アジア数独選手権2024(ASC2024JP) 参加記

1/27,28にかけてアジア数独選手権に参加してきました。
初めてのパズルの国際大会参加ということで、とても楽しかったので参加記を書きました。めちゃくちゃ細かいところまで全部書いてしまったのでやたら長いです。自分の思い出用です。

0.告知~予選エントリー

日本パズル選手権2023に参加した際に告知を聞き、そこで本大会のことを知った。

ASC2024JPとは、アジアの数独の猛者達が静岡の会場に集まり、一日かけて朝から晩まで数独を解くというイベントである。数独の国際大会が日本で開催されるのは初めてだそう。オンサイト大会ならではのチーム戦などもあるとのこと。わくわくである。
日本では参加者を選別するためにオンライン予選を行い、得点上位の何名かが参加権を得るとのこと。

告知を聞いた段階でイベントとしては楽しそうだと思ったが、恐らく予選に参加することはないだろうと思っていた。というか予選を通過できる気がしていなかった。理由は単純で、ペンシルパズルで最も苦手なジャンルが数独だからである。


競技パズルを知らない方のために、パズル大会の内容について説明する。
競技パズルの大会では、出題されるパズルのジャンルに関して大まかなジャンル分けが存在している。基本的に一つの大会の中では「数独(バラエティ含む)」もしくは「あらゆるルールのペンシルパズル(数独は含まないことの方が多い)」のどちらか一方のみが出題されることになっていて、基本的に前者は「数独大会」、後者は「(狭義の)パズル大会」と呼ばれる。例えば先述の日本パズル選手権は後者にあたる。

たった一つの基本ルールだけで独立して大会を開催できてしまうということからわかる通り、数独は他のパズルと一線を画す巨大なジャンルである。

逆に、狭義のパズル大会だけに参加するのであれば基本的に数独の練習は重要ではない。世界パズル選手権の国内予選では数独が1問必ず出題されるという慣例があるが、それも苦手であれば触らなければいいだけなのでそこまでの痛手になることはない。

自分はヤジリン等のループ系や物体配置系のパズルが得意な一方、ラテン方陣系(N×Nの盤面に1~Nまでの数字を書きまくるやつ)のパズルは元々非常に苦手とするところである。それに加えてパズル大会では基本的に数独が出題されないということで、これらを数独を触らない理由にしてしまっていた。というわけでそもそもほぼ数独を触ったことがなく、手筋等も一切知らない状態だった。

ただやっぱりASCが魅力的なイベントであるとも感じていた。パズルの世界大会に参加するためには基本的に国内選抜を勝ち抜けなければならず、これが近年非常に厳しくなっている。国際大会常連の方々が一定数の枠を毎回確実に埋めていく上、毎年のように現れる信じられないくらい強い若者が残りの枠を埋めるのである。自分は一応毎年パズル選抜に参加しているが、上振れしてもギリ通過できなさそうくらいの得点しか取れず、一生かけても通過できない可能性の方が高いだろうという感覚であった。

それが今回日本での国際大会開催ということで、告知の際の森西さん曰く、国内参加者のために普段の国際大会よりも参加枠が多めに用意されているとのこと。海外のパズラーをこの目で拝めるまたとないチャンスだと思った。また、数独への苦手意識を大会を経て払拭できるかもしれないと思った。予選に挑むだけでも多少良い効果が期待できるかもしれないと思い、予選参加を決めた。

1.予選

告知を聞いた段階で、予選までの期間はおよそ1ヶ月だった。

丁度この時期は競プロに最も力を入れていた時期で、そちらに練習量を吸われてしまいほとんど数独の練習ができていなかった。

予選まで一週間を切りインストラクション(問題セットのルールや例題)が公開されて危機感を感じ始め、ついに重い腰を上げて数独を触り始めた。聞いたことだけある有名な上級手筋(skyscraperなど)を予選までに習得する暇はないと判断し、xevs氏の手筋解説付きの本(あま辛ナンプレシリーズ)を用いて他のペンパでも使用機会の多い予約手筋の習得に力を入れた。初めは本当に何も解けなかったが、回数を重ねることで1問12分くらいのスピードでギリギリ解けるようにはなっていた。

国内予選当日になった。国内予選はオンラインで行われ、それぞれの問題を最後まで解くと現れる4桁のアンサーキーを制限時間以内になるべく多く解答するというルールである。(問題はこちら
制限時間60分という異例の短さ(世界大会選抜は毎回120分である)からそこまで厳しくふるいにかける意図はない=時間をかけても解けない難易度の問題は出題されないと読み、普段のパズル力を生かしやすいバラエティの中~高配点を狙っていく方針にした。

結果、クラシックの高配点2問、最高配点のキラー数独をスルーしての350点となった。クラシック3についてはラストでアンサーキーを2択まで絞ることができたが、2択を外して66点失点した。
体感では11/14問解いていたので高得点を期待していたが、点数を計算してみると6割も取れていなかったので悲しかった。
パズル大会では高難易度の問題は解き切れないリスクを孕んでいる代わりに時間に対する得点効率が高くなるように設定されている(体感)が、自分は解けないリスクにビビって積極的に高配点を捨てる傾向があり、毎回たくさん解いた達成感に反してかなり微妙な得点を獲得している。非常によくないなと思っている。

予選終了直後、タイムラインでは全問正解の報告がいくつも見られて驚いたと同時にやっぱりかと思った。基本的に国内予選で満点が出ることは非常に稀であるため、今回は普段の予選よりもかなり易しかったということである。自分は意外と取れたと思っていたが、予選参加者みんながそう思っていることだろう。上振れていたらわからなかったもののラストでの誤答で大幅に失点しているため、この時点でほぼ予選通過はないだろうという気持ちになる。

翌日結果が出た。30位だった。予選通過は12人以上の何人か(アバウト)とのことだったが、流石に30位では許されないだろうと思い諦めた。クラシック3の誤答で順位を7つも下げていたことが悲しかったが、たとえ23位だったとしても落ちているだろうと自分に言い聞かせていた。数日後にタイムラインに予選通過メールを受け取った人たちの声が流れてきた頃には、完全に応援の気持ちにシフトしていた。


そんなこんなで二週間くらい経った頃、唐突に運営からメールが届いた。予選通過のお知らせであった。びっくりである。思っていた以上に予選通過枠をたくさん用意してくれたということだろう。
通過に浮かれつつ申込フォームを書いた。その際にNormal部門とMaster部門のどちらに参加するかの選択を迫られた。後者が世界大会の難易度、前者はそれより簡単(?)とのこと。せっかくの機会だし後者にしちゃおっかな〜と思っていたが予選で自分より高得点だった人々が普通にNormalにしていたため、大人しく自分もNormal部門にした。
(後に分かるがこの選択は正しかった。Master部門にしていたら公開処刑になるところであった)

大会まで一ヶ月ほどあり、就活でメンタルがぐちゃぐちゃになりながらちょっとだけ数独を触っていた。イベント自体は楽しみであるがやはり数独は非常に苦手であったため、多く練習することはできなかった。
一週間前くらいになって日本人参加者リストが公開されたので見てみたら、予選通過枠23人中の22番目だった。本当に滑り込みすぎる。ありがとうございます。

2.前泊

大会自体は一日で終了するものの、国際大会であるため会場付近のホテルでの前泊を前提としたスケジュールになっており、日本人も前日入りをすることになっていた。
新幹線で静岡駅に向かう。普段は新幹線など使わないので感覚が分からなかったが、家から一時間くらいで着いてびっくりしてしまった。すごく速い。
早めに着いたのでタイトーステーション静岡で音ゲーしていた。バージョンが古かったり筐体が少なかったりと少し不便さを感じ、家の近所にめちゃくちゃ環境のいいゲームセンターがたまたま存在していたことに改めて感謝していた。タイトー静岡のサウンドボルテックスの鍵盤は埋まっていた。

静岡行脚

昼の3時になり受付開始したので、早速チェックインを済ませた。何人か知り合いがいたりパズル界で有名な方と挨拶できたりして良かった。海外の方もちらほらいて、うわ~国際大会だ~とじわじわ嬉しくなっていた。ソロホテルも初めての経験だったのでテンションが上がっていた。

受付するともらえるバッグ。例題やスポンサーのグッズ、選手用のTシャツなどが入っている

ディナーは6時~9時からだったのだが、競技謎解きイベント「解神」のオンライン予選(勝鬨)が7時~8時でありダダ被りしていた。ディナーをしっかり食べたかったので直前まで参加を迷っていたが、一緒にいた知り合いがホテルで参加するとのことだったので自分も参加することにした。受付終了直前にセブンイレブンに駆け込んで参加費を払った。知り合いが直前に専門店のケーキで糖分補給していて良かった。

静岡を散歩してた時に見つけたでけぇ恐竜

ディナーはバイキング方式だと聞いていたので8時に勝鬨が終わった瞬間にディナー会場に駆け込むつもりだったが、7時前にホテルで参加の準備をしていたところ、どうしてディナー会場来ていないんですか…?という連絡が他の参加者から間接的に届いてかなり不安になっていた。一緒に勝鬨に参加予定だった一人は既に参加を諦めてディナー会場に向かってしまい、自分もいつでも部屋を出られるようにスタンバイしながら勝鬨に臨んだ。

勝鬨を終え、全然解けね~と思いながら解説放送も見ずに猛ダッシュでディナー会場に向かった。既に海外参加者はほとんどおらず、日本人参加者が数名残っていただけだった。ディナーはまだかなり残っていたので、から揚げをめちゃくちゃ食べながら挨拶をした。競技パズル界で極めて強い方々の実在を確認して感動し、こちらも認知してもらえていたことを知りとても嬉しかった。後にもう一人の勝鬨参加者も合流した。満点だったらしい。すげー。
から揚げをパンパンに食べてヘロヘロになりながら参加者と一緒に少し音ゲーオフをしたのちホテルに帰ってすぐに寝た。寝坊が一番怖かったのと、普段と違う場所なので全然落ち着かなかった。

3.大会当日

朝7時に快適に目覚めた。朝食会場には既にたくさんの参加者がおり、ほとんどの参加者が大会に向けたウォーミングアップをしていた。海外選手がパンを片手に数独の練習をしている様子が見られて非常に良かった。自分は昨夜のから揚げがまだ胃に残っていて苦しかったので朝食はサラダだけ食べ、コンビニでラムネを買い漁っていた。

健康

朝食を済ませ、同じ建物内の大会会場に入った。てっきり日本人同士で固まって座るのかと思っていたが、同じ国同士が隣り合わないように座席が決められていてびっくりした(国際大会では常にそうらしい)。隣には中国の方やタイの方がいて緊張した。
大会会場のホールは元々舞台か何かのために使われるホールだったので前方にステージのようなものがあり、Master部門の参加者はその上で解いていた。ちょっとうらやましかった。

大会は8ラウンドで構成されている。午前に4ラウンド、午後に4ラウンドあり、前半6ラウンドは個人戦、後半2ラウンドはチーム別の団体戦である。ラウンド毎にテーマが決まっており、それに合わせたルールのパズルが出題される。個人戦、団体戦毎にNormal部門、Master部門別でしっかりと得点ランキングが作られる。参加者の中でかなり実力が劣っていることは分かっていたので高順位は期待していなかったが、せめて楽しく取り組めるくらい(配点の半分くらい)解けるといいなと思っていた。

以降はラウンド毎の感想などの話になる。

R1.Classics(40min) 130/400pts.

クラシックラウンド。純粋な、いわゆる普通の数独だけが11問出題される。他のラウンドではクラシック数独は多くとも1問しか出題されないので、見方を変えれば最も特殊なラウンドとも言える。

事前に分かってはいたが、全ラウンド中で最もひどい得点率だった。配点が5点のものから100点のものまであるのだが、高配点のものはそもそも今の自分が解くことが可能な問題なのかすらも分からない(高度な手筋が要求されると詰んでしまう)ので、低配点を順に取っていく戦略しか取れなかった。途中で恐らくひどい出来だろうと確信し、今後のラウンドに向けてどのように解くか(候補数字をマスのどこに書くか、仮定する時にどのようなマークを使うか)について考えたりしていた。他のラウンドの問題と比べても平均的な配点である40点の問題すらも取れなかったことを受け、今後のラウンドでクラシック数独を全捨てすることを決意した。(後々知ったが、R2以降のクラシック数独はすべてニコリさんの特別提供だったらしい。今度解こう)
帰ってきた答案を確認したところ、緊張しすぎて初手で参加者番号を書き間違えていたことが分かり恥ずかしかった。

R2.Standard(50min) 270/500pts.

スタンダードラウンド。バラエティルールの中でも比較的普通なルールが出題されている、らしい…?
Pencilmark(全てのマスに初めから候補数字が記入されている)やQuadruple(マスの角に周囲4マスに入る数字の一部が表出されている)といった見慣れないルールがあって面白いなと思った。

50点以上の高配点である対角線や不等号、幾何学といったギリギリ馴染みのあるルールを積極的に取りに行き、とりあえず半分の配点を取ることができて安堵した。幾何学(90点)に関しては自信があったので、物怖じせずに取り切ることができて良かった。90点問題が取れたことで高配点でも頑張れば取れる難易度感の大会であるとわかり、R1での絶望感を払拭することができた。

R3.Varieties(50min) 225/500pts.

バラエティラウンド。R2よりも更にルールが特殊になっている。
1~9じゃない数字を入れたりデジタル数字だったりそもそも数字ですらなかったり、盤面が六角形だったり立体だったりする。楽しい。

高配点の一つであるOdd Pentominoes(85点)を取ることができて嬉しかった。奇数のマスだけ見ると全て5個繋がりになっているという奇妙なルールなのだが、奇数のマスがにゅにゅっと伸びていってかなり強力なヒントになってくれて爽快感がある。ただめちゃくちゃ破綻して2回全消しした。
このラウンドで今大会唯一の誤答をした。Domino Searchという盤面にドミノの牌を埋めていく数独なのだが、後半のスピード感でテンションが上がってしまいラスト2つの牌を逆に入れていた。配点が大きめだったので悲しかった。

R4.Double(45min) 275/500pts.

ダブルということでダブルに関する様々なルールが出題される(?)

Double Upという問題がかなり面白かった。盤面内のいくつかのマスについて、十進法で見ると片方が片方の2倍になっているような関係が事前にいくつか明かされているというルールである。盤面内に一際目立っている9桁と9桁の関係があり、それを中心として他のマスの数字が決まっていくのだが、かなり面白い展開になっていた。もし本大会の問題が手に入るようになれば皆さんも是非チャレンジしてほしい。


昼食タイムになり、この時点でものすごく疲れていた。隣の中国人の方がtoo tired……と言っていたのでme too……と返して二人で笑っていた。昼食はペンネを食べれるだけ食べた。食事のクオリティが本当に高くてありがたかった。
選手が解いている裏で採点作業が並行して行われているため、リアルタイムで順位が分かるようになっている。Normal部門の順位表を見ると国内予選の時とだいたい同じくらいの位置におり、結構頑張っているのに全然上に行けないのでやはりNormal部門でも参加者のレベルが高いなあと感じていた。Master部門の順位表を覗くと10位以内に日本人が1人しかいないのにその1人が全体首位に位置しており、最強のパズラーとしてとても有名な方だったので本当に別格なんだなあと思った。


R5.Japanese(60min) 265/650pts.

ジャパニーズラウンド。何がジャパニーズなのかはよくわかっていない。(Japanese Sumsとかのパズルと関係があるんでしょうか)
なんとなく数字の足し算をするルールが多かった印象がある。

単問では全ラウンドで最高である130点という配点を付けられていたOdd Labyrinthに特攻し、20分ほど溶かして爆死した。左上のマスから右下のマスまで縦横に奇数が書かれたマスだけ通って抜けれるようにするというすごく変で面白いルールなのだが、流石に最高配点を付けられているだけあり数独部分が難しく歯が立たなかった。Master部門でも全く同じ問題が65点問題として高配点枠に置かれていたらしく、それじゃあ取れないのも仕方ないなあと思った。
書いていて気付いたのだが、Normal部門の配点はMaster部門の2倍を目安に付けられているらしい。ということは次のラウンドのMaster部門の配点170点のボス問はNormal部門で340点レベルにあたる問題ということなのでしょうか。怖いですね。

R6.Relay(60min)  440/600pts.

個人戦最終ラウンド、リレーラウンド。リレーと言っても個人戦なので一人で全部解く。6つのルールについて3~6問の小さめの数独が出題され、前の問題を解くと次の数独のヒントが現れるという形式である。
基本的には解いて次に進むを繰り返すだけなのでパズル的に面白いルールというわけではないが、爽快感がありとても楽しい。Unequal Relay(前の盤面と次の盤面の同じ位置に入る数字は一致しない)や、Unordered Relay(次にどの盤面を解けばいいのかまで判断する必要がある)といった特殊ルールのものもあって、そちらはパズルとしても面白かった。

めちゃくちゃ調子がよく、ほぼ手が止まらなかった。個人戦ラウンドは得点率5割を行ったり来たりしていたが、このラウンドのおかげでギリギリ総合5割を超えることができ、一矢報いることができたような感覚があった。
終了20分前くらいにFinish宣言(全部解き終わって宣言し、全問正解であれば時間に応じた追加点がもらえる)が聞こえてきてかなり怖かった。

ここで個人戦は終了し、団体戦のための席替え・団体戦のメンバーとの顔合わせをする時間になった。
団体戦では予選の点数で既に4人1組のチームが組まれていて、メンバーの中にツイッターのフォロワーがいて安心した。自チームを含むほとんどの日本選手は昨夜のディナー会場で団体戦の顔合わせを済ませていたらしく申し訳なかった。
ラウンド開始まで、配点高すぎるけど個人戦とは違うからよくわかんないね~だとか、団体部門の例題が難しすぎて全然解けなかったよね~みたいな話をしていた。全員団体戦は初めての経験だったこともあり(一応WPC体験会で一度だけ体験したことはあるが)、正直実際に触ってみないと分からないよなあという認識だった。

R7.Dominoes Complete(25min)  1080/1000pts.

団体戦前半戦。200点の問題が5問出題されるが、4問の偶奇に関するルールの数独を解くことで最後のドミノ牌を埋める数独を解くための大きなヒントが得られるという形式になっている。
つまり、基本的には最初に4人で4問を分担して解き、自分の問題が解けた人から順にラスト1問に取り組んでいく形になる。

ルールを読んだ段階で単問に手こずって連帯責任が発生する未来が容易に想像できて怖かった。実際めちゃくちゃ緊張してしまい、自分の担当問題を解く際に本当に手が震えていたことを覚えている。個人戦に比べてここまで焦り度合いが変わるもんなのだなあと驚いた。
自分はたまたま特に簡単な問題を引けたようで、メンバー内で2番目に解き切ることができた。5問目は全員分のヒントがなければほぼ進まないような雰囲気を感じたので一旦メンバーのサポートに行ったが、緊張から間違った指摘ばかりしてしまい逆に妨害していたような感じになってしまい申し訳なかった。
全員分のヒントが集まり、5問目に着手した。全員の協力のおかげで手が止まることなくすんなり進んでいった。残り2分のところでギリギリ解き切ることができ、初のFinishボーナス獲得となった。

R8.Mt.Fuji(50min)  2820/2100pts.

団体戦後半戦、本大会の最終ラウンド。インストラクションには10個もの追加ルールが書いてあったが、内容に関しては計14問の問題が出題されるという情報のみ。始まるまでどんな形の数独が出題されるのかもわからないというルールだった。(と言いつつ某氏がタイトル読みで盤面形状を大会前に完全的中させていた。形状はこんな感じ)とりあえずメンバーそれぞれ得意なやつから埋めていこうねという感じだった。

合体問題らしく、単問では厳しい問題を他のパズルのルールを伝播させて解いていくタイプの問題だった。かなり調子よく進んで、18分残しであっさり終わってしまった。ほどよく難しくとても楽しかったが、欲を言えばもうちょっとやりたかったかもしれない……。一方Master部門は日本チーム3チームの中で最高点が600点(4問正解)だったらしい。やばそう。
途中退室して余った時間でゲームセンターで遊んだ後、ディナー会場に向かった。

ディナー会場でから揚げをつまみつつR2のQuadrupleを解きながら表彰式を見ていた。(結果発表
個人戦の最終順位はR6のおかげでかなり持ち直していた。が、それでもMaster部門含めると真ん中程度の順位であった。レベルが高い。
個人戦Normal部門の優勝は中国の10歳くらいの少年だった。すごすぎる。Relayラウンドで聞いたFinish宣言もこの子のものだったのだろう。

手元の数独に集中していたら団体戦Normal部門の表彰で自チームであるJapan-Cが呼ばれた。3位入賞だった。2位はJapan-Aチーム、1位は中国のチームだった。
Normal部門の日本チームは4チームあり、自分達は3チーム目だった。予選の点数順でそのままチームが組まれているためJapan-Bとは大きな実力差があり、それを覆して勝てていたことに驚いた。下剋上。予期せずメダルを貰えて嬉しかった。

会場を出る直前に雑に撮ったメダル on 問題ブックレット

個人戦Master部門では日本の方が惜しくも準優勝、優勝は最終ラウンドで巻き返した中国の方だった。数独は中国勢がとにかく強いと聞いていたが、噂に違わぬ強さだった。ランキング上位にはパズル側でも有名な人が多数おり、海外のパズル強者達をこの目で見られてよかったと思った。

表彰式が終わり、自分は一泊で申し込んでいたのでそのまま駅に向かい新幹線で帰路についた。今思えば前日のディナーでの機会を逃したせいであまり日本勢と挨拶できていなかったのがもったいなかった。表彰式後に挨拶しておけばよかったな。

帰宅してメダルを飾りつつ余韻に浸り、疲れていたのでそのまま寝た。長い一日だった。

4.感想

  • まずは、大会を開催して頂きありがとうございました。本当に楽しかったです。参加するまではこんなに楽しめるなんて思っていませんでした。国際大会に慣れている方はわかりませんが、自分の場合は大袈裟ではなく最初で最後の国際大会参加になったのかもしれません。参加できてよかったなと思っています。

  • 各ラウンドごとの感想を結構長々と書いてしまっていますが、数独苦手なままだったらこんなに書けていないのでやっぱり苦手意識はかなり払拭できたんじゃないかと思っています。いくら苦手なジャンルと言えど、一日中本気で向き合ったらやっぱり楽しいと感じるものです。競技〇〇(パズルでも何でも)は邪道な楽しみである、美しさがないなどと感じる人がいるかもしれませんが、やはり短時間で本気で向き合わされることで生まれるエネルギーというのは競技ならではのものがあると思います。

  • 海外勢を生で見ることができたのは、やっぱりかなりの刺激になりました。隣の中国の方とも若干交流(と言っていいのか分からないが)できたし、貴重な体験でした。中国の方ありがとう。

  • 貴重な国際大会でメダルをゲットできたのもよかったです。Japan-Cの皆さんありがとうございました。テンションが上がり過ぎて少しでしゃばってしまったような記憶があり恥ずかしいです。

  • 大会を経てパズルモチベ・数独モチベが上がり、GPとかLMIとか少しづつ触っています。ただやっぱり数独力はまだまだだなと感じます。ASCのNormal部門の問題はLMISMと同程度~少し簡単くらいな気がしていて、SGPの問題にもなると競技パズルのスピードで解くにはまだまだ厳しい感覚でした。数独の伸びしろは残っているはずなので、手筋を覚えたり数こなしたりしてゆくゆくはパズル力に追いつけたらなと思っています。

  • あと改めて世界パズル選手権にめちゃくちゃ行きたいなと思ってしまいました。パズルの方でどうにか勝ち抜けたいが、うーん……。今年は事情により通っても多分日程的に参加できないので、目指すなら来年以降になるのかな。パズル力も上位陣に比べたらまだまだなので、特に定番系の数をこなしていく方向で頑張りたいです。

  • せっかくなので少しだけ競技パズルに対する気持ちを書くと、競技パズルの界隈は自分が見てきた様々な界隈の中で最も居心地がよく、かけた時間が特別大きいわけではないものの強い思い入れがあります。その分、あまり自分のスタイルで踏み込んで荒らしてしまいたくないという思いもあり、関わり方に最も悩んでいる界隈でもあります(アカウントを分けることを検討したこともあります)。これからも競技パズルを触っていく気持ちはあるので、今後とも是非仲良くして頂けると嬉しいです。

  • そういえば、Normal部門の解き残した問題やMaster部門の問題が手つかずで残っているんですよね。Master部門全部解き切れるまでどのくらいかかるやら……頑張ります。

  • 逆張りしてさわやか食べずに帰ってしまったけど、これだけは失敗だったなあ。なんで逆張ってしまったんだ

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