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#日記
賛歌/上映最終日の夜に
2019年に監督した、『永遠が通り過ぎていく』という映画が、昨日まで吉祥寺の映画館でかかっていた。3週間。もともと仕事が入っていた日以外は毎日劇場に行って、ゲストを招いて、話した。そのあと物販を買った人にサインをして、ひとりひとりと更に話した。人と出会って対話をすることは、自分の銀河とは別の銀河を覗き込む行為だから、ずっと脳がチカチカした。みんなぜんぜん違うんだ。しかも、それがそれぞれすごくよくて
もっとみる優しい地球にしたいの
アイドルになりたいと思ったことがない。誰かの光になりたい、と平気で言う人のことは信用しない。自分が誰かを救える前提で、しかもその救い方が光前提なんて思考回路にたどり着くこと自体がとても遠く、私にはまるで理解できない。自分自身の存在を許してあげることさえもままならないで生きているせいで、誰かを救いたいなんて言えちゃう人は羨ましいな、きっとまっすぐに明るい場所を歩いて育ってきたんだろうな、とつい僻んで
もっとみる「耐え抜く」以外のボタンを押せない日々で
時間通りに家を出ることもできない私は、それでも再度の緊急事態宣言を受けて自分が一体どう振る舞うべきなのか、頭が悪いなりに考えていた。拙い想像力でまず心配になったのは近所の飲食店。カフェやレストラン、前回の宣言の間に消耗し切って店をたたんでしまったお店がいくつもあった。人に好きになって、繰り返し訪れてもらってやっとなんとか続いていく、というのは私のしている仕事も少し似たようなところがあって、完全
もっとみるピンク/青/はちみつ色
髪をピンクにした。先日取材で会った人は、あっけらかんと、「朝から晩までセックスしてますよ最近」と言っていた。一方私は意外と健全なAV業界が撮影をしばらく取りやめにするという事実を知って、その日にはAmazonでハイブリーチを二本とキャンディピンクのカラーバターを注文し終わった。朝から晩までセックスをしている大学生の夏休みみたいな日々も当然嘆かわしい程に羨ましいけれども、私の髪は朝から晩までどうだ、
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