【無料音源】おきゅぱい【解説】

我々とばりが始めてレコーディングをした音源。サウンドの特徴としてはシューゲイズ+日本語ロックの切なさといったところでしょうか。特別難しいことはしていないけれど、なぜか胸を締め付けられる、そんな感じの曲になっていると自負をしております。ちなみにとばりの曲の中で、結構いい反応がある曲でもあります。それでは以下歌詞とその解説。

【歌詞】

厚い雲が泳ぐ 温い季節は訪れて
枯れていたはずの花が色づいて 私を誘う

目を凝らしてしゃがむあなたは
私を無視して花を眺める
遠回りして歩く旅の風景

「なんだろう」って首を傾げるあなたはどこへ
「知らない」って答えた私は今でも座って

独りよがりと堂々巡りの交換日記は結局飽きて
先の見えない不安より見える負担の方が大きくなって
独りよがりと堂々巡りの言葉遊びはおさまらなくて
示し合わせて何も言わずに不条理を受け入れたふりして
独りよがりと堂々巡りの頭の中はぐちゃぐちゃになって
斜に構えて前を見ないで置いていかれたままの日々を

「またね」って手を振るあなたを 追いかけ 転がって
「行かないで」って叫んだ私は 惨めに泣いて
「何だろう」って首を傾げるあなたはどこへ
「知らない」ってこたえた私は今でも座って

【解説】

ずばりテーマは「後悔」です。ストレートな「私」と「あなた」の物語なのでそんなこと言われなくても分かるよ!と思われるかもしれませんがもちろん単純な物語の裏には知られざる思いがあるわけでして…。その裏テーマとは「過去に蔑ろにしてきた選択肢を思って後悔する」というものです。この歌詞の中でのキーワードは「私」と「あなた」と「花」です。「私」は「私」として理解してもらってもいいのですが、「あなた」は「過去の自分」として、「花」は「夢」や「目標」の象徴として使っています。

僕は小さい頃から作文とか進路とかで「将来の夢」を考えるのが苦手でした。自分のなりたいものやどう生きたいかというのが全くなかったんです。いつもその時その時で適当なことを言って茶を濁してきました。小学校の作文くらいならそれでよかったかもしれないけれど、高校や大学進学のときなんかはもっと真剣に考えればよかったと今でも後悔しております。(でも、その進んだ先で出会った人たちや物事はやっぱり大切なんですよね。)そんな後悔をこれでもかと詰め込んだのがこの曲の歌詞なのです。

引くぐらい女々しいですよね。でも、僕はこの歌詞すごく好きなんですよね。言いたいことが言いたい形で言えてるので気に入ってます。皆さんにも各々の物語を投影してもらって気に入っていただけたら幸いです。


ー 僕は今でも「なんだろう」って素朴な疑問を蔑ろにしてしまったこと後悔しながら生きているのだ。ー


読んでくださってありがとうございます。サポートしていただいたものは、読みたい本がいっぱいあるので、基本的に書籍代に当てたいと思っております!