ先は長い…

以上