スクリーンショット_2019-08-02_13

監督はスペイン人女性。現役JFLゴールキーパーに聞いてみた


40%

この数字は現役のサッカー選手が引退後にメンタルヘルスに陥る確率らしい。

サッカーだけに限らず、本気でプロ選手を目指すアスリートはみな引退後、今まで経験したことのないような、虚無感、絶望感に襲われるという。

メンタルヘルス・・・

メンタルヘルス(英: mental health)とは、精神面における健康のことである。精神的健康、心の健康、精神保健、精神衛生などと称され、主に精神的な疲労、ストレス、悩みなどの軽減や緩和とそれへのサポート、メンタルヘルス対策、あるいは精神保健医療のように精神障害の予防と回復を目的とした場面で使われる。(参照:Wikipedia)

私自身も一度はJリーガーを志していたものの、今は普通のサラリーマンだ。

今回現役のJFLゴールキーパーに話を聞くことができたので

・サッカーで飯を食うということ

・女性監督のこと 

とか、いろいろ気になったので聞いたみた。

というのも、引退後にメンタルヘルスになるのはほんとうに勿体無い。そして何より、かつての自分のように、Jリーガーを目指す高校生や大学生、会社に入ってモヤモヤしている社会人(元体育会系)の方に、少しでもためになる話があれば、と思いまとめてみた。


とくダネに出たらしい

今回話を聞くのはこの選手。

中洲のゲイBar「かまってクレヨン」ではたらく、、、、

いや、違う。

JFL(日本フットボールリーグ)に所属する三重県のサッカーチーム

「鈴鹿アンリミテッドFC」の正ゴールキーパー月成大輝選手だ。

(以下、プロフィール)

 身長:181cm

 体重:75kg

 出身:佐賀県鳥栖市

 経歴:サガン鳥栖U-15 – サガン鳥栖U-18 – 吉備国際大学

 趣味:パチスロ

彼とは中学時代からの知り合いで、高校時代一緒にプレーした選手だ。

とある日、とくダネをみていると、

「現役のサッカー選手がスーパーから逃げる強盗犯を捕まえた」

という映像が流れてきた。

そこに写っていたのは、かつてのチームメイトである彼だった。

(※写真はとくダネではありません)

スーパーで強盗をしようとていた犯人を、持ち前の走力で彼らがとっ捕まえたらしい。

これで一躍時の人に・・。

ちなみに、JFLとは

J3のひとつ下のカテゴリーに当たる。

プロみたいなもんです。

まあそれはさておき、今回彼が帰省のタイミングということで、色々聞いてみた。

(彼のプレーは、こちら。



サッカーで飯を食うということ。

今回の対談を前に、プロ地方銀行員の柴田行員に駆けつけてきてもらった。


なんとも可愛らしい表情だ。

彼は、とある地方銀行の法人営業として、日々社会の金融ニーズに対するソリューション提案を行なっている、いわゆる「金融のプロ」である。

彼ももともと大分トリニータの下部組織に所属し、関西大学体育会サッカー部で活躍したサイドバックだ。

彼を呼んだのは他でもない。

中学生時代に、月成選手と対戦した経験があるからだ。(他に理由はない)

とはいえ、あらたまって面会するのは今回が初めて。

しかし、すぐに打ち解ける彼らをみて、「サッカーの繋がり」って素晴らしいな、と思った。


場所は博多のとある飲食店。

今回の対談が決まっていちばん聞きたかった事。

「サッカーでプロになるって、どんだけすごいの?」

正直、わたしも一時はプロサッカー選手を目指してはいたものの、第一線で頑張っている彼の話の見解を聞いてみたかった。

彼の口から出てきた言葉は意外なものだった。

「実際、プロになるのって、いかにクラブ関係者と知り合いか、なんだよな。」

「だから、ある程度上手い選手、特徴がある選手は、知り合いにJ関係者がいればプロにはなれる。」

「正直、J3もJFLもそんなにレベルの違いはないし、J3の選手よりお金もらっているJFLの選手だっている。」

(えっ、そうなの?)

わたしも柴田行員も驚いた。

ふつうプロ選手って、相当な実力がないとなれないものだと思っていた。

そしてなにより、いちばん大切なのが「人との繋がり」って、普通に社会人で働くサラリーマンと一緒じゃん。

やっぱり、重要なことってそこなんだな。

2人はこの事実を聞いて、ホッとした。


監督は、スペイン人の女性らしい。

今回の中でも、かなりおもしろかったのが監督の話。

スペイン人女性らしい。名前はミラ。

女性監督すらあまり聞かないのに、スペイン人って・・。すげぇ。

彼いわく、

「とにかく休みが多い。自主練習もあまり許されないし、とにかく休みが多い。」

どれだけ休みがあるんだ。うらやましい。

女性監督の話を聞いて、時代の流れを感じた。

普通いかにハードに練習して、いかに濃密なトレーニングをできるか、が勝敗を左右されると思っていた。

しかしこのチームは、もっと先をみている。目先の勝利ではない、より崇高な理想を。

「監督は男性。」

一体、誰が決めたのか。サッカー界に流れる常識のようで非常識な事実を真っ向から否定するチームに、感動すら覚えた。そして、わたしはこのチームを心から応援しようと思った。


スロットもプロ並みらしい。

卓越した足元の技術と、正確無比な左足のキックを武器に、JFLを舞台に活躍する彼。

しかし意外にも、平日の練習後に行うこと、それは、パチスロらしい。

パチスロと聞くと、ギャンブルのイメージがあまりにも強く、いい印象をもつ方はそう多くはないはずだ。

だが違う。彼の年間収支は平均数百万円を超える。通常素人が彼のレベルに到達しようとすればかなりのリスクを負う事になる。

そのため、立ち回りもいたってシビア。


こんな感じだ。

1日平均3〜4ホールを回り、打つ台がなければ即帰宅。

彼いわく、

「立ち回りの時間を時給計算している。この時給に見合うだけの台がなければすぐに帰る。」とのこと。

まるで、サッカーと同じくらい(いや、サッカーより)勝利にストイックだ。


まとめ

約2年ぶりくらいに合った彼は、ゴールキーパーとしてのたたずまいを残しつつ、勝負師としての貫禄すら感じさせる。どこか尊い存在だった。

近頃の若者には珍しい勝負勘、そしてスペシャルな左足。

いずれ、どこかのJリーグのチームにいるだろう。

なぜなら、彼が並外れた正義感と、勝利に対する貪欲さを併せ持った日本人にはあまりいない、稀有なレフティーだからだ。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?