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支援対象の方々との初回交流を終えて #派遣前訓練 5

week 5

先日の地域実践でニートやひきこもりの方々と初顔合わせを行ってきました。

今回の顔合わせの目的はアイスブレイクがメインで、どんな人たちかっていうのを知るためでもありました。この支援団体には80人ほどの支援対象の人たちがいて年齢も20歳から50歳くらいと幅広いです。

その程度もまちまちで、職員が会いに行っても会えない人も多いようです。そんななかで、我々が交流するのは比較的社会復帰が近いと思われる人たち8人でした。集まりに来れる程度にはコミュニケーション能力がある人たち、と言えるかもしれません。実際に社会復帰したいという希望を持ってはいるんだけれど、いま一歩踏み出せない人たちが中心ですという話でした。

事前のブリーフィングでは、彼らの中には大きな音(例えば拍手とかでも)怖いという人がいたり、引きこもり過ぎて簡単な漢字も読めない人もいるという話で、基本的に自己肯定感の低い人たちだけれど、言動で特に気を付けるようなこともなく、普通にざっくばらんに話してくれて良いとのことでぼくは割とポジティブに捉えて当日を迎えました。

当日、実際にやったことは、フルーツバスケットと趣味当てゲームでアイスブレイクし、簡単な自己分析(自分の長所、短所、好きなところ、嫌なところなど)をして、互いに発表しあう、というもの。

ぼくたち青年協力隊の側もその自己分析を行って発表したわけですが、ネガティブな思考な人が多い。それにぼくはびっくりしました。過去に1年ほど休職したこともある人もいるのは知っていましたが、6人中4人がネガティブでした。

自分も引きこもりになる可能性があったとか、引きこもる人の気持ちがよくわかるからなんとかしてあげたいと思って、この支援を地域実践に選んだのかもしれません。

支援対象の人たちはもれなくネガティブで、考え始めると3時間でも一晩でもずっと悩んでしまって動けなくなってしまうと答えた人が多かったと思います。

たぶん、青年海外協力隊で海外の危険なところに行く人たちでも自分と同じようにネガティブだし、同じように悩むんだな、みんな同じなんだなと感じてくれたと思います。

実際、団体側の狙いもこれなんじゃないかと思います。みんないろんなことで悩んだり失敗したりしてるんだな、自分だけが苦しい思いをしてるんじゃないんだなと知ってもらうこと。それを青年海外協力隊なんていう行動力の塊のような人からその弱みを聞いたり、その気持ちをシェアすることによって、彼らの自信を取り戻すとか、勇気付けるのを代表の人は期待しているんじゃないかと感じました。

その基準でいうと、今回の交流は正直基本的に終始静かな雰囲気でしたが、まずまずのスタートを切れたし、先方の予想通りの成果も活動終了後は得るんじゃないかと思います。

次回の交流では、ぼくたち青年海外協力隊の人たちのこれまでの職歴とか協力隊への志望動機を簡単にプレゼンすることになっています。それを通して、世の中にはいろんなタイプの仕事があるんだということを知ろう、という取り組みです。

今回の初回交流でなんとなくの雰囲気は掴めました。

なので、次回交流時のプレゼンで善き物語を紡げたらなと持っています。

善き物語とは、昔、作家の村上春樹さんがどこかのエッセイで言っていたことで、オウム真理教が前途有望な若者を信徒に迎え入れることができたのは、世の中に善き物語を供給することができなかったからだと。作家としてその責任を感じるとおっしゃっていました。

彼らにとっての夢のあるモデルケースのような事例が十分世の中にあれば、安易に道を逸れることなく、希望を持って厳しい現実に立ち向かっていける、というようなニュアンスだったと記憶しています。

ぼくは、まだこれといって目立った成果も出ていない凡人だけれど、ありがたいことにぼくのことを「すごい」と褒めてくれる人も少なからずいます。彼らにとっては、ぼくが達成した何かや今やってる取り組みは、たとえそれがとても小さいことでも貴重で、参考になることなんだろうと思います。

別に、ぼくの後に続いてほしいなんては思いませんが、ぼくのこれまでの取り組みやこれからの取り組みが誰かのヒントになれば良いなとは思っています。

願わくば、ぼくも誰かにとっての善き物語になりたいとも思っています。

次回、どんなプレゼンをするかはまだ決めていませんが、自分たち協力隊の善き物語を意識して作ってみて反応を見たいなと漠然と考えています。

参考note

地方から大学進学する最初の世代には、自分の環境から飛び出さなくては前に進めないという人生のハードルが、思うに都会で大学の学位を持っている親元にいる子達よりも早く訪れます。その姿はみっともなく見えるものです。何に挑戦しなくてもいい人には、そうした努力は格好悪く見えるものなのです。なので、田舎者のダサさとは、挑戦の証なのです。

↑このnote、田舎もののぼくにとっては自分の境遇とか経験したことと重なる部分が多かったのでぼくは少し泣きました。

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