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Bright sparks needed! きらめく才能が必要だ

派遣前訓練が終わり、表敬訪問も淡々とこなし、あとは派遣を待つばかり。この3次隊というのは年末年始を挟むので訓練終了から派遣まで他の隊次よりも余裕があるらしい。

それは派遣国の側が年末年始は連絡が取れなくなるから、ということが実態らしい。とにかく、そのおかげでぼくは実家でゆったりと過ごしつつ、気の合う友人たちを訪ね歩いている。

訓練中から繰り返されてきたことではあるけれど、何度も何度も同じ話をし、何度も何度も似たようなしょうもないアドバイスを聞かされ、ほとほとうんざりしていた先日、JICAの担当の人から「希望通りの派遣先、ミッションではないかもしれないですが、私たちはあなたがその適正があると判断しています」という話を面と向かってしてくれた。

ぼくの派遣先であるセントビンセントは中南米、カリブ海に浮かぶ小ささ島国だ。カリビアンクルーズといってリッチな人たちが多数乗る大きなクルーズ船が周遊しにくる国の一つではあるけれど、他に目立った産業もなく、石油などの天然資源も土地もなく、人口ボーナスも見込めない。つまりは経済成長というのは望めない国ということになる。

そういう状況であるならば、今回ぼくが支援することになる視覚障害者など社会的弱者にカテゴライズされる人たちというのはどうしたって後回しになったりして、政府からの支援が届きづらい。さらにはコミュニティからも外れがちになる。

その状況をなんとか改善したいという要望から今回の要請につながったらしい。視覚障害者の自立に向けた、所得向上・雇用創出・社会参加というテーマで。

ぼくは簡単な男であるので、みんなに同じことを言ってるんだろうなと思いつつ、上のような話を聞いてすっかり良い気分になった。

要請がだされたのが去年のちょうど今頃で、青年海外協力隊は春と秋募集なわけだから、この制度上、要請から最短での派遣となる。もっとも、先方はもっと早く来て欲しかったようだが。

ぼくはこれまで、法人営業でBtoBのビジネスをずっとやってきていて、それに関してのマーケティングや政治を含む知識と経験は多少あるし、控えめに言って自信も多少ある。けれど、PRの経験はあっても社会参加なんて経験がないのが正直なところでどこまで力になれるかわからない。

もちろん、経験の無さを補うために、訓練中からいろいろ事例を探して研究しているけれどそれがどこまでワークするのわからない。だって、ぽっと出のぼくみたいなのが多少調べたくらいで出てくる事例やアイデアなんて既に試してるだろうから。

まったく難しい課題を与えてくれたものだ。

もちろん自ら望んだことであるし、この追い込まれつつある状況を楽しんでいる自分がいるんだけれど。

昔、ワシントンポストかNYタイムズに、Bright sparks needed! (きらめく才能が必要だ)なんて見出しが躍って、昨今の困難な社会課題を解決するためにはこれまでのアプローチじゃ間に合わなくて、とんでもない才能を持った天才の登場を待つばかりになってしまったようだ、的なニュアンスの記事がでたけれど、ぼくの置かれた状況も同じようなものなんだろう。

そして、彼らにとってのBright sparks (きらめく才能) はぼくなんだろうな、ぼくはそういう役回りを期待されているんだろうな、ありがたいなと思いつつ、なんとかして結果をださないといけないという緊張感とで1人、高揚している。

なにせ、世の中を変えるのはいつだって若者、よそ者、バカ者なんだから。そしてその条件に外的には当てはまっているわけで、あとはぼく個人の能力だけなんだから。

性格的に気分の浮き沈みが激しく、日々冷静と情熱の間を行き来しているんだけれど、ここにきてギアが1つ上がったかなと思う。

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