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一期一会

大木です。
『幕間ダイアログ』を終えて丁度2週間ですね。
いつも公演を終えたその日の晩には「さあ次つぎ」とサーッと切り替わるのですが、今回は割と残っていましたね。
何というかそれ位よく出来たというか。

作品自体が…という以前に「本当に今のtodokeru,の実力でこのキャパのホールで面白いと思っていただける舞台を作る事が出来るか?」という。
実際面白いか面白くないかを判断するのはお客様に他なりません。その前段階として自分が、我々が面白いと思える物で無ければならない…というのが僕自身の考えでありまして、その水準に達せられるかどうか…必死で考え、それを皆でさらに必死に作り上げる。

約5ヶ月近くフル稼働で各自120%の力を振り絞りました。(100%じゃないのは仕事量以上に最中に各々レベルアップを求めていたから)
徳島←→香川を行ったり来たり、香川←→徳島を行き来していただいたり、自身とかけ離れた役へのアプローチに苦悩したり、自身に近い役の魅力を引き出すのに尽力したり、新しい自身の魅力を引き出したり、そもそも舞台での立ち方が出来ていないものは先輩俳優に引き出してもらったり、先輩俳優自体が他者の演技に関わっていったり、場転やアイテムの出し入れに苦難苦慮し(今作で一番時間がかかり本番ギリギリまで試行錯誤を続けました)、物作りのイメージを深める為にリサーチし且つ各々の感性にうったえながらそれを形にし、技術の足りないものはそれを学びに他県へと通い、普段引っ込み思案な者たちは「これじゃ間に合わない」と他者に飛び込み(普段からコミュニケーション取るようにしてたらギリギリにならんで済むんやで)、寸暇を惜しんで行動して…やっと、やっとの思いで座組一同で作り上げました。

まあ、だからどうという訳ではありませんが。
努力なんて当たり前で誇る事でもなんでもないです。今回はそこまでチャレンジしないとどうしようもない状況だったというだけで。

ご観劇いただいたお客様からのアンケートや直接かけていただいたお言葉によりますと概ねご好評をいただき(いただいた・いただき連投失礼します)ホッと胸を撫でおろしつつ、内心「よっしゃぁぁぁあ!!!」と咆哮しつつ、公演後に制作とワイワイ手に手を取って喜びました(体感:感激3割安心7割)。

しかし上演時間が長かった事、また慣れない広いホールでの運営によりお客様にご迷惑をおかけした事も事実ございます。ご不快に思われた方がいらっしゃいましたらこちらで謝罪させていただきます。誠に申し訳ございませんでした。
反省すべき所を真摯に受け止め、次回以降の公演に同じような事のないよう心がけて参る所存です。重ねて申し訳ございませんでした。

…どうにかこうにか形になった事の礎として客演の与力さんと宮井悠さんのお2人のご尽力があった事は外せません。
お2人が大木を含め未熟者揃いのtodokeru,に与えていただいたものは、俳優としてまた演劇を作るものとしての心構え、深い叡智や豊かなアイデア、何より楽しくお芝居を作っていくムーヴメント。それらにより稽古場に軽快且つ重厚な物作りをしていく空気・風を与えてくれました。
また、大木と客演関係(きゃくえんかんけい?)歴最多回数を誇るロビン氏演じていただいた熊耳切人という役は、アセクシュアルであり人と関わりを持たずに生活していながら久米演じる大桃かんなと半ば強制的に同棲させられている…という中々難解な役でしたがいつもの飄々としたスタイルでまあオシャレな感じで演じていただきました。※「飄々と」というのはあくまで大木スコープで見た印象。本人はいたって真面目に役に向かうスタイル。でもなぁ飄々としてる様に見えるのよね。愛してるぜ。今後ともよろしく☺️

まあガチャガチャ言うてますが、めっっっっちゃ楽しかったです!!!これは劇団員総意だと思います。本当にありがとうございました✨
また、それと等しいくらい申し訳ない事をしました。
客演であるお2人に求めすぎていた事は事前に申し上げていた事とはいえ多大なる負担を与えてしまった事は事実です。
また、それらを全て飲み込ませていただいた上でtodokeru,が内々でステップアップした事も事実。
せめてもの恩返しというか、またお2人が何か活動をされる際、何か一助となる事が我々に出来るとするならばご遠慮なくお声かけいただければ幸いでございます。
※また、今後劇団における「客演」というものも改めて考えて参ります。


かように上手くいった事、いかなかった事、楽しかった事、ご迷惑をおかけした事、それらを含めたものが今回の公演での大木の振り返りとさせていただきます。


様々なありがたいご感想やご質問を多数いただいてた事もあり。答え合わせ的にもっともっと作品に関する振り返りをするつもりでしたが(作中における女性像。現代を生きにくく感じている方へのエール。喪失。映画に関するお話。)、まあまあ大きなお叱りを受けた事もあり反省の文として今公演は締め括らせていただこうかと思います。

一つ、作品に関する事で触れておくとすれば、今作は「一期一会」のお話だったという事です。
そしてそれは今ここで(おそらく)初めて口にします。
座組にも言わなかったのは言葉にすると「テーマ」化してしまうと思ったからです。
言葉の持つ力というのは計り知れません。
元々この言葉を使って「テーマ化」してしまっていたら、その言葉に引っ張られて安っぽいエモーショナルなお芝居へとなっていたかもしれません。※そう思われていたお客様がいらっしゃいましたら大木の力不足でございます。失礼いたしました。

さて、一期一会です。

「卒業してもずっと友達だよ!」
…みたいな事もあり、なかなかあの日楽しかった時間を共有し続ける、なんて事は難しかったりします。※そうでもなかったりする相手に限ってずっと近くにいたり…なんて事もありません?腐れ縁とはよく言ったものです。それもまあ悪くはないですが。

人生は長いです。長い中に沢山の出会いと別れがあります。
また、人生は割と短いです。
その一つひとつの出会いをもう一つしっかり足を踏み込んで付き合ってみたりするのも悪くない…かもしれません。
今をしっかりと生きて、また新しい環境や人と出会い、ふと「あんな事もあったな」と微笑む時間のある人生。
僕は悪くないなぁ、なんて思います。



色々ご質問いただいていた方は申し訳ございません。また機会があったり再度お声掛けいただければ何かお話させていただく事もあるかもしれませんしそうでないかもしれません。
↑構ってちゃんみたいでウザさを感じさせますが既に次回の公演に、また直近でアテンドさせていただく他団体の公演などもあり意識が前を向いている次第でございます。
それでも気になられる方がいらっしゃればぜひお声掛けいただければ幸いでございます。


戯曲執筆の時間も合わせれば半年以上の時間をかけて行った『幕間ダイアログ』これにて締め括らせていただきます。

ご来場いただきご鑑賞いただいたお客様。
宣伝等ご協力いただいた関係各所、そこに関わる皆様、改めて客演のお3方、田代をはじめtodokeru,に素晴らしいアイデアとアイテムとパワー!をいただいた谷本勝さん。(いつも本当にありがとう。ニューカー納車おめでとうございます🎉)ゲスト出演いただいて大木の圧力に負けずファイトされた劇団まんまる:海月理奈さんと劇団「どや!!」:有本真菜さん。バトン一本にも関わらず大木の無理難題を文句一つおっしゃらず応えていただいた照明:モンクフィッシュさん。いつもナイスな映像ありがとう!撮影:鵺さん。
皆々様のおかげでございます。
心より感謝申し上げます。
ありがとうございました。

これからもtodokeru,は先へと先へと進んで参ります。
ご期待下さい。
それでは。


怠惰な身体に鞭打ちジムでエアバイク漕ぎながら汗だくでブログを書く
大木茂実


さあ、次つぎ!

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