家庭教師を辞めた


家庭教師を辞めた。バイトだ。

せっかく大学に入り直したのだ。なにかバイトを始めようと思い立った。
なるほど、中学受験組だと案件もあるらしい。直ぐにポンポンと大量の案件を請け負った。昔から断れない性分なのだ。

とりあえず2ヶ月やってみた。1番大好きな先生と言ってくれる小学生もいた。その時は嬉しかった。彼女と母と飼い犬とに直ぐに報告電話をしたのを覚えている。
あまりの嬉しさに、お宅に財布をまるまる忘れた程である。
しかし、自分の体のことを私はちっとも理解していなかった。

4月末に入った頃、異様に体が重く、些細なことに落胆するようになっていることに気づいた。
創作意欲もわかず、その理由も皆目見当もつかぬ。

ふと彼女に冷たく当たられただけで(ヘアドライヤーでもかけて、私のことが聞こえなかっただけかもしれぬ)別れを切り出してしまう程であった。
この後の話はまだ難航しているが私が悪いのだ。そのまま別れてしまわぬようなんとか善処している。まあこの話は良いのだ。

とくもかくにもストレスが解けぬ。せっかく稼いでもストレスによる暴飲暴食でむしろ損してしまう。

そもそも事務所は各片道1時間以上かかるような道を、東京の西端から千葉まで全部一人で回れと案件を持ってくる。
土曜日大学一限二限行ったあと、荻窪の家庭に行き、その後直ぐに幕張(千葉)の家庭に教えにいけと。
はっきりいってむちゃである。
これを週4出続けて、貰える額は月2万ちょいである。
これをやった上で大学に通い、起業までするとなるともうはっきりいって無謀だ。

あまりに疲労が溜まりすぎて昨日自分のチンチンにレジンを塗ってエターナル・コンドームが出来ないか実験をしてしまった。愚かすぎる。死んでしまいたい。

さっき事務所に辞めると申し出てきた。

駅前のパチ屋の前で有り得ないほどの可愛い女の子がなにか、いや、だれかをソワソワ笑顔で待っていた。

昨日の雨が嘘みたいな晴れである。

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