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そもそもプロットとは? 魅力的なプロット作りの基本①

コミカライズに限らず、また漫画に限らず、およそ物語を作る際にはプロットを作ることが必要になります。


しかしプロットとは何か、については、おそらく創作者それぞれに一家言あるかもしれません。


ここでは、僕の定義する「プロット」について書いていきます。


僕が漫画を描く際の「プロット」とは「骨組み」のことです。「構成」とも言います。


例えば次のような物語を考えてみましょう。

「その日トーエはエージェントの遠山と連れ立ってnoteの担当者・水野と打ち合わせの予定であった。
しかし、トーエは遠山との連絡の不備により待ち合わせ場所を間違えてしまう。慌てて遠山に連絡をとり、トーエは慣れない都会の中で、本来の待ち合わせ場所までの大冒険を余儀なくされてしまう。
トーエは元来方向音痴である。複雑な地下鉄にも不慣れだ。トーエは必死でそれらの難関をくぐり抜け、なんとか渋谷まで向かう。すでに打ち合わせの予定の時刻は過ぎている
トーエは滴り落ちる汗をぬぐいながらなんとか渋谷にたどり着き、スマホの地図で場所を確認する。
しかし、トーエにとっては渋谷駅そのものが巨大なダンジョンであった。彼は駅の外に出るまでも大幅なタイムロスをしてしまう。そしてこの脱出劇により彼の心身はボロボロに傷ついてしまう。
トーエはついに渋谷駅を脱出し、照りつける殺人的な夏の日差しの攻撃を受けながらも一歩一歩note本社への道を歩く
道の先にうっすらと遠山の姿が見える。彼女はホッとしたようにトーエに近づき、noteの水野様は仏様のような人です、あなたの愚かな遅刻などとっくに許しておられます、と菩薩のような笑みを浮かべつつトーエに告げる。
トーエはその言葉に涙を浮かべ、安心した彼はその場で力尽き、天寿を全うする。彼の死に顔には心なしか満足げな微笑が浮かんでいたのであった。」


なかなか感動的な物語ですね。まるで仏教説話のような教訓に満ち溢れています。遅刻はいけません、特に大事な打ち合わせには。


さて、これはいわゆる「物語、ストーリー、あらすじ」というものです。

このあらすじをだいたい四つのパートに分解します。

「①トーエ、飯田橋の事務所にて、待ち合わせ場所の間違いに気づく。
②トーエは都会の複雑な街々や地下鉄をくぐり抜け渋谷へ向かう。
③渋谷駅にたどり着く。しかしそこは今までの道のりよりもさらに奇々怪界なダンジョンである。トーエは駅からの脱出の戦いで深く傷つく。
④なんとか渋谷駅から脱出し、地図を頼りに本社に近付く。
ついに本社にたどり着いたトーエ、遠山の言葉に安心し、死ぬ。」

この「あらすじ」から分解して抽出したパートの羅列を、僕は「プロット」と呼んでいます。
「あらすじ」から余計な情報を省き、登場人物の具体的な動きだけを簡潔にした要素を取り出しているのがわかりますね?


四つのパートとはいちおう「起承転結」に対応させているわけですが、特にそこにとらわれる必要はありません。


大事なことは「あらすじ」の登場人物の動きが具体的にわかるように、なるだけ簡素なパートに分解して取り出すことです。そうすればこの「 物語、ストーリー、あらすじ」の”骨”が立ち現れてくるわけです。


もちろんこのままでは大まか過ぎて、まだ漫画は描けません。


ですが、いわゆる「物語、ストーリー、あらすじ」と「プロット」の違いはわかってもらえるのではないでしょうか?


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