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ちょっとくらい迷いがあっても青年海外協力隊に応募すれば良いと思うよ

秋募集の季節。

先々月かな、青年海外協力隊の応募者の数が減ってますよというニュースがあった。これはニュースになる前から言われていたことだ。特に3.11の地震の後にどっと減ってる。

それでは、案件自体も減っているのかというとそんなことはない。案件自体は増えている。それだけ需要があるということで、それは喜ばしいことだと思う。案件も、カメラマン、生産管理や経営、ITなどいろんなものがでてきている。ぼくもマーケティングという職種だし、興味ある人は覗いてみると良いと思う。ぼくらの隊次は教員と環境教育が多かったかな。

国際協力分野へのアプローチは色々あるし、でてきてるし、人によっては青年海外協力隊が自身のキャリアにとってベストな選択肢ではないことはあるだろうけれど、大半の人にとっては良い選択だと思う。

ぼくは2018年春募集で応募して、去年のちょうど今頃、合格発表があった。海外にいたからネットで速報を見て「よし」と思ったのを覚えている。

正直なことをいうと、ぼくは自分のキャリアのために応募した。協力隊のあと何をするかは自分の中ではっきりしてしないし、どうしようかと漠然と悩んでいるけれど、今ぼくが直面していることに正面から向き合うと良い経験になると思っている。

ぼくはマーケティングという職種で受かって、派遣されている。(この職種は営業職の経験が数年あれば、定員割れしてるし普通は受かる)

ぼくの仕事内容はざっくり言うと、視覚障害者協会のマーケティングとPRのお手伝いとしてください、というものだ。

ぼくはその能力があると見込まれて派遣されている。自分でもその程度ならできると思っている。

それで、いざ現地に来てみると、マーケティングのお手伝いなんて悠長なことを言えるような環境ではなかった。少なくとも最初の1カ月はマーケティングの仕事ができてなかったし、いまだってできているかどうかと問われればできていない。

現場で求められていることは、新規事業立ち上げとマネージャー的な役割が大半。これはぼく未経験の領域。

絶妙にマッチしてないから、すべきことはなんとなくわかってるけど、少なくともまだ(ぼくの能力的に)できないからとてもしんどい。赴任当初は「これはポストと人材のミスマッチだな」と思った。

それからしばらくして、途上国にマーケティングなんていう細分化された職種が求められているはずがなく(日本でも営業職とマーケティング職がわかれていない会社が大半だろうし)、それはつまり、経理や生産管理や営業やマネジメントはできてるんだけど…ということでは全くない。むしろあらゆることが足りてないのがデフォルトなんだから、ぼくに求められているのは全部。全部、とりあえず良い感じにしてくれということなんだなと察した。スタートアップや途上国支援って総合格闘技と言われたりするけれど「あらゆるものが足りてないからとりあえずどこかで成果だしてくれ」っていう意味で総合格闘技なんだな、そういうことなんだなと察した。

かといって、ぼくが絶望したかというとそんなこともなく(小さな絶望はほぼ毎日しているけれど)、自分の能力以上のポストを与えられているんだと思っている。新規事業立ち上げとか、マネージャーの景色ってこういうものなのかと感じている。

ぼくはフリーランスからサラリーマンを経てきてるわけだけど、後輩的な人はいても部下的な人はいなかったのでどうマネジメントしたらよいのか、どういうペースで教えるのが彼らにとってベストなのかも日々悩んでいる。

たぶん、この経験はぼくの将来にとってとても良いと思う。しんどいことばかりだけれど、これを活かすことができれば良い成長機会だなと思う。

なにが言いたいかというと、おそらくそれまでの人生で経験したことないことを経験できるのが青年海外協力隊の2年間だとぼくは思っているし、自分が役に立てるかどうかわからない、自信がないから応募を悩んでいる…というのなら、とりあえず応募してみればよいと思う。大丈夫そうかどうかを判断するのはJICA側であって、あなたではないのだから。案件にマッチしないと判断されればあなたは派遣されることはないのだから安心してほしい。

ぼくは自分の将来のキャリアのために来たわけだけど、現地に何か良い影響を残してくれるなら、次に繋がることを残してくれるなら、そういう理由でも良いと思う。

そんなに語学力なくても、お金もらいながら海外で働ける機会って、そんなに多くないと思うし。2年後にはけっこうみんな任地の言葉ペラペラになってる(基本的に任地に日本人は自分1人なので)。

バックグランドも、海外の大学院卒とか、東大とか、早稲田とか、一流の学歴の人たちが目に着いたりするけれど、彼ら彼女らが多数派かというと全然そんなことはない。ぼくは関西の大学だし、だれも聞いたことないような会社で働いていた。専門学校卒も結構いたし、元自衛官とか、新聞記者とか、塾の先生とかほんといろんな人がいる。年齢も新卒の若い子もいれば、30後半の人も結構いたし、平均はぼくらの隊次で28~29歳くらいにはなっていた。

ちょうど、ぼくのいるセントビンセントも障害者支援かなにかのポストで募集がかかってる。最短で来年の7月派遣だったと思う。

海はめちゃくちゃきれいだし、人生でカリブの島に行く機会なんてそうそうないことだと思うから、少しでもひっかかるものがあるなら検討してみてほしい。

何事も、実際にやってみるのが大事だとぼくは思っているので、ネット上のごくごく一部の批判やぼくを含む隊員の苦労日記に惑わされず、決めつけず飛び込んでみて欲しい。

想定外の斜め上の苦労が待っているから。

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