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ニートってなんだと思う?〜「働く」ってなんですか?(NPO法人育て上げネット)を読む〜

どうもお久しぶりです。とばりのカシオです。

皆様、覚えていらっしゃるでしょうか。

更新が滞っていましたが、僕がその間、何をしていたかと言いますと、「就職活動」をしていました。

「え?働いてなかったの?」と思われるかもしれませんが、一応フリーターとしては働いていたのです。しかし、やっぱり正社員の仕事が欲しいと思い、就活をはじめたのでした。結果は「就職できました!」です。そこで、今回は、自分がなぜ就職していなかったのか、その時どう思ったのかについてお話をしようかと思います。すこしだけ、お付き合いをよろしくお願いします。

僕は2013年に大学を卒業したときに就職はしませんでした。それはなぜかというと、「自分に自信が持てなかった」からです。僕は大学生活中に小さな挫折をたくさんしてきました。大学デビューに失敗したり、大学の勉強についていけなくなったり、大学で出会う人々の凄さに圧倒されたり、人間関係が泥沼になって死ぬ寸前にまでいったことがあります。結局はその挫折も、友人の助けや自分の努力で、なんとか乗り越えました。しかし、いざ社会に出なければならなくなったとき、不安が膨れ上がってしまったのです。「周りの人間は小さなころから努力して、実力を蓄えているのに、自分はその中でやっていけるか?」とか、「人からの評価を真摯に受け止められるだけの精神力を今は持ち合わせていない、、」とか、いろんな感情が心の中で暴れ回っていたのです。そして、「とにかく今は社会に出ることは無理だから、“二年間だけフラフラしよう”。」と漠然と思ったのでした。そこから、二年間のフリーター生活に突入することになります。

二年間のフリーター生活は端から見たら悠々自適な生活に見えたかもしれません。バンド活動を続けていたし、もともと高校の頃からずっと働いていたアルバイト先もあったので(結局8年間もそのアルバイトを勤めたことになります。自分でもすごいと思う。)、ちょっとなら遊ぶ金もあります。途中から友人の弟の家庭教師も始めて、ぱっと見はやっぱり超充実した生活です。でも、心と頭は不安でいっぱいでした。

もともとバンド活動をしているのは音楽が好きで、歌うのが気持ちいいからというのもありますが、「趣味がないとこの先きっとしんどいだろう。何か人生の軸になるものを作っておかないといけない」という様な、焦燥感からやっていた面があります。また一人になると「この先どうなるんだろう。自分は生きていけるのか。」という不安が襲ってきて、苦しい日々が続いていました。

正直、他人から見たら甘え以外の何ものでもないかもしれません。僕もそう思います。「みんな辛いんだから、お前も頑張れよ」と自分で思っていました。でも、ダメなんですよ。身動きが取れないんです。頭が不安でいっぱいになって、何も手がつけられなくなってしまうんです。そして、そんな毎日を送りながら、二年目の終わりが近づいていました。

2014年の12月ぐらいになると不安がピークに達していました。バンド活動では歌いたいことが見当たらないし、上手く歌えない。友人たちは新たな人生のフェーズに進んでいるのに、自分は停滞したままだ。

「このままではまた死んでしまう!」

そう思い、自分の誕生日の12/10に就職相談所の扉を叩いたのです。

そこからはあれよあれよという間に就職が決まりました。就職できるのかという不安はどこへやらという感じです。まぁ、あまりにも急いで決めたためにここでほんとによかったのか?というのは少なからずあるのですが、、自分の直感を信じたいと思います。笑

なにはともあれ、3月の後半から研修をし、4月から業務を開始している次第です。そうして、その間はどたばたしていて、noteの更新ができなかったわけです。

さて、自分の不安は完全にはなくなっていないものの、少しは楽になったと思います。が、二年間何がそんなに不安だったのだろうと思うことがあります。もちろん自信をなくしていたから、というのもありますが、結局のところ、「安定した職のない不安感」が大きかったように思います。

「安定した職」という言葉に含まれているのは、

①経済的な自立ができること

②自身の成長ができること

③社会保障が確保できること

といったことです。バイトでは経済的な自立をすることも、社会保障を確保することもできません(今は少しずつ変わっている面もありますが、まだまだ頼りないことが多いです)。責任のある仕事も任せてもらえないので、成長することもできません(これも人それぞれな面がありますが、、)。経済的自立も、自身の成長も見込めないとなると、将来に対する希望を持つことができなくなってしまいます。そして、不安が大きくなり、また身動きができなくなって、、、と負のスパイラルに陥ってしまうのです。

もちろんそれは職がなくても得ようと思えば得られます。むしろ、何が起こるか分からない世の中ですから、それらを一つの職に求めるのは危険かもしれません。ですが、それらを得られるきっかけなり、基礎になるものは、誰もが必要だと思っているはずです。

「結局お前は何が言いたいの?」と、そろそろいわれてしまうかもしれませんね。

僕が言いたいのは「安定した職が無い人間の中には、進んでその選択をしてるわけではない人もいるんだ」ということを知ってほしいということです。

不安で身動きが取れなくなっている人がいる。その人は本来なら普通に働けるかもしれないのに、きっかけがないから働けないでいる。そういう人たちがいることを頭の片隅に置いておいて欲しいのです。世の中は、ニートやフリーターに対して、傷口に塩を塗る様な言動で溢れています。その言動がさらにニートやフリーターからやる気を奪っているかもしれないということを、多くの人に、肝に銘じて欲しいなと思います。

また僕はニートというのは「川の淀みに捕まった葉っぱのようなもの」だとも思っています。世の中というのは、大きな川の流れみたいなもので、多くの人はその流れに上手く乗って生活しています。しかし、川の流れというのはところどころに渦や淀みが出来ていて、そこに嵌ってしまうと抜け出せなくなってしまいます。その淀みに捕まってしまった葉っぱが、ニートです。しかし、だれかがその葉っぱをまた流れに乗っけてやれば、進むことができるのです。僕が就職相談に行って、職を見つけることができたように。だから、もっとその「葉っぱを元の流れの中に戻す」取り組みが増えれば良いなと思います。

とはいえ、仕事についてまだまだ日が浅く、自分がこれからどうなるか分からないので、まずは日々の業務を丁寧にこなしていきたいと思います。とりあえず3年頑張ろう。

以上、「自称ミュージシャン」から「週末ミュージシャン」へとジョブチェンジした、カシオがお相手しました!

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「働く」ってなんですか?は、若者の就労支援をしているNPO法人育て上げネットが出版した本だ。実際に育て上げネットで支援を受け、働きはじめている人たちのインタビューをもとに、「働く」とはどういうことなのか、ということに迫っていく。それぞれが支援を受けるまでの過程や、実際に働きはじめるまでのストーリーは、身につまされるものがある。無業であることに悩んでいる若者や、その親の人たちはもちろん、「働く」ことに疲れた人たちにも読んで貰いたい一冊だ。

参考webサイト: http://www.sodateage.net

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蛇足:とばり/大人になってく

この動画は全てが勢いで制作された、若気の至り爆発な作品なのですが、自分の言いたいことが言えている曲でもあるので、ぜひ聴いていただきたい。周りの人が必要以上に魅力的に映るときは、もしかしたら思い悩んでいるときなのかもしれませんね。




読んでくださってありがとうございます。サポートしていただいたものは、読みたい本がいっぱいあるので、基本的に書籍代に当てたいと思っております!