見出し画像

ワークショップ大改装計画はほんとに始まるのか

ちょっとした話し合いの場で、みんなの前で思い切って「できれば、このワークショップに見学者を招きたい、ひいてはそこから入場料代わりに寄付を募りたい」と話した。

JICA関係者含め、ぼくは友人たちを時折、職場に招いているんだけど、招いたらみんながみんな視覚障害者の人たちの作業風景を写真に撮っていたからだ。

モノにストーリーが宿るというか、モップや椅子の成果物のみ見せられても、「よくあるもの」としか思わないんだけれど、彼らが盲目でどのように籐を編んでいるかを実際に目の当たりにすると、想像力が及ばなかった空白部分が驚きをもって満たされることになるのだと思う。

画像1

そしてそれは、思わず写真を撮りたいと思わせるほどの衝撃があるのだろう。

だから、これはクルーズ船でやってくる観光客向けでじゅうぶん寄付金を集めることができると思った。そうでなくても現地の人にも見学してもらうことで視覚障害者の理解につながる。

冒頭で、「できれば、」と言ったのは、このワークショップが彼らのホームグラウンドであり、彼らが心休める居場所でもあるとぼくは理解しているから。いわば、彼らだけの秘密基地のように思ってるんじゃないかと。

そんなところを、見ず知らずの人たちがズカズカ入ってきてパシャパシャ写真撮ったりするのは嫌だろうなぁというのは想像に難くなかった。

なので、「できれば…」と言った。

この件に関してぼくは2年間かけて徐々に彼らの抵抗をなくしていく作戦だった。定期的にぼくの友人(彼らの見知らぬ人たち)をワークショップに招いてのはそのためでもある。

同時進行で徐々に徐々にペーパーバスケットをワークショップ内に増やしてギャラリー的機能も付していこうともしていた。

そう、事実上ギャラリーになってるじゃん!という状況を作ろうとしたわけだ。

当然、そんな繊細なことはめんどくさいので彼らの全面協力があればそれに越したことはないので、このちょっとした話し合いの場で話してみた。

すると、スタンリー(会長)はなにも言わなかったけれど、ジョセフ(カウンターパート、副会長)は乗り気で、なんならジョセフは前々からワークショップのリノベーションをやりたがっていたようだ。

そういえば、ここに来て間もないころ、ジョセフの秘書からそんなような話を聞いたことがあったような気がしないでもない。

具体的にいうと、真ん中の作業台を中心に壁際にあるものを極力なくして、見学者が通れるスペースを作り、壁にこれまでの活動内容や実績、新聞切り抜きなどを貼ったり、クラフトを展示したり…というような方向で進めることになった。

「いつまでにやる?ん?…じゃあ12月のクリスマスまでだな」

ジョセフはスタンリーに迫り、スタンリーの言質を取った。

これはぼくにとっては朗報だ。

ギャラリー化できれば、お客さんが向こうから来てくれるわけだから、クラフトを売りにフリーマーケットに出店する必要がなくなる。こっちから出向く必要がないのは単純にうれしい。

ただ、懸念もある。

前々からリノベーションを計画していたということは、なんらかの理由で保留になっていたわけで、アイデアはあっても実行者がいなかったとすれば、つまりぼくがその実行者として期待されているとすれば、それはつまり保守的で腰の重い彼らの指揮を現場でとって家具やらなんやらを移動させないといけないわけで、それって…難度が高くないか…?

だってぼくはここ半年彼らの腰を上げることができなかったんだから。

サポートはいつでもだれでも大歓迎です! もっと勉強して、得た知識をどんどんシェアしたいと思います。