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ショートストーリー

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パソコンがかたまる

私のパソコンがよく固まる。 瞬時には動いてはくれない。 クリックを押すと、透明人間。 スモークがかかる。 高速運転でビューと通りぬける人になってみたい。 気分はスポーツカーでアロハ? 私のパソコンは、ゆったり。走らない。 歩いて、通ろうとする。 走ればいいのに。 「アイムソーリ」といちいち言う。 肯定はどうやらしていないようだ。 本当は速く走りたいし、他の車を追いかけたい。 だけどのろのろ進もうとする。 それでも歩こうとする。 『ゆったり歩かせてもらいます。』 止まらないのだ

知らないと透明人間

私たちは、透明人間。夢見てる人は、透明人間。 誰にも見えてない。 頑張っていても、誰も見ていない。 いいね、リツイート0 アクセス10 私たちは、はっきり言って見えてない。 努力してるのに、なんで気付いてくれないの? アーメンと傘を持つこともなく、涙を流すんだ。 有名な人は、どうでもいいことをつぶやいても価値がある。 幸せな雨を降らすことができる。 私たちは無名だ。 誰も知らない。誰も見たことがない。 無名だから、興味がないのさ。 それが現実。 努力は報われない? だけ

トロピカーナ・オレンジ公園

トロピカーナ・オレンジ公園で、私は眠っているのよ。 誰にも起こさないでって、私の背中に書いてあるの。 でもこれは、芝生の下に隠れているの。 失敗したわ。 髪の毛に張り付けるんだった。 本当大失敗。 私の大失敗はこれだけじゃないの。 私寝てるように見えて、寝てないのよ。 そう私は不眠症。 このトロピカーナ・オレンジ公園で寝れば、寝られると思ったの。 現実って厳しいわよね。 これが寝れないの。 私の体の作りって、どうなってるのかしら。 もう、腹立たしくてたまんない。 隣村

ジャム職人

あなたはマーガリン派?それともジャム派? 私はジャムよ。 それもね、ジャム塗って10年のツワモノ。 でもベテランと言われる人は、私を「初心者」って言うの。 何よ、ベテラン。 ベテランのこと、ベランダって言おうかしら。 もうー私はジャム職人をして10年やってるのにーー。 ベランダのやつ・・・ 「もっと上手に塗りなさい」って言うのよ。 「あなたは職人なのよ」って言うけど。 10年ってすごいでしょう。 私をまず認めてよね。 本当ベランダってやつは。 ちなみにね、ベランダはマ

トウモロコシの粒

ぼくは、トウモロコシの粒を数えるためにカリフォルニアに来た。 なのに、ぼくは一粒も数えてない。 留学に来た同級生は、みんな丁寧に数えてる。 ぼくは、数える気になれない。 これがお勉強だって、 これが学習だって、これが研究だって、知ってるのに。 ぼくは、トウモロコシに興味がないんだよ。やさいジュースは好きだけど。 みんなお勉強好きだよな。 いい会社に勤めて、いい給料をもらってだなんて、つまらないだろう。 それに比べたら、トウモロコシを数えることに興味が出てきた。 『一粒、

サツマイモから生まれたネズミ

私はサツマイモの中から、初めて生まれた快挙のネズミらしい。 私が歩くたび、みんな驚いて見るの。 『サツマイモの中って暖かい?』 『どうやって来たの?』 『何で茶色のサツマイモじゃないの?』 『なんで紫色のサツマイモ?』って聞かれるけど、 そんなこと知ったこっちゃない。 私はただ、生まれたの。堂々と生まれたの。 私はただのネズミ。何者でもないネズミ。 ただ、サツマイモの中で生まれただけなのよ。 みんなと変わらない。むしろ他の人たちより普通。 珍しい目で、見ないでよね。

チャンピオン

ぼくがチャンピオンになる。 ピザをかじりついて、離さないチャンピオンになる。 最初は、楽しくて仕方なかったのに・・・ もう1時間経過すると、ぼくの顎が痛くてたまらない。 他の人があきらめたら、ぼくも諦めれるのに。 なんで他の人は、諦めないんだろう。 なんでチャンピオンになりたいんだろう。 ぼくがチャンピオンになるのに。 2時間経過・・・もう無理だ。 ぼくはあきらめる。他の人もきつそう。 きっとチャンピオンは、他の誰かだ。 ぼくじゃない。みんな頑張って。 ぼくは、現実の世