vol.1 お米について

おかげさまで、2020年7月で三軒茶屋醸造所は2周年を迎えました。今まで様々な挑戦をしてきた三軒茶屋醸造所ですが、それぞれのお酒についてに語ることはあっても、そもそもどんな思いを持って造っているのか?どういうところで造っているのか?どういう挑戦をしてきたのか?などについて、改めてお伝えする機会はあまり取れませんでした。そこで今回は2周年という節目に合わせ、三軒茶屋醸造所についてまとめるべく筆をとりました。

予定では

vol1.お米について
vol2.仕込水について
vol3.造りへのこだわりについて
vol4.目指すお酒について
vol5.設備紹介
vol6.杜氏紹介
vol7.蔵人紹介

のような構成でお伝えして参ります。

今回は原料の中でも最重要と言っても過言ではない、お米についてのお話。

三軒茶屋醸造所では主原料で基本的に用いているのは”三茶の水”×”山形の米”。通常は、WAKAZE創業の地・山形で栽培した「つや姫」を70%精米したものを使用しています。しかし、その他にもFONIA TERRAで使用させていただいている、庄内で自然栽培を行う荒生勘四郎農場の”亀の尾”など、パリの醸造所でも使用している南仏・カマルグ地方の米を使用してどぶろくを作ったこともございます。

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蒸し上がったお米(つや姫 70%)

三軒茶屋醸造所では米・米麹・水のみを用いて造るシンプルなどぶろくも造っておりますが、フルーツやハーブなどのボタニカル副原料を用いた多様なレシピから生まれるお酒が大きな魅力の1つです。様々な素材と合わせるためには、より”米らしさ”を強調したい。米の豊かさを表現するために食用米という選択肢は最適でした。

また、米麹については製麹するスペースが無い(醸造スペースは4.5坪…!)のため、醸造所立ち上げ当初より製麹はFIONIA SORRA/TERRAの委託醸造でもお世話になっているオードヴィ庄内様に委託しております。基本的に使用するのは黄麹と白麹。カマルグの米を使用した場合などは初代杜氏自ら製麹に伺うこともございました。現在もまた製麹に伺って、少し仕様変更することも検討中です。

さらに2020年5月には初の自社製麹にも挑戦致しました。初の自社製麹では白麹を造り、2周年記念酒と甘酒に使用しています。他にも日本酒はあまり取り入れられることのない黒麹を使った製麹にも挑戦致しました。今後もさらに自社製麹の量を増やして参ります。

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製麹途中の写真。ここからもこもこ麹が生えてきます。

また、前述の通りですが”米の味わいを引き出す”ことは三軒茶屋醸造所の造りでも意識していることの1つです。どぶろくの場合は米の溶け具合が飲み心地にもダイレクトに影響してきます。基本的にはしっかり溶かすことで飲み心地の良さを担保しますが、くどくなりすぎないよう丁寧に発酵経過を辿らせております。

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