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レポ35:姫島灯台(2019/8/17)

大分県北東部の国東(くにさき)半島から沖合6kmの瀬戸内海上に浮かぶ姫島(ひめしま)。古くから航海の難所とされてきた場所に建てられた歴史ある灯台を訪れます…

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年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台病の記者が灯台訪問の魅力などをお伝えする『全国の灯台巡礼レポ』。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う地元の方々にも参考にして頂ければ幸いです。

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◼️レポ35:姫島灯台(2019/8/17)

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所在地でいうと大分県東国東(ひがしくにさき)郡姫島(ひめしま)村。『古事記』の国生み神話にも出てくる歴史ある島であり、現在では観光地としても人気のある「姫島」に建てられた明治期灯台を訪ねました。

姫島行きのフェリー乗り場のある伊美(いみ)港へは、大分空港やJR宇佐駅から車で40分とやや距離があります。参考:姫島交通アクセス

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定期船航路は車両航送も可能ですので、姫島で周遊するなら車で渡るのも手です。今回は姫島でレンタサイクルするため車は最寄りの無料駐車場に置いていきました。

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出航時には防波堤灯台(国東港古町沖防波堤灯台)がお見送り。既に日が傾いてきていますのでやや焦りが。

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偶然ですがこの日は姫島で盆踊りを行う日。そのせいか分かりませんが、結構な数の乗客がいました。乗船して20分ほどで姫島が見えてきました。姫島灯台は島の東端にあるため、船上からは確認出来ません。

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姫島港では2基の赤灯台がお出迎えしてくれました。

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姫島は中央にそびえる矢筈岳(やはずだけ)を中心に東西にも山があるため姫島港のある中央部に比較的住宅地が密集しています。人口は約2,000人。

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帰りの便まで1時間ちょっとしかないため、港に降りてすぐレンタサイクルを借りました。貸し自転車はいくつかあるようですが、今回は「まるい商事」さんでお借りしました。1時間200円です。

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姫島灯台への最短コースをお聞きして、南周りの海沿い「ひめしまブルーライン」をひた走ります。

住宅地はすぐに終わり、海水浴場や瀬戸内海国立公園の風光明媚な景観が延々と続きますので、灯台までの約6.3kmのサイクリングも苦になりません。

ただ今回は夕方だったので気持ち良く走れましたが、これが夏の炎天下であれば地獄を見ると思います。

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延々と自転車を漕ぎ続けるとようやく姫島灯台がある稲積火山からひょっこり見えてきました。

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最後は若干斜度キツめの坂道がありますが、そこを乗り越えると駐車場・駐輪場があります。脇道の人道を進むと灯台とご対面。

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灯台手前に灯台公園という名前のちょっとしたスペースがあり、その先に姫島灯台が鎮座しています。タイトル画像のような庭園風の敷地で、雰囲気抜群です。

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夕陽に赤く染め上げられた花崗岩の石造灯台の美しさは別格です。花崗岩は対岸の山口県徳山市から運び込まれたものです。

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付属舎の2箇所の傷跡は太平洋戦争時にB29爆撃跡だそうです。逆にこの程度で済んだのか、という感じ。歴戦の猛者です。

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レンズは第4等フレネルレンズ。初点灯は明治37年(1904年)3月20日。

灯台建設以前から航海の難所とされており、1605年に小倉城主の細川忠興がこの場所に篝火を焚いたという記録も残っており、日本の航路標識発祥の地とも呼ばれているとか。

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灯塔の材質は花崗岩。3階建てだそうですので、元々窓になっていたのでしょうか。

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島の東端で高さ57mの断崖に建てられた灯台。灯台下の海蝕洞窟内には姫島七不思議の一つ「阿弥陀牡蠣」が名所化されてあります。

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敷地には吏員退息所(官舎)も当時の姿のまま残っており、非常に雰囲気があります。

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帰り道は綺麗な夕陽でした

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後から知りましたが、盆踊り期間のうち毎年8/14〜15は姫島からの帰り便は夜間臨時便が出るらしいので、予め知っていれば日帰りも出来たかもしれません(今回は台風の影響で延期されたまたま8/17となったそうです)。

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姫島からの出航時には防波堤灯台の点灯を横目に姫島灯台の点灯風景に思い馳せながら帰りました。

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村上

年々その数を減らしている灯台を護るため、灯台を訪れる魅力などをお伝えするプロジェクト。灯台マニアの方のみならず、灯台のある風景を通じて地域の魅力を再発掘したり、地元の原風景を護りたいと願う方々の想いを大事にしていきたいです。