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高い所に手が届かない問題は、きちんと解決しなければならない理由



50肩になってから、腕が上がらないために上の棚が使えない不便が家のあちこちで発生していました。
どうしたものか・・
ということで、私が実践したことと、この問題をなぜ解決しなければならないかについてお伝えしたいと思います。(脚立のみアフィリエイトです)

特に後半は、50肩の方はもちろん、高齢の親御さんのいる方には、ぜひ読んでいただきたい内容となっています。


高い所問題、解決策❶脚立


ひとつには、脚立買いました。
脚立を買った目的は、高い棚へのアクセスというよりは天井の照明器具やエアコンに手が届くようにという方が大きかったです。

なぜなら、棚の物を出し入れするために脚立を出すことをしないと思ったからです。それよりも物を減らして、手の届く範囲に収納を納めたい。そう思っていたので天井に手が届く脚立を探しました。

脚立選びの最重要ポイントは2つ。
1つは重さです。あまりにも重くて移動が大変だと、それだけで億劫になってしましますよね。ですからできるだけ軽い物を選びました。

2つ目は高さです。今回、脚立を買おうと思ったきっかけは50肩で腕が上がらなくなったためです。私の場合は肩の調子が良い時で、手の最高到達点は自分の頭の高さ程度です。しかも、腕を揚げたまま作業をしたり、多少の力仕事をすると考えると少し余裕があった方が使い勝手がいいだろうと思いました。

漠然としたニーズ分析はできたのですが、実際にショップを見ると迷いました。

普通は3段くらい? でも、本当に天井に届くかな?

そこで実際に似たような高さの物に乗って、天井に手が届くかを試してみました。3段に近い高さはありませんでしたが、天井から何センチ下まで手が届くかを計測。すると、5センチ以上足りないことがわかりました。4段のおおよその高さは、テーブルと同じくらいでした。そこで、テーブルに乗って試しました。すると頭が天井につかえる状態で、手が天井に届きました。これなら作業もできそうです。

この実験の結果、4段を購入しました。
これで家の中で届かない場所がなくなる(?)とひと安心です。

頭もつかえてしまいますが、手が届くことを優先!


脚立が届いてから、実際に脚立4段めに登ってみると、高い!(当たり前ですが)
そして天井に頭がつかえる。(写真)
しかし、腕が天井に届くのでこれでよしとしました。
脚立はもっとグラグラするかと思いましたが、安定感は問題ありません。
しかも、降りる時に、1番上の手すりに掴まれるので安心感もありました。
4段なので持ち上げると重いと感じるのですが家の中くらいなら頑張れそう。
私としては、ギリギリニーズを満たしてくれる感じでした。

ただ、のりりん(姉)には足の痺れがあるのだから、使う時は気をつけるように釘を刺されています。


高い所問題、解決策❷棚の収納見直し


脚立の購入に加えて、日常的に使うのに、背伸びして使っていた収納を見直しました。

ひとつは、台所の流し上の鍋を並べている棚。真ん中の穴を1番下に変更しました。穴1つの変更で3センチ下がります。たった3センチ。しかし、この3センチが私のはとても大きな違いでした。

1番下の穴に変更。また煮込み料理が作れそう。


上の棚の赤や白の鍋は、主に肉など煮込み料理を作る時に使っていました。鍋自体の重さも軽くない上に、手が届きにくいからと上の棚の鍋を使う回数が減っていました。しかしたなの高さを下げることで不便なく手が届くようになり、以前のように使うようになりました。



もうひとつは、洗濯機上のバスタオル置き場。1番上の棚は届かないため、爪先立ちして、人差し指と中指でかろうじて端っこをつまんで落とす。みたいな感じで使っていました。これ結構、大変だったんです。

洗濯機上の棚。上のバスタオルに手が届かない


ダイソーで吊り下げワイヤーバスケット(小)を購入。フェイスタオル置き場を上下に分けてみました。

フェイスタオル置き場を上下に分けて快適





吊り下げワイヤーバスケットひとつ設置するだけで、フェイスタオルとバスタオル、どちらも無理なく手の届く場所に収納できるようになりました。

↓使ったのはこちらです。(リンクのみ)


問題は実験して決めていく


ただ、新たな問題も発生しました。
フェイスタオル置き場を上下に分けたことで、置けなくなったフェイスタオルが(洗濯中も含めて)4枚発生したのです。この時、私が考えたのは

本当に今の枚数が必要なのだろうか?

ということでした。
このように考えても答えが出にくいことは、やってみるのが1番です。
置けなくなった4枚のフェイスタオルを別の場所にストックして、何枚あれば不足なく回っていくのかを実験することにしました。

この実験は、結果が出たらご報告しますね。


一度にがんばらず、一歩ずつ前進

今回、変えたのはここまでです。
地味ですが、ちょっとずつ試して、違うと思ったら元に戻しています。

ダイソーなどで使えるかな〜?と思ったら、家に帰って採寸して、まずは1つ買って帰ります。その1つを持って、台所や部屋やトイレ、洗濯機置き場など家中を彷徨い歩きます。

この子が活躍できる場所はないかな?

という具合に、あちこちに置いてみるのです。この棚板は厚すぎてはめ込めない、トイレットペーパーを入れるにはバスケットの高さ不足、卵焼き器には強度不足などなど、実際に物を動かしてその子の居場所が決まっていきます。もし、あそこにもここにも、と数カ所あるなら、後から買い足すようにしています。

インスタで見るようなオシャレな家には程遠いですが、まずは実用性を重視しながら、50肩でも老後でも使える家に変えていっています。


高い所問題を見過ごしてはならない理由


私は福祉用具専門相談員、福祉住環境コーディネーター、ケアマネジャーとして、たくさんの障害者や高齢者の相談に乗ってきました。しかし、我が身に降り掛からなければ、「わからないこと」「わかった気になっていたこと」が沢山あるのだと、今回の乳がん治療生活で思い知らされました。

特に“棚に手が届かない“などの細々とした困りごとを相談する方はいませんでした。また、仮の相談されても基本的に家族にお願いしていたでしょう。
介護保険を使う方の場合、訪問介護のヘルパーさんが解決していたケースもあるかもしれません。あるいは、高い棚に戻せなくて床やテーブルなどに様々な物が積み上がっていくケースも少なくありません。

しかし、介護業界の人手不足が深刻になる中、今後は希望通りのサービスを受けられるとは限りません。あるいは介護未満の方の場合、介護生活に突入しないための環境整備がとても重要になってくるのです。

悪循環を予防するための変化を恐れない

年齢や病気とともにできないことが少しずつ増えると、少しずつ生活の幅が狭くなることから意欲や自信がなくなっていくという悪循環が起こります。

私が上の棚の鍋を使わなくなったことを例にすると

 いつも煮込み料理に使っていた鍋が取りにくいから、肉の煮込み料理をしなくなった。
  ↓
 肉料理を作る機会が減り、食生活が魚料理やお惣菜へ変化していく。
  ↓
 肉料理中心だった頃より、パワーが落ちた気がする(それだけではないと思いますが)。
  ↓
 自信がなくなり、一日の予定を減らしていく。
  ↓
 人と会う約束をあまりしなくなる。
  ↓
 以前に比べて、引きこもりがちになる

という具合に、少しずつの不便が生活全体に影響することもあります。

高齢になると、生活の中の変化を避けるようになります。棚の高さが低くなった程度なら、あまり抵抗感はないかもしれませんが、鍋を別の棚に収納するというような変化は嫌がる傾向にあります。
長年の習慣から、ついつい以前あった棚に手を伸ばしてしまう。ということもあるかもしれません。せっかく変えたのに、次に訪問した時には元に戻っているということもあるでしょう。
親御さんのことを思って、良かれとやったのに喧嘩になるということもあると思います。

これらは感情や人間関係も関わってくるので、簡単ではありません。
何のために慣れた環境を変えるのか。
それを本人が納得するには、できるだけ若く柔軟性があるうちに着手するのもポイントの1つです。
そして、移動した物がどこにあるかをわかりやすく扉に写真を貼るなどの工夫は無駄ではないと思います。

使えない鍋を高い場所に今まで通り飾っておくことよりも、
使いたい時に使える場所に変えることが、実はこれまでの生活を続けるためのポイント
なのです。

転倒予防は待ったなし

そして高い所問題を見過ごしてはならない理由のひとつに、転倒があります。
転倒の多くは家の中で起こり、骨折入院、あるいは自宅安静することから筋力が落ちて認知状態や体の動きが悪くなってしまう。ここから介護が始まるのです。

転倒予防のために杖や歩行器を利用する方は多いのですが、家の環境整備をする方はほとんどいません。家の環境整備が進まない理由には、とても大仕事になること、具体的に何をしたらいいか分からない、本人が変化を望まないことがあります。

しかし、家の環境整備こそ頑張って欲しいのです。

  • 床に敷物を敷いていませんか?

  • 床に様々な物が散乱していませんか?

  • テーブルなどに置いた物がはみ出して、移動を邪魔していませんか?

  • コードが通路を横切っていませんか?

  • そして、背伸びをして手を伸ばす行為を日常的にしていませんか?

体幹バランスがあまり良くない状態で背伸びをするとバランスを崩しやすく、それ自体が転倒につながるのです。しかも女性は更年期頃の年齢から、めまいを持っている方も少なくありません。めまいが日常的にある方が頭を大きく動かすと、バランスを崩してまっすぐ立っていられないことがあります。高い棚に手を伸ばした時に、同時に頭も極端に上を向きます。そこでめまいが起こるかもしれません。
そういうことも想定して環境整備をしてください。

親御さんが高齢になってきた方は、介護生活を回避するためにも家の中を老後生活に合わせて整えていって欲しいのです。
その時はもちろん、親御さんと一緒に、どうしたら使いやすいか、安全に使えるかを考えてくださいね。

そして50肩の方は、これからもずっと不便ない生活を続けていくために使いやすい環境を整えていきましょう。

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