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こりゃあ三びきのこぶたの家並みに屋根が飛びそうだぜ

若いカナダ人夫妻の住む新居ができてきた。

柱がいくらか心許なく感じるのは、きっと気のせいだろう。ちゃんとコンクリートを流し込んで柱を作っていたし。壁はブロック塀だけれど、きっとどこの家もそうなんだと思う。そこから表に漆喰を塗ったりタイルを貼ったりするのだろう。

それよりも、だ。

ぼくが気になったのは屋根。

木をブロックなのか、セメントなのかはわからないけれど、隙間にはめ込んで固めている。

ぼくの部屋も同じつくりで、ぼくは3階で屋根の下だから内部構造がわかる。こんな感じ。すごい偏見だけれど頼りなくみえる。不安になる。

不安になるのにはいくつか理由がある。

まず、これは不安というよりも不満なのだけど、雨音がめちゃくちゃうるさい。びっくりする。ちょっと強めのスコールが来ると、音楽聴いててもYouTube観ててもなーんにも聞こえなくなる。ほんとに。夜寝れない。うるさすぎて。夜中に大雨が降ると目が覚める。そしてこれが結構あるんだ。週2~3回くらいかな。雨季恐るべし。

そして、最大の懸念がハリケーン。

3年ほど前、同じカリブ地域のドミニカ(※ドミニカ共和国ではない)に派遣されていた隊員が強力なハリケーンに遭遇して、朝起きると屋根がなくなっていたとかなんだとか大変なことになった。そのハリケーンの影響で、ドミニカは壊滅的な打撃を受け、略奪もおきた。3年経ったいまでも、いまだ復興の途上にある。

その1件をJICAの本営は重大事ととして捉え、以後ぼくたち隊員はハリケーンが発生し、その進路に少しでも直撃の可能性があれば退避命令がでることになっている。

ぼくたちセントビンセント隊員の場合は、強度の強い高台のホテルかセントルシアに退避することになっている。直撃の可能性の5日前からだ。

そんな話を聞いた後に、隣地や我が家の屋根を見てどう思う?

いかにも飛びそうな気がしてしまうのは気のせいではあるまい。

3匹のこぶたの木のお家ばりに、オオカミさんがぴゅーっと吹けば飛んでいきそうじゃないか。

雨季シーズンが本格化してきて、雨も強いのが増えてきた。一昨日の晩は風も強く、雷もすごかった。夜眠れないレベルだった。

これは警報でるレベルだなと思った。

1時間くらいで過ぎ去ったからよかったものの、ハリケーンはそれよりレベルが上だとするとこれは大変なことになりそうだ。

ここに来る前は、ハリケーンは一応来る国だけど、発生する場所に近いから数年に1回来るかどうかだよ、ほぼ縁のない話だね、なんて言ってたけどそんなことなさそうだもの。そんなことないってこっちの人は言ってたもの。話が違うんだもの。

去年の洪水で床上浸水してる動画見たもの。その前の大きい洪水のやつも見たもの。

約束が違うんだもの。

災害多発地域なら、日常的に起こることなら何らかの対策がなされてきてるはずだけれど、少なくとも日本ほどの対策はされてなさそうなんだもの。

みんな、昔はそんなことなかった。異常気象だ。って簡単に片づけて、次の「じゃあ、どうする?」の対策の段階に進んでいないんだもの。そう感じるんだもの。

去年は1回退避があったらしい。今年もおそらく、少なくとも1回はあるのだろう。

5日前から退避ということは、少なくとも数日はオフになるということだ。ホテルに缶詰めだろうけれど、普段から引きこもりのぼくには何ら問題ない。読書とNetflixが捗りそうで願ってもない。

うれしくもあり、めんどくさくもあり、不安もありの複雑な感情を抱えてハリケーンシーズンを迎えようとしている。

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