見出し画像

世界が年々よくなってゆく中で僕たちの担う役割〜『FACTFULNESS』を読んで

話題のハンス・ロスリングら『FACTFULNESS』を読みました。

データに基づいて世界の事実(ファクト)を正しく見つめれば、世界は年々よくなっており、そのファクトをきちんと理解した上で私たちはアクションを起こすべきである、という趣旨の本です。

世界を誤認してしまう原因となる人間の10の本能が紹介されており、いかに自分がその本能に囚われているかに気付くこともできます。

僕の場合であれば、金槌を手に入れるとなんでも釘に見えてしまう「単純化本能」や、今手を打たないと間に合わなくなるぞ!という「焦り本能」などは、特に気を付けねば……ついつい囚われがちです。

これらの本能は「人間が陥りやすいものの見方・考え方における『錯覚』のパターン」と言い換えることもできるかもしれません。
念頭に置いておくだけで、世界ならびに自分を見つめる時の誤認を防ぐのに役立つでしょう。

閑話休題。

僕が起業した大きなきっかけの一つに『羽月莉音の帝国』というライトノベルがあります。

少年少女が現代世界において、国家の樹立とこれによる格差のない世界の革命を志す物語です。

進捗率0.1%くらいですが、僕はこの主人公たちに憧れており、それはもうビジネスをどデカくして、マフィアや国家を向こうにまわして革命するのである、くらいのことを考えています(こういうのを真の意味で厨二病というのだと思う)。

が、『FACTFULNESS』を読んで、「おや?革命などなくとも人類はゆっくりとだが、着実に、平和と幸福への道を辿っているのでは?」ということを改めて感じました。

となると、羽月莉音たちの取った方法は正当性・有効性が乏しいもので、それよりも今の流れの中で、その流れを途絶えさせないよう、ゆっくりと広げていくことこそ僕の真にすべきことなのでは?

僕も、今の人類の流れの中で「地味だけれども人類が前に進む流れを一歩、二歩と推し進めることができた(かも)」というポジションを目指すべきなのかもしれないな、と考えています。

残念なことに(?)、世界には戦争をつくりだしている「黒幕」もいなければ、格差をコントロールする「巨悪」もいません。

僕の人生は僕にとってドラマチックだし、あなたの人生はあなたにとってドラマチックなものです。
その一方、世界は決してドラマチックではありません。
世界をよくしているのは、ただただ、社会を構成する名もなき人々ひとり一人の行動なのです。

ということを胸に刻みつつ、ヘボい自分と向き合いつつ、それでも人類が前に進む一歩の担い手の一人でありたいものです。

この記事が参加している募集

推薦図書

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?