見出し画像

Twitterのコミュニティノートが投げかける波紋

Twitterのコミュニティノートが投げかける波紋

 Twitterの新機能が波紋を呼んでいます。コミュニティノートと呼ばれるこの機能ですが、Twitterにおける議論の双方向性をコントロールするものになっており、それが私見(出典は公式情報ですが、公式見解自体の正当性が話題になることも多い)を含みます。Twitterは次のように説明しています。

コミュニティノートが付与された数多くのツイートを公開しているアカウント twitter.com/HelpfulNotesJP が有りますが、こちらで紹介されているノートは総じて丁寧な言葉遣いで中立公正的な立場(たとえば右派・左派の別を問わず…など)に於いて誤解を解くためのバックグラウンド情報を付与する内容が記述されております
一般的に「クソリプ」と呼ばれる内容が書き込まれたノートは、参加者が「このノートは役に立たない」と評価した場合、表示されなくなる場合があります

https://twitter.com/kimuratomo/status/1681966078166188033

 なお、内容は予告なく改変されます――今回の記事の核心ですが、勝手に主旨の異なる文章に置き換えられるため、スクリーンショットを添付します。変更履歴も開示されません。記述の信頼性は低いと言えます。

 丁寧な言葉遣いという所から抵抗がありますが、例えば次のノートでは「数字の読み方が分かっていない」と投稿者を侮蔑する表現を使っています。

恐らく数字の読み方が分かっていないのだと思いますが、トリチウムが15万Bq/Lで100倍以上に希釈するため、さらに極微少の他の核種も100倍以下に薄まります。

https://twitter.com/x__ok/status/1681615227698429952

 主な目的が体験の記録ですので、他の記事に比べるとざっくりと書かせて頂きます。

 体験したのは次の投稿のノートについて再共有コメントがありました・二点の瑕疵が指摘されましたが、問題を認識したノートの作成者が、ノートを改ざんしたことにあります。改ざんと呼ぶ理由は変更点も明らかにせず原文を隠してしまったからです。

https://twitter.com/hankoyama/status/1681953325540061184

(こちらは改ざんの恐れはないと思われますのでそのまま引用します)

 こちらの投稿に付与されたノートは現在改ざんされています。内容の瑕疵が二点指摘されたところ、両方の指摘を回避する表現に修正されました。修正点は明らかにされず原文は隠された状態です。

 原文を証拠隠滅された形ですので、書かれていた内容の要点を書きます。

  • 処理水は基準値以下で安全性が確認されたものである との記載

  • 処理水からは放射性物質は除去されている との記載

 こちらが現在次のようになっています。

原子力発電所事故に関連して発生している「汚染水」と「処理水」は、同じものを呼び替えているのではなく、定義がそもそも異なります。
汚染水とは、原発事故で溶け出した燃料デブリに由来する多量の放射性物質が溶け込んだ水のこと、
処理水とは、汚染水から放射性物質を可能な限り除去する処理を行なった水のことです。
この定義上で「汚染水」にあたるものは、政府も汚染水と呼称しており、「政府が(汚染水を)『処理水と呼ぶ』と決めた」とする当該ツイートには事実誤認が含まれています。
経済産業省:廃炉・汚染水・処理水対策ポータルサイト
meti.go.jp/earthquake/nuc…

https://twitter.com/hankoyama/status/1681953325540061184


 分かる範囲で改ざん箇所は以下です。

  • 全体的に「これは違うのではないか」と思わせる強気な表現が繰り返されて長い文章になっていたものが削除されて(自信がなくなり主張の後退した守りの文章に変更)、生じた批判を逸らしてしまった。
    このように文章の瑕疵責任と、虚偽を疑われる記述を配信した責任から逃げています。公的な謝罪や訂正はなく、まさに「逃げた」 状態です。

  • 可能な限り除去する ではなく、基準値以下に取り除いたものが処理水である としていた

  • 政府が汚染水を区別して呼称している との記述はなかった

  • 複数のリンクが記載されていましたが、以上の主張にあたるものは削除され、リンクは一つだけにされています

 誤字を修正したというレベルではなく、いくつかの主張が完全にすり替わっています

 それも十分に閲覧された状態(1.5万件)で都合の悪い点だけが削除され、これはさすがに書いた内容にいささかの責任も持つ気がなかったということになります。指摘内容から見ると主張丸ごと入れ替えと取れる大幅な軌道修正だからです。事後に見た人からすると指摘された内容にあたる部分が見当たらないので、瑕疵を指摘したコメントが宛先を勘違いしているかのように見せています。

 内容について時系列で見ていきますが、改ざん前のノートに対して行われた指摘は次の二点です。

ノートについて。安全に関する基準値というものはありません。
基準値は年間1mSVから逆算した値で放出の目安です。
原典の1mSVは防護規制値で安全は保証していませんから、そこから導出される値は何ら安全を保証しません。
省庁及び東京電力の放射線防護に対する基礎的理解が誤っています。

もう一件。
従来の処理水には基準値を超える処理途中の水も含まれています。
基準値を下回った処理水はÀLPS処理水が正しい呼称で、処理水ではありません。
2つの言葉を区別なく扱うことで、基準値以上処理水を放出対象に混同させる意図を疑われています。


 つまり、改ざんされたノートでは

  • 安全に関する公的見解の瑕疵

  • 処理水という言葉の混用

 という省庁(つまり公的見解)の瑕疵が隠蔽されています。省庁への批判が生じることを避ける目的で関連の記述を削除した改ざんということになります。

 ちなみに改ざんの際には次のような通知が来ています。

 個人的な感想ですが、ノート機能は著しく偏った言論誘導を行っていますし、作成者による(言論空間を領土と見立てた場合の思想的主従関係を強制する)封建主義ツールになっていると感じます。

 コミュニティノートに関しては他にも双方向性がない、とか行政の問題を指摘するとデマ扱いされて議論が封殺される、内容が正確性を欠く、評価が内容の正しさではなく多数決、などの問題が持ち上がっています。

以上です。ありがとうございました。

追記
なお、通知直後のインプレッション数が万を超えていたため、削除して新規追加ではなく、内容を編集したと分かりました。

サポート頂けると嬉しいです。